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Heart/『Brigade』 [CD]

Brigade.jpg1985年にリリースした通算8枚目のアルバム『HEART』で第一線に返り咲いた Heart が、その流れを継承して作った通算10枚目のアルバム『Brigade』は、外部ライター陣をより積極的に起用。一時の低迷から完全に脱したアルバムで、ここに収められた13曲は、どれもいい曲ばかりだった。

アルバム『Brigade』のプロデューサーには Cheap Trick の『Lap Of Luxury』を手掛けた Richie Zito が務め、外部ライターとバンド・メンバーが作った全13曲を1枚のアルバムへとしっかりと纏め上げていた。

その『Brigade』の1曲目『Wild Child』は、これから Heart のライブが始まるかのようにも思える曲で、これ程アルバムのトップを飾るにふさわしい曲はなかった。続く『All I Wanna Do Is Make Love To You』はアルバムからの1stシングルに選ばれ、全米シングル・チャートで最高2位を記録。『Brigade』の最初の2曲は AC/DC や Def Leppard、Foreigner のアルバムをプロデュースした Robert John "Mutt" Lange が関わった曲で、Heart のハード・ロックな面を引き出していた。

アルバムで最初に登場するスローな曲『Secret』は『Brigade』からの最後のシングルに選ばれ、全米チャートで最高64位を記録。

『Tall, Dark, Handsome Stranger』では全米チャートで最高4位を記録した『Never』を作った Holly Knight と、全米シングル・チャートで5位をマークした『It Never Rains In Southern California』のヒットで知られる Albert Hammond との共作曲で、『Brigade』から4枚目のシングルに選ばれ、全米ロック専門チャートで最高24位を記録した。これも Ann Wilson のハイトーンなボーカルがとても良く合った曲だった。

『I Didn't Want To Need You』は過去に Heart の1987年のヒット曲『Who Will You Run To』を手掛けた Diane Warren によるミッド・テンポなバラードで、アルバムから2枚目のシングルとしてカットされ、全米ロック専門チャートで最高13位を記録した。

と、ここまでの5曲は全て Heart のメンバー以外、外部ライターによる曲が並んでいた。

アルバムの中盤、6曲目の『The Night』で初めて Ann と Nancy の Wilson 姉妹とドラムの Denny Carmassi がライターにクレジットされ、そしてこの『The Night』と続く『Fallen From Grace』の2曲では Van Halen に加入した Sammy Hagar もライターにクレジットされていた。Van Halen はこの頃『OU812』をリリース後に行ったワールド・ツアーも一段落ついた時期で、『Fallen From Grace』のライターには Sammy Hagar のバンドでキーボードを担当する Jesse Harms もクレジットされていた。

『Stranded』は Wilson 姉妹と1978年のアルバム『Dog & Butterfly』の頃から Heart に曲を提供している Sue Ennis の3人で作った曲。過去2枚の Heart のアルバムでも Sue Ennis が関わった曲はシングルにこそ選ばれなかったが、初期の Heart を思わせる曲を作っていた。

『Cruel Nights』と『Stranded』の2曲は再び外部ライターによる曲で、『Cruel Nights』は Diane Warren がこのアルバムで手掛けた2つ目の曲。『Stranded』は Nancy がボーカルを担当し、『Brigade』からの3枚目のシングルとしてカットされて全米チャートで最高13位を記録。Adult Contemporary チャートでは最高8位をマークした。

『Call Of The Wild』はこの当時の Heart のメンバー5人全員がクレジットされた曲。

『I Want Your World To Turn』は Madonna の『Like a Virgin』を作った Tom Kelly と Billy Steinberg による曲で、このふたりは Heart の2曲目の全米 No.1 シングル『Alone』のヒットも生んでいる。この曲では Nancy のボーカルが Anne とは違う Heart の一面を出していて、シングル・カットされても不思議ではない曲だった。

『I Love You』は『Tall, Dark, Handsome Stranger』を作ったふたりと Wilson 姉妹による曲で、Wilson 姉妹のコーラス・ワークがとても美しい、アルバムを締めるにふさわしいバラードだった。

『Brigade』の日本版ではスエード調の特殊ボックスに金色の HEART の文字が型押しされた限定盤もリリースされ、当時流行っていた3インチ CD にボーナス・トラック3曲を収録。この3曲も『Brigade』本体の13曲に決して劣らないいい曲が揃っていた。

『Never Stop Loving You』には Asia の創設時以来のメンバーである John Wetton が参加。『The Will To Love』は Tom Kelly と Billy Steinberg のふたりが手掛けた曲で、こんな曲が『Brigade』の収録から漏れてしまっていた。

Brigade
Wild Child (Robert Lange, Craig Joiner, Anthony Mitman)
All I Wanna Do Is Make Love To You (Lange)
Secret (Franne Golde, Bruce Roberts)
Tall, Dark, Handsome Stranger (Holly Knight, Albert Hammond)
I Didn't Want To Need You (Diane Warren)
The Night (Sammy Hagar, Denny Carmassi, Ann Wilson, Nancy Wilson)
Fallen From Grace (Hagar, Carmassi, Jesse Harms)
Under The Sky (A. Wilson, N. Wilson, Sue Ennis)
Cruel Nights (Warren)
Stranded (Jamie Kyle, J. Harrington)
Call Of The Wild (A. Wilson, N. Wilson, Howard Leese, Mark Andes, Carmassi, Ennis)
I Want Your World To Turn (Tom Kelly, Billy Steinberg)
I Love You (A. Wilson, N. Wilson, Knight, Hammond)
【Bonus Tracks】
Cruel Tears (Mark Spiro, Ann Wilson, Nancy Wilson)
Never Stop Loving You (David Cassidy, John Wetton, Sue Sifrin)
The Will To Love (Tom Kelly, Billy Steinberg)

タグ:heart 1990


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