SSブログ

The Rolling Stones/『Goats Head Soup』 [CD]

Goats-Head-Soup.jpg突然公式にリリースされた1973年のライブ音源『The Brussels Affair '73』を聴いて、また改めて聴いてみたくなり引っ張り出してきたアルバムが、この1973年夏にリリースされた『Goats Head Soup』というスタジオ・アルバムだ。

この『Goats Head Soup』はオリジナルの1973年リリース当時に聴いたことがないアルバムで、あとから The Rolling Stones の歴史を振り返って聴いたアルバムの中の一枚だった。そして数多い The Rolling Stones のスタジオ・アルバムの中でもあまり聴いたことのないアルバムのひとつでもあった。

その理由にこの不気味なジャケットがあり、そして『Angie』にばかりが目が行ってしまい、まだ The Rolling Stones の歴史に疎かったこともあり、すごく地味なアルバムと思い、その印象をつい最近までずっと引きずっていた。

このアルバムのレコーディングはジャマイカにある Dynamic Sound Studios で1972年々末と1973年の春先にかけて行われ、一部の曲はオランダのロッテルダムで1973年夏にレコーディングされた。

1968年のスタジオ・アルバム『Beggars Banquet』から続いてきた Jimmy Miller のプロデュースはこの『Goats Head Soup』が最後となり、このアルバムのレコーディングには Mick Taylor を含めた5人のメンバーに加え、Billy Preston、Nicky Hopkins、Ian Stewart という3人のキーボード・プレイヤー、Bobby Keys らのホーン・セクションが参加していた。

そして意外なことにこの『Goats Head Soup』にある10曲は全て Mick Jagger と Keith Richards による曲で、全曲が The Rolling Stones のメンバーで作られたアルバムは1967年の『Their Satanic Majesties Request』以来のことでもあった。

『Goats Head Soup』からは『Angie』がリード・シングルとしてカットされ、1971年の『Brown Sugar』以来となる全米 No.1 シングルを記録。アルバムは『Sticky Fingers』から3作連続で英米双方のチャートで No.1 をマークし、アメリカでは300万枚以上のセールスも記録した。

その余波を受けて1973年9月から欧州ツアーが始まり、その模様が『Europe 73』や『Bedspring Symphony』『Brussels Affair』などのブートレグとして知られるようになり、それがついに公式な音源として先日『The Brussels Affair '73』としてリリースされたわけだ。

不気味なジャケットや The Rolling Stones らしくない『Angie』、そして歌詞に問題のあった『Star Star』など、どちらかというとネガティブなイメージが多かった『Goats Head Soup』だが、『The Brussels Affair '73』の中盤にプレイされた4曲、ここには『Angie』もあったが、この頃のメンバーの繰出す独特のグルーブ感は遅まきながら『Goats Head Soup』のネガティブな印象を覆すものだった。

『The Brussels Affair '73』では Mick Taylor がリード・ギターを弾きまくり、Keith が Charlie Watts と Bill Wyman のリズム隊に絡み、そこにもうひとりの Mick がバラードからロック、そして『Dancing With Mr. D.』のような1960年代終盤から持っていた黒い雰囲気の曲まで変化に富んだボーカルを披露していた。

Mick Taylor がいた The Rolling Stones はこの次のアルバム『It's Only Rock 'n Roll』が最後で、この前の2枚組のアルバム『Exile on Main St.』に挟まれたかたちの『Goats Head Soup』は今まで聴く機会が少なかったが、『The Brussels Affair '73』のおかげで少しはその頻度が上がるアルバムになりそうだ。

Goats-Head-Soup.jpgGoats Head Soup Goats Head Soup (Remastered 2009) - The Rolling Stones
Dancing With Mr. D.
100 Years Ago
Coming Down Again
Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
Angie
Silver Train
Hide Your Love
Winter
Can You Hear The Music
Star Star


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0)▲ページトップ▲

nice! 0

コメント 5

ryo

100 Years Agoが大好きです。
キースとのハモりが一番カッコいいのはこのアルバムだと勝手に思っております。「メインストリート...」で培ったサウンドが更に洗練されている感じもします。

ただ音質悪いんですよね^^;
by ryo (2011-11-20 18:06) 

MCMLXV_65

ryoさん、いつも渋い曲が好きですねぇ!そう言われると、もう一度聴いてみたくなります!!

音質の悪いってところ、なんとなく分かるんですが、このモコモコした感じは意図的なのでは? とも思います。最近リイシューされた盤ではどうなんでしょうね? クリアになったら、かえってこのアルバムらしくないようにも思えるんですけど。^^;
by MCMLXV_65 (2011-11-20 18:19) 

デライラ

『Angie』大好き・・・
『Angie』はThe Rolling Stones らしくないんですか・・・だから、私は好きなのかな。
by デライラ (2011-11-21 23:25) 

MCMLXV_65

デライラさん、こっちにもコメントどうもです。(^^♪
そうなんですよ(うん? あっちにも書いたような…)。
『Angie』は「らしく」ない曲なので、アルバムも
これまではあまり好きじゃなかったんですよ。

デライラさんがQueen以外のブログコメントをするのも
とても貴重なことでは…? (^^)
by MCMLXV_65 (2011-11-21 23:50) 

kazmint

Winterが好きですねえ。後年の放り投げるような歌い方ではなくいかにもじっくり歌っている気がします。
ブリュッセルのミッドナイトランブラーが彼らのベストライブだと思います。キースのカッティングに尽きる!
by kazmint (2012-05-03 12:28) 

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
All Photo and Text copyright(c) White Dragon All Right Reserved.
Related Posts with Thumbnails

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。