Duran Duran／『Strange Behaviour』

1997年にリリースされた通算9枚目のアルバム『Medazzaland』の後、1998年に全19曲入りのベスト盤『Greatest』を発表した Duran Duran はその翌年、1999年には裏ベスト盤的な2枚組のアルバム『Strange Behaviour』をリリースした。

『Greatest』がシングル・バージョンのヒット曲を収録したのに対し、『Strange Behaviour』ではそれまでアナログ盤でしか聴けなかった多くのリミックス・バージョンが収録されていた。

Duran Duran の初期のシングルは当時 Night Version と呼ばれ、一般にラジオやテレビでオンエアされたシングル・バージョンとかなり違う編集が行われていて、それがまたとてもカッコ良かった。そんなリミックス・バージョンが『Strange Behaviour』には全部で24曲収められている。

1枚目の CD には初期のオリジナル・メンバー時代のシングルから、そして2枚目の CD にはメンバーが入れ替わった頃のシングルから数々のリミックスが選ばれている。

最も短い曲でも5分弱と、このアルバムに収められた曲はそのどれもが6分や7分を越す長い曲ばかりだが、1枚目の CD に収録された12曲はその懐かしさもあって長い時間をそれ程感じない。シングル・バージョンと全く編集が異なっているので、イントロを聴いただけではどんな曲なのかを最初は思い出せず、次第に曲のイメージが具体化していく過程を楽しむような聴き方もできる。

どれもが懐かしいメロディの1枚目に比べると2枚目の CD に収められた12曲は少し分が悪い。1枚目に比べ馴染みの少ないシングルがあることも分が悪い原因のひとつだが、この2枚目には当時未発表だったリミックスも含まれている。1枚目の曲の時代に比べ、それ以降の時代では傑出したリミックスが少なく、選曲に苦労した様子が垣間見える。

『I Don't Want Your Love』や『Too Much Information』のリミックスは公式には未発表で、プロモーションなどの目的でのみ発表されていたバージョンらしい。

2000年代に入り Duran Duran はシングルの形態を再現したボックスセットを2つリリースし、ここでも発表当時のシングルに収められた数々のリミックスが聴ける。リミックス・バージョンはリリースした国によってもその内容が微妙に異なるなど、ファンの心理を巧みに悩ませてくれている。

『Strange Behaviour』
【Disc One】
Planet Earth (Night Mix)
Girls On Film (Night Version)
My Own Way (Night Version)
Hungry Like The Wolf (Night Version)
Hold Back The Rain (Remix)
Rio (Carnival Version)
New Religion (Carnival Version)
Is There Something I Should Know? (Monster Mix)
Union Of The Snake (The Monkey Mix)
New Moon On Monday (Extended Version)
The Reflex (Dance Mix)
The Wild Boys (Wilder Than Wild Boys Extended Mix)
【Disc Two】
Notorious (Extended Mix)
Skin Trade (Stretch Mix)
Meet El Presidente (12" Version)
American Science (Chemical Reaction Mix)
I Don't Want Your Love (Dub Mix)
All She Wants Is (US Master Mix)
Violence Of Summer (Love's Taking Over) (Power Mix)
Come Undone (Come Undub)
Love Voodoo (Sidney St. 12" Mix)
Too Much Information (12" Jellybean Mix)
None Of The Above (Drizabone 12" Mix)
Drowning Man (D:Ream Ambient Mix)

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