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TOTO/『Fahrenheit』 [CD]

Fahrenheit_s.jpg前作『Isolation』から約2年ぶりにリリースされた TOTO 通算6枚目のアルバム『Fahrenheit』は再びボーカリストに変更があり、Fergie Frederiksen に代わって 映画音楽で有名な John Williams の息子、Joseph Williams が3代目の TOTO のボーカリストの座に就いた。

その Joseph はこの『Fahrenheit』に収められた10曲中5曲のクレジットにその名前があった。『Isolation』でも Fergie の名前は全10曲中4曲であり、Fergie の影響が感じられるアルバムだったが、この『Fahrenheit』も Joseph の影響が感じられるアルバムだった。

Joseph が関わった『Till The End』はアルバムのトップに配され、新しいボーカリストをお披露目する役割も果たしていた。『Fahrenheit』からの3rdシングルにもなった『Till The End』は Fergie のボーカルでは実現できなかった、ややソフトな路線の曲で、TOTO のアルバムに初登場の Joseph の声に加えて TOTO らしいキーボードやドラム、そして『Rosanna』に代表されるような Steve Lukather のギター・ソロを含む、新生 TOTO の姿を魅せつける曲だった。

Joseph は他にキーボードの David Paich やドラムの Jeff Porcaro と共に曲を作り、2曲目の『We Can Make It Tonight』やアルバム終盤の『Could This Be Love』で Fergie 時代には出せなかった TOTO の魅力を引き出すことに貢献していた。

この『Fahrenheit』には Porcaro 兄弟の三男 Steve Porcaro がメンバーとして在籍した最後のアルバムでもあった。TOTO のアルバムで Steve が提供した曲はデビュー盤『TOTO』の『Takin' It Back』や、大ヒットを記録した『TOTO IV』の『It's a Feeling』など数曲しかないが、『Fahrenheit』にも David Sanborn のサックスをフューチャーした『Lea』という素晴らしいバラードを提供した。

Steve の弾くキーボードの音は同じ楽器を弾く David のキーボードがメロディや重要なパートを奏でるのと異なり、TOTO の曲に厚みをもたらす効果を与えていた。それだけに Steve が TOTO から抜けてしまうと、曲が単調になってしまうのではないかとも思えた。

また、この頃の TOTO は『Isolation』から正式にメンバーとして加わったベースの Mike Porcaro を含めた6人がいい意味で協力し、誰かひとりが突出するようなことがない時期でもあった。

TOTO の活動が終盤を迎えた頃はギターの Steve Lukather のバンドのようにも感じられた TOTO だったが、この『Fahrenheit』では Steve も TOTO のメンバーのひとりとして1stシングルの『I'll Be Over You』では渋いボーカルを、それぞれの曲では印象的なギター・ワークを披露していた。

『I'll Be Over You』に続くアルバムのタイトル曲『Fahrenheit』では『Hydra』の頃のサウンドに通じるようなイントロにワクワクもした。この曲で聴けるキーボードの音こそ、Steve が いた TOTO にしかできない曲だった。

『Fahrenheit』は TOTO のメンバーとして最高の6人が集まったアルバムだが、招いたゲスト陣には前述の David Sanborn の他にも、アルバム最後の曲『Don't Stop Me Now』では Miles Davis が存在感のあるトランペットを吹いていた。

またパーカッションには Porcaro 兄弟の父 Joe Porcaro の名前もあり、他にもパーカッションには Lenny Castro、Steve Jordan、Jim Keltner の名前もあった。

『Fahrenheit』にはゲスト・ボーカルにも『I'll Be Over You』で Mike McDonald が、『Lea』で Don Henleyが、『Could This Be Love』で前作のボーカリスト Fergie が関わっていた。

TOTO らしくないアートワークの『Fahrenheit』は全米チャートで最高40位と、ボーカルがやはり交代した直後のアルバム『Isolation』の最高42位とほとんど変わらなかった。アメリカではやはり前作同様ゴールド・ディスクどまりのセールスに終わっているが、次のアルバム『The Seventh One』と含めて Joseph がいたこの時期の TOTO をベストと推すファンは多い。

Fahrenheit
Till The End
We Can Make It Tonight
Without Your Love
Can't Stand It Any Longer
I'll Be Over You
Fahrenheit
Somewhere Tonight
Could This Be Love
Lea
Don't Stop Me Now

タグ:1986 TOTO


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