Prince/『20Ten』 [CD]
3枚組だった前作『LOtUSFLOW3R』に続いて今年も届けられた Prince の新作のタイトルは『20Ten』。 お得意の文字遊びで今年の西暦『2010』を表していると考えられるが、意外にも全ての収録曲は普通の英語表記になっている。
今回の新作はネットでのダウンロード配信は行われず、雑誌や新聞のメディアに付属するかたちで配布された。これは2007年の『Planet Earth』がイギリスの『The Mail on Sunday』紙に配布されたときと同様の形態だ。
『20Ten』は欧州各地で雑誌や新聞に添付され、イギリスでは『Daily Mirror』紙に、アイルランドでは『Daily Record』紙、フランスでは『Courrier International』紙、ベルギーでは『Het Nieuwsblad』紙、ドイツだけは『Rolling Stone』誌のドイツ版に付属されて配布された。
欧州全体で総数250万枚もの『20Ten』が配布されたとも伝えられているが、現時点ではアメリカで『20Ten』がどの様な形態で供給されるか予定は立っていないらしい。
日本では最近まで大手 CD 取扱店やネット上の大手ショップで他の CD と同じく普通に売られていたが、当の Prince はこういうかたちで売られていたことを知っているのだろうか? Amazon.co.jp では時期によって価格が変わり、1197円という安い価格で購入できたが、現在は販売終了している。HMV オンラインでも同様に既に取扱終了となっている。
販売形態にばかり注目が集まった『20Ten』だが、その中身は1980~90年代に発表されたポップな曲とかなり近い雰囲気になっている。一応、新作という扱いの『20Ten』だが、Prince は多くの曲を未発表として抱えているので、ひょっとしたら『20Ten』は1980~90年代当時のアウトテイク曲を新たにレコーディングしたアルバムなのか? とも考えてしまう。
反対に、隠しトラックも含めて『20Ten』に収められた10曲が、今現在の Prince によって一から作られているとしたら、Prince の才能にも陰りが見え始めたのでは…とも勘ぐってしまう。そんなことは Prince には無縁のことにも思うのだが…。
Prine は今年の始めに NFL の Minnesota Vikings を応援する『Purple and Gold』や、出身地ミネアポリスのローカル局に『Hot Summer』などの新曲を披露しているが、それらはこの『20Ten』には収められていない。
『20Ten』のジャケット裏には9曲のタイトルがあり、10曲目の『Laydown』は表記がない。9曲目の『Everybody Loves Me』と10曲目の『Laydown』の間には5秒ずつの無音トラックがあり、77トラック目にようやく『Laydown』が登場する。
この無意味とも思える数多くの無音トラック。本当に何の意味があるのだろう。9曲目までのコンセプトと『Laydown』のコンセプトが合わないので敢えて間隔を空けるにしても10秒あれば十分。やり過ぎな感じは否めない。
紙媒体のメディアに配布されるという理由から、ジャケットは質素なつくりで、日本製のいわゆる紙ジャケットには程遠い、紙製のスリーブに CD がそのまま剥き身で入れられている。しかし、CD のレーベル面は極彩色豊かな曼荼羅のようなデザインが施されている。
Prine は『20Ten』のリリースに伴い『Daily Mirror』紙のインタビューに応じているが、その中で『20Ten』で使われた紙メディアに付属した配布というかたちを、チャートにも関係なく、インターネットによる違法行為もなく、ストレスもない最良の方法だとコメント。
そして、続けて同紙のインタビューでは、「なんで iTunes などの媒体に新曲を提供しなくてはいけないのか分からない。iTunes などは新曲を提供しても何の見返りもなく、新曲が提供されないことに怒ってもいる」と発言。「コンピューターやデジタル機器は良くないものばかりだ。頭を数字でいっぱいにするだけで、いい事なんてない」とも言っている。
前作『LOtUSFLOW3R』で作った自らの公式サイトも閉鎖してしまい、Prince はインターネットは終わったとも宣言している。しかし、違法ダウンロードは実際に横行し、この『20Ten』の音源も既にネット上で容易に見つけられ、違法行為を取り締まることはもはやイタチごっこの状態だ。
ネットを介したダウンロード配信に真っ向から異議を唱える Prince の姿勢は納得もできるが、過剰な反応にもとれる。しかし、ネットでの功罪を正しく論じていかないと、アーティストにも不利益だろうし、いい音楽を聴くこともできなくなってしまうだろう。
20Ten
Compassion
Beginning Endlessly
Future Soul Song
Sticky Like Glue
Act Of God
Lavaux
Walk In Sand
Sea Of Everything
Everybody Loves Me
Laydown
今回の新作はネットでのダウンロード配信は行われず、雑誌や新聞のメディアに付属するかたちで配布された。これは2007年の『Planet Earth』がイギリスの『The Mail on Sunday』紙に配布されたときと同様の形態だ。
『20Ten』は欧州各地で雑誌や新聞に添付され、イギリスでは『Daily Mirror』紙に、アイルランドでは『Daily Record』紙、フランスでは『Courrier International』紙、ベルギーでは『Het Nieuwsblad』紙、ドイツだけは『Rolling Stone』誌のドイツ版に付属されて配布された。
欧州全体で総数250万枚もの『20Ten』が配布されたとも伝えられているが、現時点ではアメリカで『20Ten』がどの様な形態で供給されるか予定は立っていないらしい。
日本では最近まで大手 CD 取扱店やネット上の大手ショップで他の CD と同じく普通に売られていたが、当の Prince はこういうかたちで売られていたことを知っているのだろうか? Amazon.co.jp では時期によって価格が変わり、1197円という安い価格で購入できたが、現在は販売終了している。HMV オンラインでも同様に既に取扱終了となっている。
販売形態にばかり注目が集まった『20Ten』だが、その中身は1980~90年代に発表されたポップな曲とかなり近い雰囲気になっている。一応、新作という扱いの『20Ten』だが、Prince は多くの曲を未発表として抱えているので、ひょっとしたら『20Ten』は1980~90年代当時のアウトテイク曲を新たにレコーディングしたアルバムなのか? とも考えてしまう。
反対に、隠しトラックも含めて『20Ten』に収められた10曲が、今現在の Prince によって一から作られているとしたら、Prince の才能にも陰りが見え始めたのでは…とも勘ぐってしまう。そんなことは Prince には無縁のことにも思うのだが…。
Prine は今年の始めに NFL の Minnesota Vikings を応援する『Purple and Gold』や、出身地ミネアポリスのローカル局に『Hot Summer』などの新曲を披露しているが、それらはこの『20Ten』には収められていない。
『20Ten』のジャケット裏には9曲のタイトルがあり、10曲目の『Laydown』は表記がない。9曲目の『Everybody Loves Me』と10曲目の『Laydown』の間には5秒ずつの無音トラックがあり、77トラック目にようやく『Laydown』が登場する。
この無意味とも思える数多くの無音トラック。本当に何の意味があるのだろう。9曲目までのコンセプトと『Laydown』のコンセプトが合わないので敢えて間隔を空けるにしても10秒あれば十分。やり過ぎな感じは否めない。
紙媒体のメディアに配布されるという理由から、ジャケットは質素なつくりで、日本製のいわゆる紙ジャケットには程遠い、紙製のスリーブに CD がそのまま剥き身で入れられている。しかし、CD のレーベル面は極彩色豊かな曼荼羅のようなデザインが施されている。
Prine は『20Ten』のリリースに伴い『Daily Mirror』紙のインタビューに応じているが、その中で『20Ten』で使われた紙メディアに付属した配布というかたちを、チャートにも関係なく、インターネットによる違法行為もなく、ストレスもない最良の方法だとコメント。
そして、続けて同紙のインタビューでは、「なんで iTunes などの媒体に新曲を提供しなくてはいけないのか分からない。iTunes などは新曲を提供しても何の見返りもなく、新曲が提供されないことに怒ってもいる」と発言。「コンピューターやデジタル機器は良くないものばかりだ。頭を数字でいっぱいにするだけで、いい事なんてない」とも言っている。
前作『LOtUSFLOW3R』で作った自らの公式サイトも閉鎖してしまい、Prince はインターネットは終わったとも宣言している。しかし、違法ダウンロードは実際に横行し、この『20Ten』の音源も既にネット上で容易に見つけられ、違法行為を取り締まることはもはやイタチごっこの状態だ。
ネットを介したダウンロード配信に真っ向から異議を唱える Prince の姿勢は納得もできるが、過剰な反応にもとれる。しかし、ネットでの功罪を正しく論じていかないと、アーティストにも不利益だろうし、いい音楽を聴くこともできなくなってしまうだろう。
20Ten
Compassion
Beginning Endlessly
Future Soul Song
Sticky Like Glue
Act Of God
Lavaux
Walk In Sand
Sea Of Everything
Everybody Loves Me
Laydown
2010-08-08 15:07
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