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Sheryl Crow/『100 Miles From Memphis』 [CD]

100-Miles-From-Memphis.jpgSheryl Crow の『Detours』以来、2年ぶりの新作となる『100 Miles From Memphis』のジャケットは一見すると黒いバックに Sheryl の顔だけが浮かび上がったジャケットに見えたが、実際のジャケットを手にすると、両手を頭の後ろに回したバストアップの Sheryl が写っていた。

前作『Detours』のジャケットでは白の上下を着ていた Sheryl だが、対照的に今回の新作では黒を基調にしたジャケット。そして、この新作では初めて聴くにも関わらず、Sheryl の魅力に惹き込まれてしまうような曲が多かった。

『100 Miles From Memphis』は最初の『Our Love Is Fading』からいきなり「おっ、これは…!」と思わせるような曲で始まり、Sheryl の曲に珍しくホーン・セクションも入ってモータウン・サウンドを意識した曲に仕上がっている。そういえばジャケットのタイトルに使われた字体も、かつてのモータウン系アルバムでよく見られた字体ではないだろうか…?

最初の1曲目から6分を越す長さには、正直ちょっとダレ気味にもなったが、この1曲で2年ぶりの新作に対する期待度はグン! と跳ね上がった。

2曲目の『Eye To Eye』は The Rolling Stones の Keith Richards が参加した曲と話題になったが、どこで Keith が参加しているのかは一度聴いただけでは、ほとんどわからなかった。だが、レゲエの雰囲気のあるこの曲は、Keith の関わりを匂わせるには十分。終盤のコーラスでチラっとだけ Keith らしい独特のしゃがれ声が聴こえた。

3曲目の『Sign Your Name』は意外な組合せ。新作のタイトルにもなったメンフィス出身の Justin Timberlake をフューチャーした Terence Trent D'arby のカバーで、ここまでの2曲とは、また趣きが違う曲。しかし、Sheryl と Justin が同じステージにいるシーンは残念ながらうまく想像ができない。

そして4曲目『Summer Day』が新作からの1stシングルとしてカットされた。イントロで Sheryl が「Na,Na~ Na,Na,Na,Na~」と歌う『Summer Day』は親しみ易いメロディの曲。PV ではこの新作のプロデュースを Sheryl と共に共同で務めた Doyle Bramhall II の姿も映っていた。

『Long Road Home』は安酒場の狭いステージであたかも Sheryl が目の前で歌っているような曲。序盤ではバンドもそんな場所をイメージしてプレイしているかのようだった。

『Say What You Want』は今までの Sheryl のアルバムでもみられたスタイルの曲だが、タイトルをバンドのメンバーがコールすると、それに Sheryl がレスポンスを返す箇所がライブ・ステージでも映えそうな曲だ。

『Peaceful Feeling』もこの新作で初めて聴いて一発で好きになった曲の1つ。これはライブで間違いなく盛り上がる曲だろう。Sheryl のちょっと高めの上ずった声、シンプルだけど確実にビートを刻むベースの音も聴きどころの曲だ。

ここまで続いた熱気を少しクールダウンさせるスローな曲の『Stop』では、瑞々しい Sheryl のボーカルが感じられる。そして『Sideways』はこの新作で3人目のゲスト Citizen Cope を迎えてデュエットを披露。2000年頃からその名前を聞くようになった Citizen Cope のフォーク調なスタイルが、この Sheryl の新作にも合っていた。

初期の Sheryl を思わせるようなタイトル曲の『100 Miles From Memphis』はバンドのファルセット・コーラスが心地いい曲。そして『Roses and Moonlight』で一応この新作は終わりとなるが、この曲で聴けるギターの音がまたいい味を醸し出していて、ライブではエレクトリックなバンド・スタイルより、アコースティックなセットで聴いてみたいと思える曲だった。

と、ここまでの11曲はどれも時間が長い曲ばかりだが、ほとんどの曲が最後まで完奏している(『Peaceful Feeling』はフェードアウト)。これはステージ上でのプレイも意識してのことではないかとも思えた。

アルバムはこの11曲に続いて1969年の The Jackson 5 の No.1 ヒット曲『I Want You Back』がボーナス曲として収録されている。しかし、これはあくまでもボーナスという扱いで、ここまでの11曲と違いフェードアウトで終わっている。モータウンの雰囲気を意識した『100 Miles From Memphis』で、その源流に Sheryl なりの敬意を表したアンコール曲のようでもあった。

と、聴きどころがたくさんある Sheryl の新作『100 Miles From Memphis』。猛暑の中で黒を基調としたジャケットはちょっと似合わないかもしれないが、この夏の定番アルバムの一枚になることは間違いなさそうだ。

※) 7月25日、一部内容を加筆しました。

100 Miles From Memphis
Our Love Is Fading
Eye To Eye (featuring Keith Richards)
Sign Your Name (featuring Justin Timberlake)
Summer Day
Long Road Home
Say What You Want
Peaceful Feeling
Stop
Sideways (featuring Citizen Cope)
100 Miles From Memphis
Roses and Moonlight
I Want You Back

タグ:Sheryl Crow 2010


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DEBDYLAN

お久しぶりです。

コレまだ聴いてないんですが、
記事読んだだけで聴くのが楽しみになりました。

明日あたり買いに行ってきます!!

by DEBDYLAN (2010-07-24 22:55) 

MCMLXV_65

こんばんは DEBDYLANさん、こちらこそ、おひさしぶりです!
この新作は、いい意味で予想を裏切るアルバムでした。
きっと、DEBDYLANさんにも気に入って頂けると思いますよ!
ぜひ、またご感想もお聞かせ下さい!! ^^
by MCMLXV_65 (2010-07-25 00:40) 

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