Queen／『Deep Cuts 2』

2011年の40周年イベントで企画されたコンピレーション・アルバムの『Deep Cuts 2』もまた、WOW HD 経由で今回手頃な価格で手に入れたアルバムのひとつで、初めて1枚の CD として全14曲を通して聴いてみた。

通算7枚目のスタジオ・アルバム『Jazz』と同じ『Mustapha』から始まる『Deep Cuts 2』の最初の感想は、1977年リリースのスタジオ・アルバム『News Of The World』のダイジェスト…? だった。

『Deep Cuts 2』に含まれる『News Of The World』からの曲は『Sheer Heart Attack』から『It's Late』までの4曲だけだが、序盤になぜこの4曲をまとめて並べたのか? もっとバラバラに配してもよかったのでは?? とも思えた。

また、この『Deep Cuts 2』に含まれた曲は、1977年から1982年の5枚のスタジオ・アルバムで LP 時代に各サイドのトップを飾った曲が多いということで、この点も気になった。

『Jazz』からはそれぞれのサイドの1曲目『Mustapha』と『Dead On Time』が、『The Game』からはB面のトップ『Rock It (Prime Jive)』が、『Hot Space』からも『Jazz』と同じくそれぞれの1曲目『Staying Power』と『Put Out The Fire』が選ばれ、『Deep Cuts 2』にある全14曲中5曲が、それぞれのスタジオ・アルバムで特徴とも言えるような印象の強い曲が選ばれていた。

そして、このコンピレーション・アルバムの制作に関わっている Brian May と Roger Taylor のふたりが作った曲が多い (多過ぎ…?) のも、この『Deep Cuts 2』の特徴だった。

前作『Deep Cuts』はメンバー全員のクレジットされた『Stone Cold Crazy』を除けば、Freddie Mercury 作が7曲、Brian 作が4曲、Roger 作が2曲と、初期のメンバーの曲作りの貢献度に比例したかたちで曲が選ばれていた。(残念ながら John Deacon の曲は1曲もなし…)

ところが『Deep Cuts 2』では Freddie 作が3曲だけ、それも2曲が『Jazz』から。代わって大きく増えたのが Brian でアルバムの半分にあたる7曲、Roger の曲は3曲と1曲増え、John の曲も『Spread Your Wings』のわずか1曲だけだが選ばれた。

この1970年台終盤から1980年台序盤の活動中期は、曲に対するメンバーのクレジットで揉めた時期だったと言われているが、それを考えて、この『Deep Cuts 2』の収録曲を眺めると、この時期以降に作られた曲でふたり以上のメンバーが併記された曲や Queen としての曲になっていったことは至極当然のことだったのかもしれない。

そんなことを考えながら聴いた『Deep Cuts 2』だが、この頃はリアルタイムに Queen のスタジオ・アルバムを聴いていた時期なので、数多くのベスト盤に収録されなかった曲でも強く印象に残っている曲が多く、ここにある14曲はベストではないが、耳に馴染んだいい曲がとても多い。

Freddie や John の曲が少ないので、この『Deep Cuts 2』の対象になった5枚のスタジオ・アルバムから Freddie や John の曲に比重を置いた『Deep Cuts 2, ver2』なんてコンピレーション・アルバムを同じ14曲構成で収録時間も50分前後で選んでみるのも面白いかなと、思ったりもしたアルバムだった。

Deep Cuts 2
Mustapha
Sheer Heart Attack
Spread Your Wings
Sleeping On The Sidewalk
It's Late
Rock It (Prime Jive)
Dead On Time
Sail Away Sweet Sister
Dragon Attack
Action This Day
Put Out The Fire
Staying Power
Jealousy
Battle Theme

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