The Jam／『45rpm: The Singles 1977-79』

かつての45回転シングルのアナログ盤を CD の大きさで当時のスリーブも復刻したボックスの中で、かなり気に入っているモノが2001年にリリースされた The Jam の『45rpm: The Singles 1977-79』だ。これには The Jam の1977年のデビュー・シングル『In The City』から1979年リリースの『The Eton Rifles』まで9枚のシングルが収められている。

The Jam のシングルでリリースされた曲はアルバムに含まれない場合があって、このボックスに収められたシングルの中でも『All Around The World』や『News Of The World』など4枚のシングルが、オリジナル・アルバムには収録されなかった。

また、このボックスにある9枚のシングルはアナログ時代のB面曲を収めた以外に(全てではないが) PC で PV が見られるようにもなっていた。

この手のボックス・セットは1枚ずつを CD プレーヤーにセットして聴くにはとても手間がかかり敬遠されがちだが、今では PC に取り込み全ての曲を1つのプレイリストに登録さえすれば Walkman などで手軽に全部の曲を聴くことができる。

そうして『In The City』から『The Eton Rifles』までを続けて聴くと、あまり聴いたことがないB面曲も新鮮だが、The Jam のサウンドが徐々に変わっていく模様が楽しめる。『In The City』で聴けるスピード感は徐々に洗練されたサウンドへと変化していき、同時期に誕生した他のパンク・バンドとは一線を画すようになっていく。

ロックの最小構成であるギターとベース、ドラムという3ピースの The Jam の曲に線が細いという印象は全くない。次第にこの3ピース以外が奏でる音が必要になっていく The Jam だが、そういうバンドの目指す方向が変化していく様子が楽しめるのもこの手のボックスならではだ。

当時のシングル盤のスリーブの再現のほどは日本製の紙ジャケットには遠く及ばないが、The Jam の進化をシングルというかたちで体験できるこのボックスの価値は、同時期にリリースされた後半のシングル9枚を収めた『45rpm: The Singles 1980-82』と合わせて、とても高いと思う。

45rpm: The Singles 1977-79
【Disc1】
In The City
Takin' My Love
In The City (Video)
【Disc2】
All Around The World
Carnaby Street
【Disc3】
The Modern World
Sweet Soul Music (live at the 100 Club)
Back In My Arms Again (live at the 100 Club)
Bricks & Mortar (live at the 100 Club)
【Disc4】
News Of The World
Aunties And Uncles (Impulsive Youths)
Innocent Man
News Of The World (Video)
【Disc5】
David Watts
'A' Bomb In Wardour Street
【Disc6】
Down In The Tube Station At Midnight
So Sad About Us
The Night
【Disc7】
Strange Town
The Butterfly Collector
Strange Town (Video)
【Disc8】
When You're Young
Smithers-Jones
When You're Young (Video)
【Disc9】
The Eton Rifles
See Saw

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