George Michael／『Faith』

2011年の年明け早々にリマスター盤がリイシューされた George Michael の1987年リリースのソロ・デビュー盤『Faith』。このアルバムのリリースは1987年10月だったが、1989年2月の第31回 Grammy 賞では見事 Album Of The Year に選ばれ、同じ年の American Music Awards でも Favorite Pop/Rock Male Artist に選出された。American Music Awards では Soul/R&B 部門の Favorite Male Artist と Favorite Album のカテゴリーでも『Faith』は選出された。

アルバムとしての『Faith』は全米の R&B アルバム・チャートで白人ソロ・アーティストによる史上初の No.1 という記録も打ち立てた。もちろん、全米の総合アルバム・チャートでも No.1 に三度返り咲き、合計12週間にわたり No.1 を記録。同チャートに51週間ランクインして、アメリカでは1000万枚以上のセールスに贈られるダイヤモンド・ディスクを獲得。これまでの世界中のセールスも2500万枚を超えている。

Wham! 時代のイメージを一新する『I Want Your Sex』がソロ・デビュー盤からのリード・シングルに選ばれ、英3位/米2位を記録。それ以降にシングル・カットされた『Faith』『Father Figure』『One More Try"』『Monkey』の4曲が連続で全米シングル・チャート No.1 を記録し、Wham! 解散後のソロ・デビューはこれ以上ないという成功を収めた。

George はこれ以前にソロ名義で『Careless Whisper』をアメリカでリリースしていたが、これが1985年に最も売れたシングルになっていて、シングルの『Faith』は1988年に最も売れたシングルになり、同一アーティストが2度年間最多セールスのシングルを記録したのは1960年代に The Beatles が1964年と1968年に記録して以来の快挙だった。

もうひとつ、この『Faith』というシングルとアルバムは全米チャートで快挙を記録していて、それは1970年の Simon & Garfunkel の『Bridge over Troubled Water』以来となる同名タイトルが年間 No.1 シングルとアルバムの座を獲得したことだった。

『Faith』からのシングルは上に挙げた5枚に『Kissing A Fool』も加えて、全9曲中6曲がシングル・カットされた。その『Kissing A Fool』も全米チャートで最高5位を記録し、6枚のシングル全てが全米チャートで Top5 入りを果たした。

LP 時代に聴いた『Faith』はA面にあった『One More Try』までが、まさにこの頃の George を代表する曲の連続で、いろいろなスタイルの曲がここに揃っていた。

サイドが変わっての『Hard Day』から『Hand To Mouth』の流れもこのアルバムでお気に入りな部分で、この2曲の間髪あけずに続く構成がとてもスムーズだった。この2曲と続く『Look At Your Hands』はシングル・カットされなかったが、『Look At Your Hands』は Wham! 初期の頃に作られていた曲で、この曲はアルバムで唯一 George が David Austin と共に書き上げた曲だった。

『Hard Day』は公式にシングルとしてカットされなかったが、アルバムのプロモーション目的にアルバム・リリースと同時期にカットされて、全米の Hot Dance Club Songs チャートで最高5位をマークした。

1980年代はひとつのアルバムから多くのシングル・ヒットが生まれた年代だったが、この『Faith』もまた、そんな時代を反映したモンスター・アルバムだった。

Faith
Faith
Father Figure
I Want Your Sex (Parts 1 & 2)
One More Try
Hard Day
Hand To Mouth
Look At Your Hands
Monkey
Kissing A Fool

タグ：George Michael 1987