Queen／『A Kind Of Magic』

1986年の夏にリリースされた『A Kind Of Magic』は CD と LP を共に購入した Queen の最初で最後のアルバムだった。これ以降、Queen の新譜は本国イギリスなどでは LP もリリースされたが、CD で購入するようになっていった。

この頃は CD がようやく個人的にも身近な存在になり、安価な CD プレーヤーが出回ってきたこともあって、Queen の旧譜を CD で集め始めた頃でもあった。

この『A Kind Of Magic』はまた、Queen が初めてデジタル・レコーディングを行なったアルバムだったが、なんとなくそれまでの温かみのある LP 時代の音が、デジタル的な硬い音に変わったようにも感じたアルバムだった。

『A Kind Of Magic』はこの前年に発表されたシングルの『One Vision』で始まる。収められた9曲中6曲は映画『Highlander』で使われた曲という構成だったが、映画で実際に使われた曲はまた少し違っていたという。

また『One Vision』も映画『Iron Eagle』で使われた曲で、一見すると『A Kind Of Magic』はサウンドトラックなのかと思われるが、『Flash Gordon』にあったような映画に登場する俳優のセリフや効果音の類は全く含まれていない。

『A Kind Of Magic』にはアルバム・リリースに伴なう Magic Tour で新たにアンコールでプレイされる曲になった『Friends Will Be Friends』や、Brian May が作った『Who Wants To Live Forever』などメロディが綺麗な曲や、『Gimme The Prize』や『Princes Of The Universe』のようなハードな曲もあり、バラエティに富んだアルバムだった。

先に挙げた曲やタイトル曲の『A Kind Of Magic』など、シングルが多く切られたアルバムでもあり、地域限定のシングルなども含めると全9曲中7曲がシングル・カットされたアルバムだった。

『A Kind Of Magic』は1980年の『The Game』以来となる全英アルバム・チャートで No.1 をマークし、欧州圏ではアイルランドでも No.1 を記録。スペインやベルギーなどでは2位を記録と、ヨーロッパでは比較的好評に迎えられ、『A Kind Of Magic』リリース後の Magic Tour も大成功を収めた。この Magic Tour の模様は『Live Magic』や『Live at Wembley '86』のライブ盤でも聴くことができる。

A Kind Of Magic
One Vision
A Kind Of Magic
One Year Of Love
Pain Is So Close To Pleasure
Friends Will Be Friends
Who Wants To Live Forever
Gimme The Prize (Kurgan's Theme)
Don't Lose Your Head
Princes Of the Universe

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