TOTO／『Turn Back』 [CD]
ベースの David Hungate を含めた6人が紡ぎ出す全8曲が収録された『Turn Back』は、リリース当時、日本でたいへん人気があった。過去の2枚を好きな層とは少し違い、ギターを弾く層からも支持を集めたのがこの『Turn Back』だった。
しかし、日本での好評に対してアメリカでの評価は低かった。前2作がアルバム・チャートでそれぞれ最高位が9位と37位を記録したが、『Turn Back』はそれを下回る41位止まり。アルバムからの1stシングル『Goodbye Elenore』も最高107位、2ndシングルの『Live For Today』に至ってはチャートインも果たせなかった。
では、そんなに酷いアルバムなのか…? というと、そんなことは決してない。確かに Steve Lukather のプレイが前面に押し出された印象の強い『Turn Back』だが、後にライブで定番のひとつにもなる『English Eyes』や、David Paich 作のバラード『A Million Miles Away』での各メンバーのプレイは、そのどれもが聴きどころだった。
また当時の LP ではここで一区切りがつき、サイドを入れ替えて始まるのが『Goodbye Elenore』だった。この TOTO 版ハードロックのお手本ともいえる『Goodbye Elenore』はライブ映えのする曲で、ライブで Jeff Porcaro のドラムが始まるとゾクゾクと鳥肌が立ったものだった。
前半の4曲に対し、B面にあたる4曲は『Goodbye Elenore』を除き、ややインパクトに欠ける印象もある『Turn Back』だが、それがこのアルバムのマイナスになるかといえば、そんなこともない。
それどころか TOTO の6人がそれぞれ奏でるプレイの数々を、じっくりと聴き入るような曲が並び、ますますこの TOTO の新しい一面が気に入ってしまった。
このハード寄りな面が日本以外であまり好評でなかったことで、TOTO は次回作で、初期2作の雰囲気に『Turn Back』で試みたハードな面を加えたアルバムを作り、それが TOTO を代表するアルバムとなった。TOTO が頂点に達する前夜の荒々しいサウンドが聴けるのが、この『Turn Back』というアルバムだ。
『Turn Back』
Gift With A Golden Gun
English Eyes
Live For Today
A Million Miles Away
Goodbye Elenore
I Think I Could Stand You Forever
Turn Back
If It's The Last Night
2009-11-13 14:09
nice!(1)
コメント(4)
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このアルバムはボーカルトラック以外、基本一発録りなんですよねー。
すげーな。バンドだぜー！ みたいな感動がありましたねー。
京都の京都会館に来てくれて見に行きましたよ。
まだ10代でしたが外タレのコンサートに行き始めた頃ですねー。
ちょうど同じ時期にマイケルシェンカーも来ていて、両方楽しんだ記憶があります。 w w
by alo-had (2009-11-13 15:15)
おぉ、alo-had さんはライブに行かれたのですね! この当時のライブ、見てみたかったですねぇ～。くぅ、羨ましいです。＾＾; この路線の TOTO でもう1枚くらいアルバムを作って欲しかったです!
by MCMLXV_65 (2009-11-13 15:27)
お邪魔しますm(__)m
はじめまして、のぶそうると申します。
本日、♪Live For Today.をアップしまして
やって参りました。
久々に、「Trun Back.」を聴いてみたんですが
かな～りイイなぁ～！ってちょっとびっくりでした。
ルークが全面に出た、ロックな一枚ですよねぇ～。
しばらく、ヘヴィローテになりそうです！
またお邪魔させて頂きます。
宜しくお願いしま～すm(__)m
by のぶそうる (2010-06-10 21:40)
はじめまして、のぶそうるさん。古い記事ですが、コメント下さいましてありがとうございます。のぶそうるさんのブログでプロフィールを拝見しましたが、ほぼ同世代ですね! こちらこそよろしくお願いします!!
で、『Turn Back』ですよね! この前後のアルバムに注目が集まってしまい、そお間のちょっとビミョウな立ち位置のアルバムですけど、TOTOのロックな面が程よく表れているいいアルバムです。当時はギターを弾く方々にも人気が高かったと記憶しています。これを機会にまた聴いてみたくなりました!
by MCMLXV_65 (2010-06-10 22:43)