Jeff Beck／『Beck-Ola』

Rod Stewart のボーカルと Ronnie Wood のベースに Nicky Hopkins のピアノが正式メンバーとしてクレジットされた第1期 Jeff Beck Group の2ndアルバム『Beck-Ola』。ドラマーだけが前作の『Truth』から変わり、Tony Newman が叩いている。

この『Beck-Ola』は Jeff Beck のソロ・デビュー盤『Truth』と共に後追いで聴いたアルバムだが、印象としてはこの『Beck-Ola』の方がお気に入りのアルバムで、ここに収められた7曲のどれもが好きな曲だ。

リマスターされた『Beck-Ola』にはさらに4曲のボーナス・トラックが収められているが、この『Beck-Ola』のエンディングはリリース当時にアルバムの最後を飾った『Rice Pudding』が突然終わるかたちが一番似合っている。

全部で7曲しかない『Beck-Ola』だが、そのうちオリジナルは5曲だけ。『All Shook Up』と『Jailhouse Rock』は Elvis Presley のカバー曲だが、この2曲も Jeff Beck Group の色にどっぷりと染まり、ロックな曲というイメージより、ハードなブルースのような曲に様変わりしている。

Jeff Beck、Ronnie Wood、Nicky Hopkins の中心メンバーがガツガツとぶつかり合うようなプレイに、ハスキーな Rod Stewart のボーカルが全く負けておらず、このボーカルに張りあうように絡んでくる Jeff Beck のギターも迫力満点。どちらが曲の主役なのか分からないような感じでもある。

かといって、メンバー間のジャム・セッションみたいな感じで進む長い曲は『Rice Pudding』の1曲だけで、他の曲は長くても約5分。アルバムは3分台の曲が中心で、その短い時間の中で5人のメンバーが文字通り「熱い」プレイを繰り広げている。

前後をハードな『Spanish Boots』と Elvis Presley のカバー『Jailhouse Rock』で挟まれた『Girl From Mill Valley』は、Nicky Hopkins のピアノが美しいインストルメンタルで、このアルバムの一服の清涼剤のような雰囲気だ。

このメンバーによるアルバムは『Truth』とこの『Beck-Ola』のわずか2枚だけで、Woodstock にも出演を予定していたが、バンド内のゴタゴタが原因で第1期 Jeff Beck Group は解散。Jeff Beck は他のメンバーで第2期 Jeff Beck Group をスタートさせることになる。

『Beck-Ola』
All Shook Up
Spanish Boots
Girl From Mill Valley
Jailhouse Rock
Plynth (Water Down The Drain)
The Hangman's Knee
Rice Pudding
【Bonus Track】
Sweet Little Angel [live]
Throw Down A Line
All Shook Up [early version]
Jailhouse Rock [early version]

タグ：Jeff Beck 1969

コメント 2

MCMLXV_65さん　こんばんは

私も『TRUTH』よりもこっちの方が好きです♪
ただ、収録時間が短すぎて、あっという間に終わってしまうのが玉に瑕ですね（笑）
by poposuke (2010-01-10 19:50) 

poposukeさん、こんばんは。niceマークとコメント、ありがとうございます!

『Beck-Ora』は仰られるように収録時間は30分ちょっとしかありませんね。でも、この短い中に5人のメンバーのエッセンスが凝縮されていると思います! この短時間のおかげで、何度も繰り返して聴けてしまうので、余計に印象が強く残るのではないでしょうか…? ＾＾
by MCMLXV_65 (2010-01-10 20:00)