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Manic Street Preachers/『Everything Must Go』 [CD]

Everything-Must-Go.jpg前作『The Holy Bible』から、この『Everything Must Go』のリリースまでの間、Manic Street Preachers は Richey James が失踪するという思いもかけない事態に遭い、当然のことながらバンド活動は一時休止に追い込まれた。

そして、Richey の失踪から一年余りが経った1996年5月に、この『Everything Must Go』というタイトルの通算4枚目のスタジオ・アルバムがリリースされた。街中のセールなどで「在庫一掃」の意味でも使われる『Everything Must Go』には Richey が手掛けた詩が1曲目の『Elvis Impersonator: Blackpool Pier』を始め5曲で使われ、リリース当時は Richey が関わっている曲はこれで全てだと紹介する記事もあった。

『The Holy Bible』と『Everything Must Go』で Manic Street Preachers のスタイルは大きく変化した。前作が Manics 4人のメンバーという最小編成でレコーディングされたのに対し、後者は残された3人のメンバーに加えてハープやバイオリンなどのストリングスも大々的に取り入れ、よりメロディアスな曲が多くなった。

2002年リリースされた初のベスト盤『Forever Delayed』にも『The Holy Bible』からは『Faster』の1曲しか選ばれなかったが『Everything Must Go』からは『A Design For Life』『Australia』『Kevin Carter』『Everything Must Go』のシングル・カットされた4曲が選ばれた。

全英シングル・チャートでこれら4曲は全て Top10 入りを記録し、『A Design For Life』はその中でも2位まで上昇。セールス面でも『Everything Must Go』は英国圏で60万枚以上を売上げ、ダブル・プラティナ・アルバムに認定。全英アルバム・チャートでも、それまでのアルバムで最高の2位を記録した。

『Everything Must Go』は1997年の Brit Awards で Best British Album にも選出され、全英アルバム・チャートではリリースから1年以上経っても Top5 に留まり、Top75 圏内に80週間もランクインを続けた。

Richey を除く3人のメンバーが写るジャケットと意味深なアルバム・タイトルから、「これが Manics の最後のアルバム…?」とも思われた『Everything Must Go』が、これ程売れて、チャートでも上位にランクされ続けるとは全く予想できなかった。

しかし、アルバムからシングル・カットされた曲はライブでも映える曲になり、最新ベスト『National Treasures』収録曲を二晩かけてプレイする来日公演でも『A Design For Life』は2日目の夜の最後の曲としてプレイされたようだ。

その『A Design For Life』でボーカルの James Dean Bradfield はステージ上で、かつて Richey が立っていた場所に移動して、この曲を歌ったとも報じられている。

『A Design For Life』は Richey がクレジットされた曲ではなく、3人になってしまった Manics で作られた曲だが、今でも Richey はステージのここにいる! と感じるシーンだったことだろう。

『Everything Must Go』はリリースから10年後の2006年に『The Holy Bible』と同じく10周年記念盤がリリースされた。CD 2枚と DVD を含めた3枚組には未発表のライブ・テイクやデモ音源などが詰め込まれ、1枚目の CD には新たにリマスターされた『Everything Must Go』と7曲の未発表ライブが、2枚目の CD には全部で23曲ものデモやアルバム未収録曲が約1時間20分弱にわたり収録されていた。

DVD には『Everything Must Go』製作時のドキュメンタリーや、BBC の『Later... With Jools Holland』に出演したときの映像や、Reading や Brit Awards でのライブ、シングルになった曲の PV が詰め込まれていた。

3人のメンバーがどのようにして『Everything Must Go』を作ったか、その過程が明らかになるドキュメンタリーは詳細な日本語字幕付きで見たかったが、残念ながらこの10周年記念盤は日本でリリースされなかった。

Richey の失踪を前後してリリースされ、セールス面で対照的な結果を残した2枚のアルバムだけが、共にリリースから10年後に拡大版としてリイシューされた。やはり、この2枚のアルバムは Manics の歴史の中でも特に重要な意味を持つアルバムなのだろう。

Everything-Must-Go.jpgEverything Must Go Everything Must Go (10th Anniversary Edition) - Manic Street Preachers
Elvis Impersonator: Blackpool Pier
A Design For Life
Kevin Carter
Enola/Alone
Everything Must Go
Small Black Flowers That Grow In The Sky
The Girl Who Wanted To Be God
Removables
Australia
Interiors (Song For Willem De Kooning)
Further Away
No Surface All Feeling


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