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Paul Weller/『Catch-Flame!』 [CD]

Catch-Flame.jpg2005年にリリースされた通算8枚目のソロ・アルバム『As Is Now』に伴う全英ツアーの最終日、12月5日にロンドンの Alexandra Palace で行われたライブの模様を収めた2枚組のライブ盤がこの『Catch-Flame!』になる。

ここには全部で23曲が収録されたが、実際のライブではさらに5曲が多くプレイされている。CD の収録時間をみるとまだ余裕があるので、完全版としてリリースして欲しかったところだ。

この時のステージには The Style Council 時代から Paul Weller のバックでドラムを叩いてきた Steve White に加えて、Ocean Colour Scene から Damon Minchella と Steve Cradock のふたりがそれぞれベースとギターで参加。キーボードは Seamus Beaghen が弾いていた。

Paul Weller はこれまでにも1994年に『Live Wood』、2001年に『Days Of Speed』と2枚のライブ盤をリリースしてきたが、2枚組のライブ盤はこの『Catch-Flame!』が初めてだった。

ソロ時代のヒット曲が多く並べられたこのライブ盤で注目すべき箇所は、やはり2枚目の後半ではないだろうか。

2枚目のトップに登場する曲も The Jam の3枚目のアルバム『All Mod Cons』に収められていた『In The Crowd』だったが、これ以降、再びソロ時代の曲に戻り、『As Is Now』の最後を飾った『The Pebble & The Boy』以降は『Broken Stones』に続いて The Jam と The Style Council 時代の曲を立て続けにプレイしている。

The Jam のヒット曲である『That's Entertainment』と『Town Called Malice』の2曲は2001年のライブ盤『Days Of Speed』でも披露されていたが、The Style Council 時代のヒット曲である『Long Hot Summer』と『Shout To The Top』の2曲はライブ盤では初登場。Paul Weller のライブで過去の2つのバンドの曲がライブの終盤に集中してこれだけ取り上げられるのは、あまり例のないことで、この部分だけでも『Catch-Flame!』はとても聴く価値のあるライブ盤だった。

ソロ活動を始めて数年、Paul Weller はこの2つのバンドの曲を封印とまでは言わないが、積極的にライブでプレイすることがとても少なかった。

それがある時点からアコースティックなセットで『That's Entertainment』などを軽いアレンジでプレイするようになり、徐々に The Jam 時代の曲がプレイされる頻度が上がり、そして The Style Council 時代の曲もセットリストに組み込まれる機会が増えていった。

The Jam の曲がアコースティックな感じでプレイされるのに対して、The Style Council の曲は大胆にアレンジを変えてプレイすることが多かった。3ピースが基本の The Jam の曲はフル・バンドのスタイルにしてもそれ程曲のイメージが変わることはなかったが、ストリングスやホーンでアレンジされた The Style Council 時代の曲はエレクトリックなバンド・スタイルでプレイすると意外にもハードな曲に生まれ変わり、その変化も大いに楽しめたものだった。

Paul Weller のライブ音源はまめに収録されていることもあり、後年、BBC での音源を多数収録したその名もずばり『Weller at the BBC』というライブ盤もリリースされた。ここには188曲が用意されたダウンロード・バージョンも存在し、ディスクで13枚分の音源にはソロ時代の曲に混じり、The Jam と The Style Council の曲もあちこちに収録されていた。

そして最新作である『Wake Up The Nation』に伴うツアーのライブ音源が、この年末に『Find The Torch, Burn The Plans』というかたちでリリースされることも決定した。ここには Royal Albert Hall でのライブから26曲を収めた DVD と、映像版から選ばれた12曲と BBC での6曲のライブ音源が CD に収録されている。

年を重ねるごとに活動が精力的な Paul Weller なだけに、今度の新しいライブ盤にも期待をしていて、手元に届くのがとても待ち遠しい。

Catch-Flame!
Disc 1
The Weaver
Out Of The Sinking
Blink And You'll Miss It
Paper Smile
Peacock Suit
From The Floorboards Up
The Changingman
Savages
Going Places
Up In Suzes' Room
Porcelain Gods/I Walk On Gilded Splinters
Disc 2
In The Crowd
Come On/Let's Go
Foot Of The Mountain
You Do Something To Me
Wishing On A Star
Wild Wood
The Pebble & The Boy
That's Entertainment
Broken Stones
Long Hot Summer
Shout To The Top
Town Called Malice



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コメント 2

seawind335

Paul Wellerも既に大御所ですね。

達観したPaul McCartneyが、The BeatlesやWingsの曲をこだわりなく演奏できるようになったのと、重ね合わせてしまいますね。
by seawind335 (2010-11-14 17:47) 

MCMLXV_65

昔のバンドの曲をこだわりなくプレイする姿に、やはり、Paul McCartneyをダブらせてしまいます。お互い事情は異なるだろうと思いますが、かつて、その時代の曲を聴いていた身としては新たな解釈でプレイするアーティストに懐かしさを感じる一方で、その解釈に新鮮さも感じます!
by MCMLXV_65 (2010-11-14 20:00) 

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