Elvis Costello/『Spike』 [CD]
Elvis Costello の『Spike』より以前のアルバムはイギリスではインディ系のレーベルから、アメリカでは Columbia からリリースされていたが、このアルバムから Warner Bros. に統一され『Spike』は英5位/米32位を記録した。
Warner Bros. のロゴを模したジャケットにある Elvis Costello の顔はイラストではなく実際にメイクをした顔であるらしく、このエンブレムの下に刻まれた文字「The Beloved Entertainer」は当初このアルバムに予定されていたタイトルでもあったらしい。
この『Spike』の話題の1つは Paul McCartney が曲作りに参加していたことだろう。この頃、ふたりが作った曲は十数曲あると言われ、その中から『Veronica』と『Pads, Paws and Claws』がこの『Spike』に収められ、Paul の『Flowers In The Dirt』に『My Brave Face』など4曲が収められた。
『Spike』からは1stシングルとしてふたりの共作『Veronica』が選ばれて英31位/米19位とまずまずのヒットを記録。日本では某テレビ番組で紹介されたこともあって Elvis Costello の曲ではダントツの知名度がある曲だろう。
このアルバムからは他にも1曲目の『... This Town ...』が全米ロック系チャートで No.1 を記録。『Baby Plays Around』を含む EP 盤が全英チャートで最高65位という記録を残している。
『Spike』は1989年当時、CD と LP の両方でリリースされ、LP は両面に7曲ずつの14曲が収録されたが、CD は14曲目に『Coal-Train Robberies』が追加された15曲入りでリリースされた。その後、2001年には17曲のデモ音源など含めた2枚組の『Spike』がリイシューされ、オリジナルの15曲も新たにリマスターが行われた。
『Spike』に収められた曲は Elvis Costello とベースやアコースティック・ギターを弾く T-Bone Burnett と、当時 Elvis Costello の妻だった Cait O'Riordan の3人を軸にアイルランドのダブリン、アメリカのニューオリンズ、そしてロサンゼルスとロンドンの4箇所でレコーディングが行われた。
その影響からダブリン収録の『Tramp The Dirt Down』や『Miss Macbeth』とニューオリンズ収録の『Deep Dark Truthful Mirror』や『Chewing Gum』には明らかにサウンドに違いがあり、『Spike』というアルバムを通していろいろなスタイルの Elvis Costello の曲を楽しめた。
LP のB面トップを飾る『Stalin Malone』だけがインストルメンタルだが、こういう曲も Elvis Costello のアルバムでは珍しかった。また共作は Paul 以外に当時の妻 Cait O'Riordan と『Baby Plays Around』も手がけていた。
他にこの『Spike』に参加したゲストには The Pretenders の Chrissie Hynde が『Satellite』でボーカルに加わり、1曲目の『...This Town...』では The Byrds の Roger McGuinn が12弦ギターを、Paul がベースを弾いていた。
Paul は『...This Town...』でリッケンバッカーのベースを弾いていたが、『Veronica』では The Beatles でお馴染みのヘフナーのベースを弾いていた。
4つのスタジオで収録した素材にロサンゼルスやロンドンで編集や追加のレコーディングを行ったようで、必ずしもこういったメンバーが一同に介して収録が行われたわけではないが、それでも Elvis Costello がこの『Spike』に懸けた思いはそれまでのアルバムとかなり違ったものだったと想像できる。
そして公式に『Spike』としてリリースされた15曲に至る前のシンプルな状態を2001年のリイシュー盤では追加された2枚目で聴くことができる。この2枚目では唯一のインストルメンタルだった『Stalin Malone』もボーカル入りのバージョンとして聴ける。またシングルB面曲でアルバム未収録な曲も何曲かあるので、もし可能であれば、この2枚組のリイシュー盤もぜひお勧めしたい。
Spike
... This Town ... ◯
Let Him Dangle ◆
Deep Dark Truthful Mirror △◆
Veronica ◆◯
God's Comic ◆
Chewing Gum △◆
Tramp The Dirt Down ★◆
Stalin Malone △
Satellite ◆◯
Pads, Paws and Claws ◆
Baby Plays Around ◆
Miss Macbeth ★△◆
Any King's Shilling △★
Coal-Train Robberies ◆
Last Boat Leaving ◆
◆:Los Angeles 録音
△:New Orleans 録音
★:Dublin 録音
◯:London 録音
Warner Bros. のロゴを模したジャケットにある Elvis Costello の顔はイラストではなく実際にメイクをした顔であるらしく、このエンブレムの下に刻まれた文字「The Beloved Entertainer」は当初このアルバムに予定されていたタイトルでもあったらしい。
この『Spike』の話題の1つは Paul McCartney が曲作りに参加していたことだろう。この頃、ふたりが作った曲は十数曲あると言われ、その中から『Veronica』と『Pads, Paws and Claws』がこの『Spike』に収められ、Paul の『Flowers In The Dirt』に『My Brave Face』など4曲が収められた。
『Spike』からは1stシングルとしてふたりの共作『Veronica』が選ばれて英31位/米19位とまずまずのヒットを記録。日本では某テレビ番組で紹介されたこともあって Elvis Costello の曲ではダントツの知名度がある曲だろう。
このアルバムからは他にも1曲目の『... This Town ...』が全米ロック系チャートで No.1 を記録。『Baby Plays Around』を含む EP 盤が全英チャートで最高65位という記録を残している。
『Spike』は1989年当時、CD と LP の両方でリリースされ、LP は両面に7曲ずつの14曲が収録されたが、CD は14曲目に『Coal-Train Robberies』が追加された15曲入りでリリースされた。その後、2001年には17曲のデモ音源など含めた2枚組の『Spike』がリイシューされ、オリジナルの15曲も新たにリマスターが行われた。
『Spike』に収められた曲は Elvis Costello とベースやアコースティック・ギターを弾く T-Bone Burnett と、当時 Elvis Costello の妻だった Cait O'Riordan の3人を軸にアイルランドのダブリン、アメリカのニューオリンズ、そしてロサンゼルスとロンドンの4箇所でレコーディングが行われた。
その影響からダブリン収録の『Tramp The Dirt Down』や『Miss Macbeth』とニューオリンズ収録の『Deep Dark Truthful Mirror』や『Chewing Gum』には明らかにサウンドに違いがあり、『Spike』というアルバムを通していろいろなスタイルの Elvis Costello の曲を楽しめた。
LP のB面トップを飾る『Stalin Malone』だけがインストルメンタルだが、こういう曲も Elvis Costello のアルバムでは珍しかった。また共作は Paul 以外に当時の妻 Cait O'Riordan と『Baby Plays Around』も手がけていた。
他にこの『Spike』に参加したゲストには The Pretenders の Chrissie Hynde が『Satellite』でボーカルに加わり、1曲目の『...This Town...』では The Byrds の Roger McGuinn が12弦ギターを、Paul がベースを弾いていた。
Paul は『...This Town...』でリッケンバッカーのベースを弾いていたが、『Veronica』では The Beatles でお馴染みのヘフナーのベースを弾いていた。
4つのスタジオで収録した素材にロサンゼルスやロンドンで編集や追加のレコーディングを行ったようで、必ずしもこういったメンバーが一同に介して収録が行われたわけではないが、それでも Elvis Costello がこの『Spike』に懸けた思いはそれまでのアルバムとかなり違ったものだったと想像できる。
そして公式に『Spike』としてリリースされた15曲に至る前のシンプルな状態を2001年のリイシュー盤では追加された2枚目で聴くことができる。この2枚目では唯一のインストルメンタルだった『Stalin Malone』もボーカル入りのバージョンとして聴ける。またシングルB面曲でアルバム未収録な曲も何曲かあるので、もし可能であれば、この2枚組のリイシュー盤もぜひお勧めしたい。
Spike
... This Town ... ◯
Let Him Dangle ◆
Deep Dark Truthful Mirror △◆
Veronica ◆◯
God's Comic ◆
Chewing Gum △◆
Tramp The Dirt Down ★◆
Stalin Malone △
Satellite ◆◯
Pads, Paws and Claws ◆
Baby Plays Around ◆
Miss Macbeth ★△◆
Any King's Shilling △★
Coal-Train Robberies ◆
Last Boat Leaving ◆
◆:Los Angeles 録音
△:New Orleans 録音
★:Dublin 録音
◯:London 録音
2011-06-16 14:00
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