今日のプレイリスト-09

久々に『今日のプレイリスト』として紹介する内容は、かつて、LP として流通していた The Beatles の『Love Songs』。オリジナルは1977年10月にアメリカ盤がリリースされ、日本でもこの年の11月にリリースされた。

以前、紹介した『Rock 'n' Roll Music』という企画盤と同じく、日米共同編集盤という扱いの2枚組みには全部で25曲が収められていた。『Love Songs』はアメリカのチャートでは最高24位を、イギリスのチャートでは最高12位を記録した。

この『Love Songs』は現在 The Beatles の公式盤から外れ、CD として現在は流通していないが、『Rock 'n' Roll Music』のようにブートレグ(海賊盤)として時折、みかける。しかし、LP としてリリースされた頃のジャケットを再現した、いわゆる紙ジャケット仕様のモノが流通しているのは今までに見たことがない。

オリジナルのジャケットは手触りが革のような素材が使われ、そのテクスチャーはとても珍しかったともいわれている。その質感がブートレグでも出回らない理由のひとつに挙げられるのだろうか…?

そんな2枚組みの『Love Songs』を、この秋にリリースされた最新リマスターをもとに、プレイリストとして再現してみた。下に曲目を記したが、対象となる曲はデビュー盤の『Please Please Me』からラスト・アルバムの『Let It Be』まで満遍なく選曲されている。

しかし、この2枚のアルバムからはそれぞれ1曲しか選ばれず、中心となるのは全曲を初めてオリジナル曲で占めた『A Hard Day's Night』から『Rubber Soul』まで4枚のアルバム。『A Hard Day's Night』と『Beatles For Sale』からそれぞれ3曲、『Help!』から6曲、『Rubber Soul』から5曲と、この4枚のアルバムから17曲、全体の7割近くを占めていた。

他のアルバムにも『Love Songs』のタイトルにふさわしい曲があるが、こういう選曲になったのも1つの例として楽しむと面白い。2枚組みの LP では『Yes It Is』までが1枚目、それ以降が2枚目に収められていた。全25曲を通しても約1時間と、無理をすれば1枚に収められただろうが、それを2枚組みにしたのは販売戦略の一環だったのだろう。

CD 時代にこの様な企画盤を作れば、もっと選曲の幅が広がり、また面白い内容になるかもしれない。今後も公式盤としてはリリースはされないだろうが、手元にある素材を使って、この様な名盤(?)を再現して聴いてみるのも、今という時代ならではの楽しみ方だろう。

『Love Songs』
Yesterday / Help!
I'll Follow the Sun / Beatles For Sale
I Need You / Help!
Girl / Rubber Soul
In My Life / Rubber Soul
Words of Love / Beatles For Sale
Here, There and Everywhere / Revolver
Something / Abbey Road
And I Love Her / A Hard Day's Night
If I Fell / A Hard Day's Night
I'll Be Back / A Hard Day's Night
Tell Me What You See / Help!
Yes It Is / Past Masters
Michelle / Rubber Soul
It's Only Love / Help!
You're Going to Lose That Girl / Help!
Every Little Thing / Beatles For Sale
For No One / Rubber Soul
She's Leaving Home / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
The Long and Winding Road / Let It Be
This Boy / Past Masters
Norwegian Wood (This Bird Has Flown) / Rubber Soul
You've Got to Hide Your Love Away / Help!
I Will / The Beatles
P.S. I Love You / Please Please Me

タグ：プレイリスト THE BEATLES 1977