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NENA/『Wunder Gescheh'n』 [CD]

Wunder-gescheh'n.jpgこのアルバムもまた NENA の Original Album Classics という5枚組のボックスに入っていた一枚で、名義は NENA だが、1987年に NENA というバンドは解散し、ボーカルの Gabriele Susanne Kerner が実質的なソロ活動を始めた最初のアルバムがこの『Wunder Gescheh'n』だった。

このソロ・デビュー盤は全10曲で40分にも満たないが、Nena というソロ・アーティストのデビュー盤としては上々の内容で、ドイツ語という言葉のハンデがなければ、もっと紹介されてもおかしくのないアルバムだった。

この頃の Nena はスイス人の俳優との間に子供ができて、その影響もこの『Wunder Gescheh'n』には随所にあり、時々、子供の遊んでいるような声も曲の中に聞こえる。だが、ふたりの最初の子供は残念ながらこのアルバムのリリース後にわずか11か月で短い生涯を終えてしまった。

『Wunder Gescheh'n』はそんな悲劇がある前に作られたアルバムなので、悲しい雰囲気はなく、ソロ活動の開始と合わせ、新たな家族が増えたことを祝うような楽しい雰囲気もある内容だった。バンド活動の Nena はシンセサイザーの音も煌びやかなスタイルだったが、このソロ・アルバムでは Nena のボーカルを中心にアコースティックな楽器が周囲を包むようなスタイルだった。

『Wunder Gescheh'n』はドイツのアルバム・チャートで最高23位を記録し、タイトル曲がシングル・チャートで最高19位をマーク。これは1985年のアルバム『Feuer und Flamme』からのタイトル曲が最高8位を記録して以来の好成績だった。

『Wunder Gescheh'n』は CD の他に LP でもリリースされ、そのA面にあった5曲はスローな曲が多く、その中でも3曲目の『Hero』はバンド時代のスタイルと180度異なり、Nena というソロ・アーティストの新たな面を披露する曲だった。

『Hero』に続く『Schlaflied』は、この頃に生まれた子供の声(?)も収録された2分にも満たない曲だった。

B面トップの『Im Rausch Der Liebe』もシングル・カットされたが、このB面には『Keine Langeweile』という楽しい曲もあった。アコーディオンのような音も聞こえ、ちょっと速いテンポに乗せて歌う Nena のボーカルがとても楽しい雰囲気の曲だった。

この曲に続く『Steht Auf』は少しダークな感じのする曲だが、A面の5曲に比べるとB面にある5曲は Nena のバックにある音数が増えロックな Nena が戻ってきたという感じもあった。『Steht Auf』ではキーボードの音も控えめながら煌びやかな雰囲気があり、この曲もアルバムの中で好きな曲の1つだった。

最後の『Abschied』は Nena のボーカルとベース、そして指を弾く音で始まり、そこに軽やかなキーボードやギターが少しずつ加わっていくジャズっぽい曲で、Nena からの「バイバイ」という声と笑い声で終わる。

『Wunder Gescheh'n』は前半5曲と後半5曲でスタイルが異なるが、それがまた Nena のソロ・アーティストの可能性はいろいろとあると示しているようでもあった。

『Wunder Gescheh'n』は Original Album Classics という5枚組の中で数合わせの一枚と最初思っていただが、なかなかどうして、隠れた名盤に挙げたいアルバムだった。

Wunder-gescheh'n.jpgWunder Gescheh'n
Wunder Gescheh'n
Du Bist Überall
Hero
Schlaflied
Weisses Schiff
Im Rausch Der Liebe
La Vie C'Est Chance
Keine Langeweile
Steht Auf
Abschied
タグ:Nena 1989


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