Joss Stone／『Introducing... Joss Stone』

1987年4月11日生まれ。イングランドのドーバー出身の Joss Stone が20歳の誕生日直前にリリースした通算3枚目のアルバムが、この『Introducing... Joss Stone』だった。

アルバムの表記では Intro に相当する『Change』から、Outro をタイトルに含む『Music (Outro)』まで14曲となっていたが、『Music (Outro)』は終了後のブランクを経た3分過ぎ辺りから Vinnie Jones と Joss の約30秒ほどのアカペラが隠しトラックとして収められていた。

Vinnie Jones はイングランド、プレミア・リーグで活躍したサッカー選手で、このアルバムでは1曲目の『Change』でも Vinnie Jones のスピーチがフューチャーされている。

この『Introducing... Joss Stone』も、WOW HD で DVD 付きの Deluxe Edition が650円で並んでいるのを見つけ、即注文したアルバムで、それまでに2枚のアルバムをリリースしていたにも関わらず、改めて「Introducing...」と自らを紹介するようなタイトルがあり、以前から聴きたかったアルバムだった。

巷の『Introducing... Joss Stone』の評判は前2作と比べ、あまり芳しくないものもあるようだが、Joss のアルバムを通して聴いたのは、これが最初だったこともあり、過去のスタイルを気にすることなく、Joss のボーカリストとしての面白さが楽しめるアルバムだった。

前2作は地元全英チャートでそれぞれ最高4位と1位をマークしていたが、この『Introducing... Joss Stone』は全英チャートで最高12位と Top10 入りできなかった。しかし、全米チャートでは前2作がそれぞれ最高39位と11位だったのに対し、いきなり2位に初登場したアルバムでもあった。

Joss 自身もこのアルバムには本当の自分があるとコメントし、このアルバムで Joss の魅力を十分引き出しているのが、プロデューサーにも名前がある Raphael Saadiq の存在だろう。

この Raphael Saadiq は1980年代終盤には Tony! Toni! Toné! のメンバーとして活動し、最近では『Stone Rollin' 』というアルバムも発表する一方で、ソウル系のアーティストとのコラボーレーションも積極的に行なっている。

Saadiq はやりたかったことを本当に理解していたと、後に Joss が振り返るように、このふたりはバハマにある Compass Point Studios でレコーディングに2か月を費やし、その後はニューヨークに移ってアルバムのミキシングなどを行なったという。

その Saadiq はこのアルバムで、1stシングルになった『Tell Me 'bout It』を含め、6曲で Joss と共にライターに名前があった。

Joss 自らの言葉があり、アーティストとしての Joss があるから『Introducing... Joss Stone』というタイトルにしたと、Joss が説明するように、このアルバムには当時のヒップホップのスタイルがある反面で、1970年代のソウルなスタイルもありと、作られた頃にまだ10代だったと思えないほど成熟したボーカリストとしての Joss の魅力があった。

これ以前のアルバムを気に入った方には不評だったかもしれないが、この『Introducing... Joss Stone』から Joss の曲を聴いてみると不満な点より、Joss のボーカリストとしての楽しみが大いに詰まっていて、俄然、これ以降の Joss のアルバムも聴きたくなるアルバムだった。

Introducing... Joss Stone
Change (Vinnie Jones Intro)
Girl They Won't Believe It
Headturner
Tell Me 'Bout It
Tell Me What We're Gonna Do Now
Put Your Hands On Me
Music
Arms Of My Baby
Bad Habit
Proper Nice
Bruised But Not Broken
Baby, Baby, Baby
What Were We Thinking
Music (Outro)

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