The Rolling Stones／『December's Children (And Everybody's)』

The Rolling Stones のアルバム『Out Of Our Heads』と『Aftermath』をここ数日で紹介してきたが、そうするとこの2枚の間にアメリカで1965年の12月にリリースされた『December's Children (And Everybody's)』も聴きたくなった。先日手に入れた Walkman の NW-A847 には The Rolling Stones の全アルバムを入れてあるので、こうして聴きたいアルバムがすぐに聴けるのはとても便利だ。

この『December's Children (And Everybody's)』(長いので以下『December's Children』と略)には、UK盤の『Out Of Our Heads』に収録された『She Said Yeah』、『Talkin' About You』、『Gotta Get Away』、『I'm Free』の4曲が含まれている。

さらにUS盤『Out Of Our Heads』以降にリリースされたシングルの『Get Off Of My Cloud』と『As Tears Go By』も収録。『Get Off Of My Cloud』はアメリカのチャートで『(I Can't Get No) Satisfaction』に続いて2曲目の No.1 を獲得。『December's Children』と同時期にリリースされた『As Tears Go By』は最高6位を記録した。

The Rolling Stones が1965年に発表した多くの新曲を含む『December's Children』だが、クリスマス商戦に合わせてリリースされたこのアルバムには、イギリスで1963年にEPとしてリリースされた『The Rolling Stones』に含まれた『You Better Move On』や、1964年6月にレコーディングされた『Look What You've Done』というアメリカで未発表だった曲もあった。

また『December's Children』のリリース時、LP の両面最後を飾る2曲のライブ音源『Route 66』と『I'm Moving On』は、1965年3月のイギリス・ツアーで収録した音源だった。

こうして『December's Children』に収録された曲を改めて振り返ると、寄せ集め的なアルバムと感じてしまう。Mick Jagger と Keith Richards のコンビによる曲はこのアルバムでは12曲中6曲あり、No.1 シングルになった『Get Off Of My Cloud』のようなロックンロールな曲がある一方で、『The Singer Not The Song』や『Blue Turns To Grey』のようなバラード・タイプの曲もあり、この振れ幅の広さには少々戸惑ってしまった。

とはいえ、そうこう感じている内にこの『December's Children』は英国ツアーのライブ音源『I'm Moving On』で早々と終わってしまう。収録時間は12曲で約30分しかない短いアルバムだが、ファンの歓声も混じった『I'm Moving On』では間違いなく The Rolling Stones はロックンロールしていて、バラード曲で感じた戸惑いもこの1曲で払拭されて、なんとなく「ホッ」とした感じでアルバムは幕を下ろす。

UK盤『Out Of Our Heads』のジャケットを使ったアメリカ編集盤の『December's Children』は今となっては中途半端な寄せ集めアルバムという印象があるが、ヒット・シングルがあり、人気が高まりつつある頃のツアー音源があるという構成は、このアルバムがリリースされた1965年当時には貴重な1枚だったのだろう。

December's Children (And Everybody's)
She Said Yeah
Talkin' About You
You Better Move On
Look What You've Done
The Singer Not The Song ※
Route 66 (live)
Get Off Of My Cloud ※
I'm Free ※
As Tears Go By ※
Gotta Get Away ※
Blue Turns To Grey ※
I'm Moving On (live)
※:Mick Jagger & Keith Richards 作の曲(『As Tears Go By』は Andrew Loog Oldham も参加)

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