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Stevie Ray Vaughan/『Soul To Soul』 [CD]

Soul-to-Soul.jpgStevie Ray Vaughan と Double Trouble はこの3枚目のスタジオ・アルバム『Soul To Soul』をリリースする1985年に最初で最後となる日本公演を実施。大阪、名古屋、東京の3都市で計5回のコンサートを1月末に行っている。そのときのセットリストにはこの年の秋にリリースされる『Soul To Soul』から『Say What!』が早くもプレイされていた。

日本公演後の2月には Stevie の故郷ダラスでギター・ショップを営む古くからの友人が心臓発作で亡くなり、その故人のために『Life Without You』を作り、これも9月にリリースされる新作『Soul To Soul』の最後に収められた。

アルバム『Soul To Soul』のレコーディングは1985年の春頃から始まったが、この頃の Stevie は Double Trouble でベースを弾く Tommy Shannon とアルコールやドラッグの問題にはまり、そんな環境の中でレコーディングは主に夜間を使い進められた。

このアルバムのレコーディングではキーボードの Reese Wynans が呼ばれて『Look At Little Sister』を収録。この時のプレイがきっかけで Reese Wynans は Double Trouble のキーボードとして採用され、アルバム『Soul To Soul』ではその存在感を十分に放っている。

Stevie と Double Trouble の4人は、この年の夏に多くのフェスティバル、それもジャズ・フェスティバルに多く参加。そして9月にリリースされた『Soul To Soul』は全米チャートで最高34位をマーク。『Change It』と『Look At Little Sister』の2曲はロック系チャートで共に最高17位を記録した。

『Soul To Soul』は早くからプレイされていた『Say What!』で幕を開け、この1曲ですっかり Stevie のギター・プレイの虜になってしまう。

このアルバムには Stevie の友人である Doyle Bramhall が書いた曲が2曲あり、そのうちの1つが2曲目にある『Lookin' Out The Window』で、ここでは新たに加わった Joe Sublett のサックスも聴ける。Doyle Bramhall が提供したもう1曲は『Change It』で、こちらは Reese Wynans の弾くキーボードの音が曲にアクセントを与え、Stevie のギター・ソロも楽しそうだ。

『Soul To Soul』には Doyle Bramhall 提供の2曲以外にカバー曲が3曲あった。最初に登場するのは『Look At Little Sister』で、オリジナルは1959年にリリースされた Hank Ballard のシングル曲で、この曲の中盤では Joe Sublett と Stevie のそれぞれのソロがフューチャーされ、Reese Wynans のキーボードも軽快な音を奏でている。

2つ目のカバーは7曲目の『You'll Be Mine』で、これは Willie Dixon が書いた Howlin' Wolf の1962年のシングル曲で、この曲での Stevie のボーカルはギター以上に楽しそうな雰囲気だ。もちろん Stevie ならではのギター・ワークも大いに楽しめる曲になっている。

3曲目のカバーは1960年の Earl King のシングル曲で The Jimi Hendrix Experience も1968年にカバーをしている『Come On (Part III)』。ここでは Stevie らしい野太いギター・ワークが冴えまくり、4分半にわたってそれが楽しめる。そのギターの影で唸るような Tommy Shannon のベースも聴きどころだ。

『Soul To Soul』に収められた曲の半分は外部の者による曲だが、他の5曲は Stevie の書いた曲で、『Ain't Gone 'n' Give Up On Love』では豪快なギターがない代わりに Stevie のボーカルがとてもいいバラードに曲を仕立てている。

続く『Gone Home』は多くのジャズ・フェスティバルに参加した影響か、インストルメンタルながらジャズの香りのあるキーボードやギターの音色がとても心地いい雰囲気を奏でている。

アルバムの最後に収録された友人に捧げる『Life Without You』もバラードだが、決して上手いとは言えない Stevie のボーカルが曲の背景にある想いを考えると愛おしく聴こえてくる。『Life Without You』はStevie のギターがフェードアウトして終るが、もしライブでプレイされたら Stevie のソロがたっぷり聴けたのではないだろうか。

『Soul To Soul』はオリジナルの10曲に加えて、1999年のリマスター盤では Stevie の声と2曲のボーナス曲が追加されている。その中の『Little Wing/Third Stone From The Sun』は Jimi Hendrix のカバーで13分を越す大作だが、これもオリジナルの10曲に負けない必聴の曲だ。オリジナルの『Soul To Soul』もいいが、今はこの曲を含むリマスター盤の『Soul To Soul』がお勧めだろう。

Soul-to-Soul.jpgSoul To Soul
Say What!
Lookin' Out The Window (Doyle Bramhall)
Look At Little Sister (Hank Ballard)
Ain't Gone 'n' Give Up On Love
Gone Home
Change It (Doyle Bramhall)
You'll Be Mine (Willie Dixon)
Empty Arms
Come On (Part III) (Earl King)
Life Without You
【Bonus Tracks】
SRV Speaks
Little Wing/Third Stone From The Sun (Jimi Hendrix)
Slip Slidin' Slim


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