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Earth, Wind & Fire/『Millennium』 [CD]

Millennium.jpg毎日続けてきたこのブログも、とうとう記事の数がこれで1000本目になった。この時に! と取っておいたアルバムではないが、今日は Earth, Wind & Fire が1993年にリリースした『Millennium』を久しぶりに引っ張り出してきた。

今年に入って Earth, Wind & Fire の1970年代のアルバムをまとめて聴いたが、それ以外に手元にある Earth, Wind & Fire のスタジオ・アルバムはベスト盤のような編集盤を除くとこの『Millennium』しかなかった。

LP 時代には1979年リリースの『I AM』以降、2枚組の大作『Faces』や、全米 R&B チャートで No.1 になったシングル『Let's Groove』を含む『Raise!』も聴いてきたが、それ以降は Earth, Wind & Fire が元々持っていたファンクや R&B の要素が減り、その変化と共に新譜を聴く機会はすっかり少なくなってしまった。

そんな中、久しぶりに聴いてみようと思ったスタジオ・アルバムが、この横尾忠則がジャケット・デザインを手掛けた『Millennium』だった。

1980年代中盤から1990年代序盤にかけて方向性が大きく変わった Earth, Wind & Fire だったが、この『Millennium』では1970年代中盤のスタジオ・アルバム『Spirit』の辺りを思い起こさせるような曲が揃っていて、それは2曲目の『Sunday Morning』や続く『Blood Brothers』で顕著だった。

Maurice と Verdine の White 兄弟と Philip Bailey らの絆を象徴するような『Blood Brothers』では Maurice と Philip が代わる代わるボーカルをとり、ここでは Earth, Wind & Fire らしい美しいハーモニーや、特徴あるホーン・セクションがフューチャーされていた。

ここまでの3曲で以前のスタイルを思い起こすような変化を魅せつけた後に、わずか30秒の Maurice による『Kalimba Interlude』で一息をつける辺りも全盛期の Earth, Wind & Fire を思わせるつくりで、昔からのファンを喜ばせてくれた。

そして続くバラードの『Spend The Night』では David Foster と組んだ『I AM』の頃に戻ったかのようで、この曲は『Millennium』からシングル・カットされて Billboard 誌の Hot R&B/Hip-Hop Singles & Tracks で最高20位まで上昇した。

『Millennium』にある曲では意外なクレジットもあり、2枚目のシングルに選ばれた『Two Hearts』では Maurice と Philip に加えて Burt Bacharach がライターに加わっていた。だが、この曲はあまり Earth, Wind & Fire らしくなく、少し AOR に振り過ぎた感じの曲だった。

『Millennium』にある意外な名前の二人目は『Super Hero』にある Prince だった。この曲で Prince はライターに名前があるだけで、ボーカルや楽器をプレイはしていないようだが、一聴して Prince の曲と分かるようなスタイルになっていた。

ライター陣では他にも『Powerlight』や『Heritage』などのスタジオ・アルバムで参加していた名前があったが、なかでも Nicky Brown というライターが加わった『Even If You Wonder』や『The "L" Word』は1980年代の Earth, Wind & Fire のスタイルをいい方向に纏め上げていて『Millennium』の中では1970年代スタイルな曲と好対照な曲に仕上がっていた。

Nicky Brown が絡んだ曲では『Chicago (Chi-Town) Blues』も Maurice のボーカルやコーラス・ワークが冴えるいい曲で、ここでは過去に The Pointer Sisters や Christina Aguilera、Aaron Neville らに曲を書いてきた Brock Walsh もライターに加わり、『Millennium』というアルバムの最後を飾る曲になっていた。

『Millennium』は『Kalimba Blues』という30秒少しの Maurice の弾く Kalimba によるインストルメンタルで閉じられるが、ここでも往年の Earth, Wind & Fire を彷彿させるような余韻を残している。

『Millennium』は長年所属してきた Columbia を離れ、1970年代の活動初期に属していた Warner Bros. から久しぶりにリリースされたアルバムだったが、全米アルバム・チャートでは最高39位、Top R&B/Hip-Hop Albums では最高8位まで上昇したが、復帰した Warner Bros. からのリリースはこれ1枚だけで終了してしまった。

タイトルは新世紀を予感させる『Millennium』だが、含まれていた曲では1970年代や1980年代序盤の頃を思い起こす曲が多くて良いアルバムだった。しかし、リリース当時は不遇な扱いを受けてしまったアルバムで、もっと多くの古くからのファンにもぜひ聴いてもらいたいアルバムだ。

Millennium.jpgMillennium
Even If You Wonder
Sunday Morning
Blood Brothers
Kalimba Interlude
Spend The Night
Divine
Two Hearts
Honor The Magic
Love Is The Greatest Story
The 'L' Word
Just Another Lonely Night
Super Hero
Wouldn't Change A Thing About You
Love Accross The Wire
Chicago (Chi-Town) Blues
Kalimba Blues


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