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Wings/『Wings At The Speed Of Sound』 [CD]

Speed-of-Sound.jpgPaul McCartney が Wings を結成してリリースしたアルバムとして通算5枚目にあたる『Wings At The Speed Of Sound』。このアルバムを聴いたのは、3枚組のライブ盤『Wings Over America』を聴いた後で、その3枚組のライブ盤の3枚目のA面4曲が全てこの『Wings At The Speed Of Sound』からの曲で占められていた。

このアルバムがリリースされた頃の Wings はまさに活動のピークを迎えていた頃で、ワールドツアーの最中の1976年3月にこのアルバムはリリースされた。

アルバムからの1stシングル『Silly Love Songs』はアメリカでは5週間 No.1 に輝き、Billboard 誌の1976年の年間チャートでも No.1 となり、名実ともに Wings を代表する曲になった。約6分にも及ぶ『Silly Love Songs』に続いて、このアルバムからは『Let 'Em In』がシングル・カットされ、こちらもアメリカでは最高3位をマークした。

『Wings Over America』に収められた他の2曲、『Beware My Love』と Denny Laine がボーカルの『Time To Hide』もライブではかなりハードにプレイされた曲で、『Wings At The Speed Of Sound』では好きな曲だ。

Wings を代表するアルバムというと前2作のアルバム『Band On The Run』と『Venus And Mars』の名前が多く挙げられるが、『Wings Over America』に収録された4曲があることから、この『Wings At The Speed Of Sound』を含めた3枚が Wings を代表するアルバムだと思う。

また、この『Wings At The Speed Of Sound』は Wings のメンバー5人が、よりバンドとしての結束を高めたアルバムとしても価値が高い。主にライターとしてクレジットされているのはもちろん Paul だが、この当時の Wings でギターを弾いていた Jimmy McCulloch が作った『Wino Junko』ではその Jimmy がリード・ボーカルを担当した。

そして Denny が歌う『Time To Hide』はその Denny が書いた曲であったし、ドラムの Joe English がボーカルの『Must Do Something About It』や、Paul の奥方 Linda も『Cook Of The House』でボーカルを務め、この『Wings At The Speed Of Sound』をバンドとして作り上げた印象が、それまでのアルバム以上に感じられた。

メンバー5人のボーカルがフューチャーされたことで反対に雑多な印象を与えてしまうかもしれないが、アルバム全体を通しては Paul の書いた曲で統一感をもたせているようにも感じられた。1曲目の『Let 'Em In』のノックの音でこのアルバムが始まるとも受け取れ、中盤にある Linda がボーカルの『Cook Of The House』では招かれた家で食事をしているかのよう。そして、最後の曲『Warm And Beautiful』ではその楽しい1日が終わってしまう寂しさを漂わせているようだった。

そんなアルバムとしてのまとまりが感じられるだけに、CD 時代になってから収められた3曲のボーナス・トラックはこの『Wings At The Speed Of Sound』に相応しい感じがしない。

CD 時代に入って空き時間を埋めるためにシングルのB面曲や、アルバム未収録曲がボーナス曲として使われることが多くなったが、この『Wings At The Speed Of Sound』からのシングルで使われたB面の曲は共にこのアルバムに含まれていた。そこで過去の音源を持ってきたのだと思うが、『Wings At The Speed Of Sound』としては『Warm And Beautiful』で終わるのが、このアルバムに最も適したエンディングだと思う。

Wings At The Speed Of Soundicon
Let 'Em In
The Note You Never Wrote (Denny Laine)
She's My Baby
Beware My Love
Wino Junko (Jimmy McCulloch)
Silly Love Songs
Cook Of The House (Linda McCartney)
Time To Hide (Denny Laine)
Must Do Something About It (Joe English)
San Ferry Anne
Warm And Beautiful
※:( )内はリード・ボーカル
【bonus tracks】
Walking In The Park With Eloise
Bridge On The River Suite
Sally G



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