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アイズ・ワイド・シャット [DVD]

アイズ・ワイド・シャット 特別版 [DVD]Tom Cruise と Nicole Kidman。現実の世界でも夫婦だったふたりを主演に起用した Stanley Kubrick の遺作『アイズ・ワイド・シャット』。劇場での公開は1999年。主演ふたりの知名度の高さや、Stanley Kubrick の急死ということでも話題を集めた『アイズ・ワイド・シャット』だったが、劇場に見にいく機会がなく、後に DVD を購入して見ることになった。

今回、久しぶりにその DVD を探し出してきたが、Stanley Kubrick の映画が好きなこともあり、2時間39分にも及ぶ長編も途中でダレることなく、一気に最後まで見入ってしまった。

説明的なセリフは少なく、映像でぐいぐい魅せていく手法は Stanley Kubrick の映画ならではの特徴。そんなことも時間の経過を忘れさせてくれる一因だったかもしれない。

映画はクリスマス・パーティに出席する Tom Cruise が演ずるビルと Nicole Kidman 演ずるアリスが自宅で準備をするシーンから始まる。当初は互いを思い合うふたりだが、パーティ後に自宅でマリファナを吸った勢いで、アリスは昔の思い出を唐突に話し始め、その内容にビルは幻惑されてしまう。

その最中に知人の訃報を受けて外出するビルだが、知人宅を後にし、夜のニューヨークを徘徊する。アリスの言葉をきっかけに妄想を抱き始めるビルは、娼婦の誘いに応じるが、アリスからの電話で現実に戻り、また夜の街を徘徊。ビルはクリスマス・パーティで偶然再会した旧友がピアノを弾くバーを見つける。

ふとしたことから秘密の集会が開かれていることを知ったビルは、偶然を装って集会に潜り込むことに成功する。その秘密の集会では、黒のマントを羽織い、頭をフードで隠し、仮面を付けることが必須。しかし、その実態は姿を隠した各界の著名人が集まる秘密の乱交パーティだった。

謎の女性から早くこの場を去ることを告げられるビルだが、その機会を逸し、正体がバレてしまう。危ういところを謎の女性のおかげで脱したビルだが、この夜をきっかけにして旧友は行方が分からなくなり、ビルを助けたと思われる謎の女性は変死を遂げる。ひっそりと静まりかえった夜の街では不審な男に付回される。

映画の冒頭でクリスマス・パーティを主催した友人から連絡を受けたビルは、その友人から秘密の集会の素性を知らされ、旧友の行方や、謎の女性の最後について聞かされる。自宅に戻りビルは全てをアリスに打ち明けるが、以前のような互いを思う関係はなくなってしまった。

子供を連れてクリスマスのショッピングに出かけるふたり。このギクシャクした関係を修復するには「ファック」しかないとビルに告げるアリス。ここで映画はエンディングとなる。

映画完成直後に Stanley Kubrick が亡くなったことで、現存する内容が Stanley Kubrick の意思とされているが、もしかしたら、もう少し編集で研ぎ澄まされた内容になっていたかもしれない『アイズ・ワイド・シャット』。時折、ビルの不安を象徴するように打ち鳴らされるピアノの連打が妙に耳に残る。

タグ:映画


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