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Queen/『The Miracle』 [CD]

The-Miracle.jpg最近 Queen の1980年にリリースされた『The Game』の DVD-Audio 盤をよく聴いているが、Queen の他のアルバムも聴きたくなって、1989年にリリースされた『The Miracle』を引っ張りだしてきた。

このブログで Queen のアルバムはたくさん紹介してきたが、まだ紹介していないスタジオ・アルバムは意外にもこの『The Miracle』とデビュー盤の『Queen』だけだった。

1980年代の Queen は『The Game』のリリース以降、1970年代以上に変化が大きい10年だった。スタジオ・アルバムの変遷を見ても激動の10年を感じるが、それ以外にも1980年に初のサウンドトラック盤『Flash Gordon』をリリース。翌1981年には初のベスト盤『Greatest Hits』を、そして1986年には2枚目の公式ライブ盤『Live Magic』をリリースした。

そんな変化の激しい10年を締め括るアルバムとしてリリースされたのが、この通算12枚目のスタジオ・アルバム『The Miracle』だった。

4人のメンバーの顔が繋がったジャケットからも、よりバンドとしての一体感が強調されたことが感じられたアルバムだったが、アルバムに収められた曲のクレジットも全て Queen に統一されたアルバムだった。だが初めて『The Miracle』のジャケットを見たときは、「なんだ、このジャケット?!」とも思った。

そんな思いもあった『The Miracle』だが、アルバム最初の『Party』から『Khashoggi's Ship』に続くハードな展開は、1980年代の Queen には珍しいタイプの曲で、Queen のハード・ロックな面の復活を感じた。

そして『I Want It All』と『The Invisible Man』では Brian May のギター・ソロもたっぷり聴け、Freddie Mercury の声がどの曲でも力強く聴こえたアルバムだった。

アルバムの最後を飾る『Was It All Worth It』も好きな曲の1つで、Roger Taylor の叩くドラムの音やティンパニの音にも迫力があった。

リリース当初は誰がどの曲に関わっていたかよくわからなかったが、John Deacon は『Party』と『Rain Must Fall』、『My Baby Does Me』の3曲に関わっていたと後から知り、『Party』はちょっと John らしくないとも思ったが、他の2曲は John らしい曲だとも思えた。

『The Game』から使い始めたシンセサイザーの音も、この『The Miracle』では不自然さが消えて4人のメンバーがプレイするそれぞれの楽器の音とも馴染んでいた。

この『The Miracle』から Queen のアルバムは CD を購入するようになり、CD 版の『The Miracle』には3曲のボーナス・トラックが追加されていた。『Hang On In There』は1stシングル『I Want It All』のB面に、『Chinese Torture』は未発表曲で、『The Invisible Man (12" Version)』は同名シングルの12インチ版に収録された。

だが『The Miracle』は10曲目の『Was It All Worth It』で終わりとするのが一番で、ボーナス・トラックとして追加された3曲はアルバムとしての統一感が感じられない3曲だった。

また『The Miracle』から Queen のアルバムは The Beatles でお馴染みの Parlophone からリリースされるようになった。これには Queen がイギリスでとうとう The Beatles と同格の存在になったとも感じられた。そんなイギリスでの Queen の人気を反映して『The Miracle』は前作『A Kind Of Magic』に続き全英アルバム・チャートで No.1 を獲得。30万枚以上を売上げ、プラチナ・ディスクも獲得した。

そして『The Miracle』からは Queen のアルバムでは初めて同一アルバムから5枚のシングルがカットされた。(前作『A Kind Of Magic』も多くのシングルがカットされたが地域限定シングルもあったため除外)

1stシングルの『I Want It All』は全英チャートで最高3位をマークし、以降、2ndシングルの『Breakthru』は最高7位、『The Invisible Man』は最高12位、『Scandal』は最高25位。そしてアルバムのタイトル・トラックで最後のシングルに選ばれた『The Miracle』は最高21位を記録した。

2ndシングルの『Breakthru』は Queen の曲としては久しぶりに軽快なアップテンポで弾むような展開の曲で、このアルバムでは一番好きな曲だった。

The Miracle
Party
Khashoggi's Ship
The Miracle
I Want It All
The Invisible Man
Breakthru
Rain Must Fall
Scandal
My Baby Does Me
Was It All Worth It

タグ:Queen 1989


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