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Steely Dan/『Katy Lied』 [CD]

Katy-Lied.jpg1975年に Steely Dan がリリースした通算4枚目のスタジオ・アルバム『Katy Lied』。収録された曲の歌詞に Katy が登場することから、このキリギリス (katydid) の画像をジャケットに使おう! と考えたとしたら、その発想もすごい。

しかし、そのおかげで1975年のリリース当時にこのジャケットを見ただけでは Steely Dan の新作と気づかなかった方もいるのでは? また、30cm四方の LP の大きさで迫るキリギリスのアップが写ったジャケットという理由から、このアルバムを敬遠した方もいるのでは…?

私的にも、このジャケット。CD サイズの大きさでしか見たことがなく、実際に手にするまで、このキリギリスの何とも言えない雰囲気に気づかなかったが、これを LP 大のサイズで見ていたら、あまり聴く機会のないアルバムのひとつとして、ラックに長いこと収めていたかもしれない。

だが、そんな理由だけで聴かないことが実にもったいないのが、この『Katy Lied』というアルバムで、これは実質 Donald Fagen と Walter Becker がプロデューサーの Gary Katz と共にスタジオに篭って作り上げた初めてのスタジオ・アルバムで、それまでの Steely Dan のメンバーは、Fagen と Becker 以外にギターの Denny Dias を含めた3人しか残っていなかった。

1974年の前作『Pretzel Logic』リリースに伴うツアーの後、ライブ活動を巡ってメンバーの意見は分かれ、ギターの Jeff "Skunk" Baxter とドラムの Jim Hodder はバンドを離れ、Jeff は以後、The Doobie Brothers と活動するようになっていった。

そして同じくバンドを離れた Jim の代わりに起用されたのが、当時まだ21歳の Jeff Porcaro で、こちらの Jeff は前作『Pretzel Logic』でも一部の曲でドラムを叩いていたが、『Katy Lied』では『Any World (That I'm Welcome To)』を除く全曲でドラムを担当した。

そしてギターはオリジナル・メンバーの Becker や Dias の他に、2ndアルバム『Countdown To Ecstasy』の『Show Biz Kids』でスライド・ギターを披露した Rick Derringer が『Chain Lightning』でソロ・プレイを弾き、デビュー盤『Can't Buy A Thrill』収録の『Reelin' In The Years』でリード・ギターを務めた Elliott Randall が再び呼ばれて『Throw Back The Little Ones』でソロ・パートを担当した。

また初めて Steely Dan のアルバムに参加した Larry Carlton が『Daddy Don't Live In That New York City No More』で、やはりギター・ソロを披露していた。

多くのギタリストを曲ごとに起用した以外に Michael Omartian や David Paich がキーボードで参加。そして裏ジャケットにメンバーやプロデューサーの Katz らと写っていたのが、初めて Steely Dan のアルバムに参加した Michael McDonald だった。

Michael McDonald が Steely Dan のアルバムに参加したのは、この『Katy Lied』が最初。これ以降、次のスタジオ・アルバム『The Royal Scam』や、1977年リリースの『Aja』にも参加。Michael は同時期に The Doobie Brothers に加入し、Tom Johnston に代わってサウンドの要にもなっていった。

ライブを離れ、Fagen、Becker、Katz を中心にしたスタジオでの活動がメインになり、曲ごとに必要なメンバーを入れ替えて作られた初めてのアルバム『Katy Lied』は、英米のアルバム・チャートで共にヒットして最高13位まで上昇。アメリカでは前作に続いてセールスも100万枚に達している。

1stシングルの『Black Friday』は全米チャートで最高37位をマーク、2ndシングルには2曲目の『Bad Sneakers』が選ばれた。

アルバムは全10曲で35分ちょっと。ジャズ的な要素が入った曲もあるが、各曲は3分台にコンパクトにまとめられ、とても聴きやすいアルバムになっている。しかし、歌詞の内容は『Black Friday』を筆頭に難解な曲も多い。曲は聴きやすくても、その曲の持つ意味は分かり難い…。こんな点でも『Katy Lied』は Steely Dan らしいアルバムになっている。

Katy-Lied.jpgKaty Lied Katy Lied - Steely Dan
【SIDE A】
Black Friday
Bad Sneakers
Rose Darling
Daddy Don't Live In That
        New York City No More
Doctor Wu
【SIDE B】
Everyone's Gone To The Movies
Your Gold Teeth II
Chain Lightning
Any World (That I'm Welcome To)
Throw Back The Little Ones
タグ:Steely Dan 1975


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