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Rupert Holmes/『Full Circle』 [CD]

Full-Circle.jpg1981年にそれまで在籍していた MCA Records を離れて Elektra からリリースされた Rupert Holmes の通算7枚目のスタジオ・アルバム『Full Circle』が、約20年ぶりに CD としてリイシューされる。

1979年リリースの『Escape』や『Him』のヒット曲を含む『Partners in Crime』から約2年後の1981年にリリースされた『Full Circle』は当時聴いた覚えがなく、2005年にリリースされた『Cast of Characters』という5枚組の限定盤に含まれるかたちで初めてこのアルバムに収録された10曲を聴いた。

『Full Circle』からはシングル『Loved By The One You Love』が全米アダルト・コンテンポラリーのチャートで最高35位を記録し、2ndシングルの『The End』も同チャートで最高31位を記録した。当時リリースされた国内盤には八神純子に提供した『Magic Trick』がボーナス曲として追加されていた。

ちなみにこの『Magic Trick』は前述の5枚組『Cast of Characters』の他のアーティストらに提供した曲を集めた5枚目に収録され、その中にあるブックレットでは1976年のアルバム『Singles』向けに作られた曲と記されている。

『Full Circle』に収められた10曲は、1組のカップルについて書かれた10の物語だと Rupert Holmes のコメントが記されていたらしい。そしてこの『Full Circle』には前作『Adventure』になかったオーケストラが Rupert Holmes 自らの指揮で復活し、各曲に彩りを与えている。

アルバム『Full Circle』は Rupert Holmes が自らの Borero だともいう『The End』から始まる。この曲で聴けるコーラス・ワークは全て Rupert Holmes によるもので、その効果はバックのオーケストラと相まって本当に Borero のような壮厳な響きを曲に与えている。

『Full Circle』には娘の Wendy について書かれた『Perfect』や、過去のレコーディング・セッションで埋もれていた『You Remind Me Of You』を取り上げたり、元々『Partners in Crime』向けだったタイトル曲の『Full Circle』に新たな歌詞を付けて復活させたりしている。

また『How Do You Do』ではベートーベンの交響曲第7番の第2楽章を引用したりと、オーケストラの効果を幅広くこのアルバム『Full Circle』では使っている。

そんなアルバムとしてのカラーがある中、アルバムの最後の位置のボーナス曲とはいうものの、明らかにスタイルの異なる『Magic Trick』は『Full Circle』というアルバムのコンセプトに全く合っていないと感じてしまう。

ジャケットに厳島神社の鳥居も描かれている『Full Circle』は今回ひっそりとリイシューされるが、1991年に一度 CD でリイシューされて以来、ずっと廃盤状態だっただけに、この機会に少しでも Rupert Holmes の紡ぐ世界に触れる方が増えて欲しいと思う。

Full-Circle.jpgFull Circle
The End
Loved By The One You Love
Perfect
You Remind Me Of You
The One Of Us
Full Circle
How Do You Do
Love At Second Sight
My Lover's Keeper
One Born Every Minute


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コメント 4

seawind335

今、思い返してみると、“AORのはしり”だったんですね~、この方。
by seawind335 (2010-12-16 21:38) 

MCMLXV_65

こんばんはー、seawind335さん。そうなんです、Rupert Holmesって、意外と見過ごされているんですけど、AORの面からみて、なかなかいいアルバムや曲を残しているんですよ。

ここ数年でオリジナル・アルバムがリマスターや紙ジャケ仕様としてポツポツとリイシューされているので再評価の機運が高まるといいですね!
by MCMLXV_65 (2010-12-16 21:48) 

seawind335

Rupert Holmesって、ジャンルが「Rupert Holmes」と言ってもいいくらい、独自の世界観を確立していましたよね。
by seawind335 (2010-12-16 22:48) 

MCMLXV_65

『Escape』がヒットした当時、Rupert HolmesはBilly Joelと同じくらいに詩の世界が面白いと、友人から勧められました。『Escape』のヒットが大きかったので一発屋のレッテルを貼られてしまうのですが、日本語訳のついた国内盤を少しずつ揃えていき、歌詞を楽しみたいと思っています!
by MCMLXV_65 (2010-12-17 00:54) 

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