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David Bowie/『"Heroes"』 [CD]


この『"Heroes"』は1977年10月にリリースされた同名のスタジオ・アルバム『"Heroes"』の3曲目に収録され、アルバムからの先行シングルとして1か月前の9月にリリースされた。この当時の全英チャートでは最高24位と必ずしもヒットしたと言い難い結果だった『"Heroes"』だが、その歌詞の持つ意味合いから、いろいろな機会に耳にすることの多い曲になった。

Heroes.jpg『"Heroes"』のレコーディングでは Carlos Alomar がギター、Brian Eno がシンセサイザーを担当。そしてニューヨークからベルリンに急遽呼ばれた Robert Fripp がリード・ギターを弾いている。

この曲の歌詞で「We can be heroes / Just for one day」というフレーズがあるが、この部分がいろいろな逆境に向かう立場にある者を奮い立たせるようなときに使われる歌詞として引用される機会が多い。曲の最後にはまた「We're nothing, and nothing will help us / Maybe we're lying, then you better not stay / But we could be safer / Just for one day」ともある。

ここを(歌詞の前後関係を踏まえて)日本語にすると「私たちは無力だ / そして私たちを助けるものは何もない / 私たちは偽っているのかもしれない / ならば、このままではいないほうがいいだろう / しかし危機は去りゆくだろう / いつかその日」と、今はどうすることもできないが、将来はそれが良くなる兆しもあるとも受け取れ、希望を見いだせる前向きなメッセージとも感じられた。(日本語訳は『デヴィッド・ボウイ詩集―スピード・オヴ・ライフ』から引用しました)

徐々に曲が盛り上がっていく展開もその歌詞とともに前向きな気分にさせる力があって、スタジオ・テイクも好きな『"Heroes"』だが、ライブ・バージョンではさらに曲が持つ意味が高められる。

この(↓)ビデオは1992年に行われた Freddie Mercury の追悼コンサートで披露された『"Heroes"』で、残された Queen の3人のメンバーらをバックに Bowie が歌い上げる感動的なシーンだった。このときのステージには The Spiders From Mars の Mick Ronson もその勇姿を見せていた。


だが、その Mick Ronson もこの翌年の1993年4月29日に肝臓癌が原因で46歳で亡くなってしまった。

『"Heroes"』は2001年の同時多発テロ後に行われた The Concert for New York City でもプレイされた。

『Best Of Bowie』などのベスト盤には必ず収録される Bowie の代表曲の1つである『"Heroes"』。いつかは誰でも王や英雄になれる。それがいつとは言えないけど、諦めたり、屈することがなければ、いつかはその時が来るだろう。そう信じていてほしいと、ある人にこの『"Heroes"』を贈りたい。
タグ:David Bowie 1977


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