Bruce Springsteen／『Darkness On The Edge Of Town』 [CD]
Bruce Springsteen が1978年にリリースした通算4枚目のアルバム『Darkness On The Edge Of Town』も、1980年代に入ってから後追いで聴いたアルバムの1つだった。最近リリースされたロンドンでの最新ライブで見られる Bruce とは全く別人のように痩せた Bruce が写るジャケットも特徴のアルバムだった。前作『Born To Run』が大成功を収めた Bruce だったが、その後、裁判騒動に巻き込まれ、このアルバムのリリースには前作から3年もの間が空いてしまった。今ではアルバム・リリースの間隔で2、3年は長いと感じられなくなってしまったが、1970年代にはとても珍しいことだった。
そんな喧騒による疲れが、この『Darkness On The Edge Of Town』のジャケットに写る Bruce の表情にも表れているようだった。
当時、LP としてリリースされたこの『Darkness On The Edge Of Town』は各サイドが『Badlands』と『The Promised Land』の2曲で始まり、それぞれの面の最後をバラードの『Racing In The Street』と『Darkness On The Edge Of Town』で締め括られ、この構成から『Darkness On The Edge Of Town』はあるコンセプトを持ったアルバムだとも感じた。
『Darkness On The Edge Of Town』はこの4曲を含む全10曲で構成されているが、前作からの長いインターバルの間に多くの曲がレコーディングされ、その中からこのアルバムにふさわしい10曲が選ばれて収録された結果、多くのアウトテイク曲を生むことにもなった。
そのアウトテイク曲の一部は、1980年にリリースされた2枚組『The River』に『The Ties That Bind』や『Point Blank』などが収録され、他にも1998年にリリースされた4枚組『Tracks』にもその一部が収録されて陽の目をみた。
『Darkness On The Edge Of Town』でキーとなる曲はいずれも4分を越す長い曲ばかりだが、そのいずれの曲においても Bruce が歌う詩には多くの言葉が注ぎ込まれていた。決して楽しい雰囲気のアルバムではないが、詩を読みながらこのアルバムを聴くと、Bruce の言葉の塊は切ない思いにもなる。
ある曲の一場面で将来への希望が謳われる一方で、またある部分では様々な不条理を嘆くシーンがあったりと、その1つ1つの場面が、Bruce の歌と The E Street Band によるプレイで語られていく。
もちろん日本語の対訳を見ながら聴けば、よりこのアルバムの持つ意味を感じることができる。それらを知った上で、Bruce と The E Street Band が紡ぎ出すライブの一瞬一瞬を見ると、また違った発見があって面白い。
ライブでプレイされる曲の多い『Darkness On The Edge Of Town』だが、シングル・ヒットした曲は少ない。1stシングルの『Prove It All Night』は全米チャートで最高33位、2ndシングルの『Badlands』は最高42位止まりだった。
アルバムとしての『Darkness On The Edge Of Town』は全米チャートで最高5位にランクされたが、アメリカでのセールスは300万枚と、前作『Born To Run』の600万枚に比べると約半分のセールスに留まっている。
Darkness On The Edge Of Town
Badlands
Adam Raised A Cain
Something In The Night
Candy's Room
Racing In The Street
The Promised Land
Factory
Streets Of Fire
Prove It All Night
Darkness On The Edge Of Town
2010-07-22 20:00
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コメント(2)
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個人的にはコレが1番聴いてるBRUCEのアルバムです。
「BADLANDS」、「RACING IN THE STREET」
この2曲は僕の”BRUCE BEST 10」から外れるコトはないです。
ライヴで頻繁に演奏されてる楽曲も多いし、
もっと注目されてもいい作品だと思うんですが。
”デラエディ”リリースの噂、一時聞いたコトあるんですが、
アレは噂止まりなんでしょうかね?
by DEBDYLAN (2010-07-24 23:02)
こちらの記事にもコメントありがとうございます、（3連投おつかれさまでした! ＾＾；）
このアルバムもDVDをきっかけでまた聴いたアルバムですが、ここに収められている10曲はどれもいい曲ばかりで、ライブ・バージョンがまた素晴らしいできですよネ！
デラックス版とは30周年記念盤のことですよね。関係者はまだ生きているプロジェクトだと言っているようですが、どうなんでしょう…?
by MCMLXV_65 (2010-07-25 00:48)