David Bowie/『Low』 [CD]
David Bowie のベルリン三部作、最初の一枚がこの1977年の年明け早々、イギリスで1月14日にリリースされた『Low』だった。
英米のアルバム・チャートで英2位/米11位を記録し、イギリスではシルバー・ディスク (6万枚) に認定された『Low』は、今でこそ各メディアで高い評価を受け、2001年の Rolling Stone 誌で最高の5つ星を付けられ、イギリスの月刊誌 Q でも同様に最高ランクの5つ星が付けられているが、1977年のリリース当時は音楽評論家から一斉に罵声を浴びたそうで、今、考えるとちょっと信じられないような扱いを受けていたアルバムでもある。
『Low』はいきなりインストルメンタルの『Speed Of Life』で始まる。この後、『Breaking Glass』から Bowie のボーカルが入った曲が続くが、LP 時代のA面最後、『A New Career In A New Town』は再びインストルメンタルとなり、サイドが変わってB面にある4曲は全てインストルメンタル曲で埋められていた。
そんな『Low』からもシングルが2枚カットされ、後にツアーのタイトルやリイシュー・シリーズのタイトルにも使われた『Sound And Vision』は全英チャートで最高3位を記録した。2ndシングルにはその後のツアーでもよくプレイされた『Be My Wife』が選ばれたが、こちらは残念ながらチャートで結果を残せなかった。
ベルリン三部作の一枚に数えられる『Low』だが、レコーディングのほとんどは18世紀に建てられたフランスの城、Château d'Hérouville で行われ、その後、当時の西ドイツ、ベルリンにある Hansa Studio に場所を移し、一気に完成させられたという。
A面にある Bowie のボーカル曲ではこの当時、薬の問題を抱えていた Bowie の心境が歌詞の中に見受けられ、『Always Crashing In The Same Car』ではその様な環境の中、自動車事故を起こす寸前の状態が元になっていると、後に Bowie は明らかにしている。
一方、B面にある4つのインストルメンタル曲では当時の西ドイツやベルリンの状況が描かれ、これらの曲を1977年のリリース当時、聴かされたファンやメディアの驚きはとても想像ができない。
今でこそ6分を超す『Warszawa』はライブ盤の『Stage』にも収録され、圧倒的な存在感を放っているが、これを最初に聴かされたときは言葉が出なかったのではないだろうか。
Bowie がひとりが全ての楽器をプレイした『Weeping Wall』は今は取り壊されたベルリンの壁を思い描いて作られた曲と想像できるが、この曲を聴いているとその壁は永遠に存在するものという気持ちにもなる。
『Low』の最後も5分を超す大作の『Subterraneans』で締め括られるが、「地下に住む者たち」とも訳せるこの曲のタイトルからは当時のベルリンに住むひとたちの様子が感じとれもする。
A面とB面で中心にあるのは当時の Bowie の心情とベルリンの様子だが、その2つを1つのアルバムとして完成させた Bowie とプロデューサーの Tony Visconti の働きには感嘆させられる。そして、もうひとり、元 Roxy Music のメンバーで、この頃にソロ活動で環境音楽を手掛けていた Brian Eno の貢献を抜きで、この『Low』というアルバムは完成できなかっただろう。
『Low』は1990年代に Rykodisc からリイシューされた際に『Some Are』と『All Saints』という2曲のインストルメンタルと、『Sound And Vision』のリミックス・バージョンの3曲が追加されていた。Brian Eno の貢献が堪能できる2曲のインストルメンタルは現在の CD では収録されてなく、『All Saints』は2001年リリースの同名アルバムで、『Some Are』は2008年にリリースされたコンピレーション・アルバム『iSelect』で、それぞれ聴くことができる。
Low
Speed Of Life
Breaking Glass
What In The World
Sound And Vision
Always Crashing In The Same Car
Be My Wife
A New Career In A New Town
Warszawa
Art Decade
Weeping Wall
Subterraneans
英米のアルバム・チャートで英2位/米11位を記録し、イギリスではシルバー・ディスク (6万枚) に認定された『Low』は、今でこそ各メディアで高い評価を受け、2001年の Rolling Stone 誌で最高の5つ星を付けられ、イギリスの月刊誌 Q でも同様に最高ランクの5つ星が付けられているが、1977年のリリース当時は音楽評論家から一斉に罵声を浴びたそうで、今、考えるとちょっと信じられないような扱いを受けていたアルバムでもある。
『Low』はいきなりインストルメンタルの『Speed Of Life』で始まる。この後、『Breaking Glass』から Bowie のボーカルが入った曲が続くが、LP 時代のA面最後、『A New Career In A New Town』は再びインストルメンタルとなり、サイドが変わってB面にある4曲は全てインストルメンタル曲で埋められていた。
そんな『Low』からもシングルが2枚カットされ、後にツアーのタイトルやリイシュー・シリーズのタイトルにも使われた『Sound And Vision』は全英チャートで最高3位を記録した。2ndシングルにはその後のツアーでもよくプレイされた『Be My Wife』が選ばれたが、こちらは残念ながらチャートで結果を残せなかった。
ベルリン三部作の一枚に数えられる『Low』だが、レコーディングのほとんどは18世紀に建てられたフランスの城、Château d'Hérouville で行われ、その後、当時の西ドイツ、ベルリンにある Hansa Studio に場所を移し、一気に完成させられたという。
A面にある Bowie のボーカル曲ではこの当時、薬の問題を抱えていた Bowie の心境が歌詞の中に見受けられ、『Always Crashing In The Same Car』ではその様な環境の中、自動車事故を起こす寸前の状態が元になっていると、後に Bowie は明らかにしている。
一方、B面にある4つのインストルメンタル曲では当時の西ドイツやベルリンの状況が描かれ、これらの曲を1977年のリリース当時、聴かされたファンやメディアの驚きはとても想像ができない。
今でこそ6分を超す『Warszawa』はライブ盤の『Stage』にも収録され、圧倒的な存在感を放っているが、これを最初に聴かされたときは言葉が出なかったのではないだろうか。
Bowie がひとりが全ての楽器をプレイした『Weeping Wall』は今は取り壊されたベルリンの壁を思い描いて作られた曲と想像できるが、この曲を聴いているとその壁は永遠に存在するものという気持ちにもなる。
『Low』の最後も5分を超す大作の『Subterraneans』で締め括られるが、「地下に住む者たち」とも訳せるこの曲のタイトルからは当時のベルリンに住むひとたちの様子が感じとれもする。
A面とB面で中心にあるのは当時の Bowie の心情とベルリンの様子だが、その2つを1つのアルバムとして完成させた Bowie とプロデューサーの Tony Visconti の働きには感嘆させられる。そして、もうひとり、元 Roxy Music のメンバーで、この頃にソロ活動で環境音楽を手掛けていた Brian Eno の貢献を抜きで、この『Low』というアルバムは完成できなかっただろう。
『Low』は1990年代に Rykodisc からリイシューされた際に『Some Are』と『All Saints』という2曲のインストルメンタルと、『Sound And Vision』のリミックス・バージョンの3曲が追加されていた。Brian Eno の貢献が堪能できる2曲のインストルメンタルは現在の CD では収録されてなく、『All Saints』は2001年リリースの同名アルバムで、『Some Are』は2008年にリリースされたコンピレーション・アルバム『iSelect』で、それぞれ聴くことができる。
Low
Speed Of Life
Breaking Glass
What In The World
Sound And Vision
Always Crashing In The Same Car
Be My Wife
A New Career In A New Town
Warszawa
Art Decade
Weeping Wall
Subterraneans
タグ:David Bowie 1977
2012-03-20 14:31
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