Foreigner／『No End in Sight: The Very Best of Foreigner』

Foreigner も過去に多くのベスト盤をリリースしているバンドだが、この2枚組みのベスト盤は2008年7月にリリースされ、この時点での新曲扱いとなる『Too Late』と、3曲のライブ・バージョンを含む全32曲が収録されていた。

1977年にデビュー盤であるバンド名を冠した『Foreigner』をリリース。アメリカだけで500万枚のセールスをあげ、好調なスタートを切った Foreigner は、その後も4作目の『4』まで好調なセールスを続け、この4枚のアルバムから選ばれた16曲が、ベスト盤の1枚目に収録されている。

デビュー盤の『Foreigner』から5曲、『Double Vision』から3曲、『Head Games』から3曲、『4』から5曲。この16曲にはシングルになった曲も12曲含まれていた。

Foreigner のアルバムをリアルタイムに買ったのは、メンバーが4人になり、1981年にリリースされた4枚目の『4』が最初だったが、この『4』に収められた全10曲はそのどれもが完成度が高かった。

それまでのシングルと異なるバラードの『Waiting For A Girl Like You』を『4』からの2ndシングルに選んだ Foreigner だったが、これが大当たり。Foreigner を代表する曲のひとつになった。また『Waiting For A Girl Like You』は Billboard 誌の Hot 100 で10週間にわたり2位という珍しい記録もマーク。この間にトップに居座った曲は Olivia Newton-John の『Physical』と Hall & Oates の『I Can't Go for That (No Can Do)』という、こちらも両アーティストを代表する曲だった。

英米のアーティスト6人でスタートした Foreigner だったが、Mick Jones、Lou Gramm、Rick Wills、Dennis Elliott の4人編成になったことで、サウンドがより緻密になり、タイトな演奏になったような印象を受けた。

『4』の売上げは2ndアルバムの『Double Vision』の700万枚超に及ばなかったが、600万枚のセールスをあげ、Foreigner 初の全米 No.1 にも輝いた。その No.1 もリリース後の8月下旬から3週 No.1 の座についた以降、11月末から年末にかけて再び No.1 に返り咲き、年明けに『AC/DC』の『For Those About to Rock We Salute』に1位の座を明け渡すが、1月中旬から三度 No.1 の座についた。

『4』での4人は以降も1984年に『Agent Provocateur』を、1987年に『Inside Information』を発表。このベスト盤にも前者から6曲、後者から3曲が選ばれている。

『Waiting For A Girl Like You』で達成できなかったシングル No.1 の記録も、『I Want To Know What Love Is』で2週連続 No.1 の座についた。ただ、この2曲のバラードに味をしめたのか(そして、長いタイトルにも…?)、『Inside Information』からも『I Don't Want To Live Without You』というバラードをシングルに選んだが、こちらは全米チャートで5位が最高だった。

アルバムとしてもこの『Inside Information』までアメリカでのセールスが100万枚を維持したが、1991年に4年ぶりにリリースした『Unusual Heat』では Foreigner の看板でもあった Lou Gramm が脱退という事態を迎えてしまった。結果、このベスト盤でも Lou Gramm 脱退以降の2枚のアルバムからは3曲しか選ばれていない。

この2枚組みのベスト盤でも Foreigner にはやはり Lou Gramm が欠かせなかったと、改めて感じてしまい、2枚目の内容は1枚目より見劣りしてしまう感は否めなかった。

『No End in Sight: The Very Best of Foreigner』
Feels Like The First Time
Long, Long Way From Home
Cold As Ice
Headknocker
Starrider
Double Vision
Blue Morning, Blue Day
Hot Blooded
Dirty White Boy
Head Games
Women
Night Life
Break It Up
Juke Box Hero
Urgent
Waiting For A Girl Like You
I Want To Know What Love Is
Down On Love
Reaction To Action
That Was Yesterday
Say You Will
I Don't Want To Live Without You
Can't Wait
Tooth And Nail
Heart Turns To Stone
Lowdown And Dirty
I'll Fight For You
Until The End Of Time
Too Late
Say You Will (Live 2008)
Starrider (Live 2005)
Juke Box Hero/Whole Lotta Love (Live 2005)

タグ：2008 foreigner