Later... with Jools Holland

最近、改めてよく見るようになったスカパー! の番組でミュージック・エア(271ch)で放送されている『ジュールズ倶楽部』がある。オリジナルは『Later... with Jools Holland』というタイトルのイビリスの BBC2 で放送されている音楽番組で、現地では1992年以来、今もなお放送が続いていて、金曜夜11時からの通常の1時間枠では事前に収録したスタジオ・ライブを放送している。

この番組の司会は、1970年終盤パンク隆盛の頃に生まれた Squeeze でキーボードを担当していた Jools Holland が務めていて、極めて簡潔なコメントでバンドを次々と紹介していく。時々、Jools Holland がインタビューをする模様や、いきなり出演者と即興プレイを披露することもある。

番組に出演するアーテイストは BBC2 での放送ということから地元イギリス出身のバンドが多いが、アメリカ出身のバンドも登場しないわけではなく、時折、レジェンドといわれるような著名アーティストも登場してスタジオ・ライブを披露している。

スカパー! のミュージック・エアでは最近は2004年当時の番組が放送されることが多く、少々古い感じは否めないが、それでも日本ではなかなか見ることのない貴重なバンドやアーティストが毎回登場し、1時間の番組枠の中でそれぞれだいたい2～3曲のスタジオ・ライブをプレイしている。

また、この1時間枠とは別に1つのバンド(orアーティスト)に限定したスタジオ・ライブが放送されることもある。Paul Weller の『Weller at the BBC』に収録されている映像の幾つかは、この『Later... with Jools Holland』に出演したときのライブでもある。

イギリス出身の若手バンドのライブは、最近でこそ日本の夏フェスなどで見られる機会が増えたが、それでも夏フェスが行われる会場へ行かないと見られないわけで、そのような若手がどんなスタイルでプレイしているのかを見られる『Later... with Jools Holland』のような番組の存在は大きい。

若手に混じって、Solomon Burke、Burt Bacharach、Tony Bennett というビッグ・ネームもあり、他にも Pearl Jam、Red Hot Chili Peppers、Paul McCartney、The Who というベテランの名前も『Later... with Jools Holland』の出演リストには名前を連ねている。

イギリスでここ最近放送された回では Alicia Keys、Macy Gray、Jeff Beck、Vampire Weekend、Corinne Bailey Rae、MGMT、Tom Jones らの名前もあった。今年に入ってからは新譜をリリースした Paul Weller や Gorillaz、Hole も登場していたようだ。

いろいろな理由から、現地放送をすぐ日本で見ることはできないだろうが、この様な貴重な音楽番組をできるだけ多く日本でも見られるよう、関係者の努力にこれからも期待したい。