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Paul McCartney/『Flowers In The Dirt』 [CD]

Flowers-In-The-Dirt.jpg曲作りのパートナーに Elvis Costello を迎えて1989年の夏にリリースされた Paul McCartney の1980年代最後のスタジオ・アルバム『Flowers In The Dirt』。1980年代の Paul は『Tug Of War』が英米のアルバム・チャートで No.1 を記録して以降、低迷続きだったが、『Flowers In The Dirt』はそれを打ち破る久々の会心作だった。

『Flowers In The Dirt』は全米アルバム・チャートで最高21位とまずまずの結果だったが、全英アルバム・チャートでは『Give My Regards To Broad Street』以来の No.1 を記録。英米での好調なセールスに加え、それ以外の諸外国でもゴールド・ディスクを獲得し、Paul はこのアルバムをひっさげ1970年代中盤以来となる久々のワールド・ツアーを敢行。19990年の年明けには初めての来日公演も実現した。

妻の Linda が手掛けたジャケットも綺麗で好きなアルバムの『Flowers In The Dirt』は大ヒットを記録したシングルこそなかったが、小粒で Paul らしいと感じる曲がたくさんあった。

その自信の現れからか。ワールド・ツアーを収めた2枚組のライブ盤『Tripping The Live Fantastic』にも『Flowers In The Dirt』からの曲が多く選ばれ、来日公演でも過去の曲に混じって新作からの曲が多くプレイされた。

Costello の Declan MacManus 名義での共作曲はアルバム冒頭の『My Brave Face』を初め『You Want Her Too』『Don't Be Careless Love』『That Day Is Done』の4曲が収められ、この時期に作られたふたりの共作曲は Costello の Warner Bros. 移籍後初めてのスタジオ・アルバム『Spike』にも収録された。

『My Brave Face』では Costello の影響がモロに感じられ、『You Want Her Too』では Paul と Costello のデュエットを披露。『That Day Is Done』でのボーカルはそのまま Costello が歌っても不思議に感じない曲だった。

『Flowers In The Dirt』のレコーディングに参加したメンバーは、そのままワールド・ツアーにも同行した。Wings を解散以降、メンバーを固定せずにアルバムを作り続けてきた Paul にとって、ようやくライブも一緒にプレイできるメンバーが揃ったことも、このアルバムの完成度の高さに一役買っていた。

その中でもキーボードを弾く Paul "Wix" Wickens はこれ以降の Paul のアルバム作りやライブ活動に欠かせない人物になった。この二人目の Paul、通称 Wix を発掘したことも『Flowers In The Dirt』というアルバムの大きな成果だろう。

CD と同時リリースされた LP では6分を超す『Motor Of Love』が最後の曲で、この曲は1970年代の Wings 時代のアルバムを感じさせる曲だった。Linda を含めた多重コーラスがとても綺麗なバラードだ。

CD 版『Flowers In The Dirt』はこの後にもう1曲『Ou Est Le Soleil』が続くが、『Motor Of Love』の余韻を持って終わるのが『Flowers In The Dirt』というアルバムの一番綺麗な終わり方だろう。

『Flowers In The Dirt』は LP 大の特殊パッケージでの限定盤や、9曲をもう一枚の CD に収録した2枚組限定盤もリリースされ、後者は1990年の来日公演に合わせてリリースされた。2枚組限定盤には『Ou Est Le Soleil』の7インチ版向け別ミックスや、The Beatles 時代の『The Long and Winding Road』、『P.S. Love Me Do』という The Beatles 時代の2曲を今で言うところのマッシュアップしたような曲も収められた。

そうそう、『Flowers In The Dirt』には ZTT レーベルの Trevor Horn も参加し、『Ou Est Le Soleil』のプロデュースに Horn の名前があった。Horn は『Ou Est Le Soleil』の他に『Rough Ride』や『How Many People』、シングル・カットされた『Figure Of Eight』でも Paul らと共にプロデュースを務めていた。

1993年にリリースされた The Paul McCartney Collection としての『Flowers In The Dirt』には Phil Ramone がプロデュースした『Back On My Feet』があり、この曲は2枚組限定盤にない曲だった。こういうバラバラなかたちでリリースされたアルバム未収録曲は将来的に Paul の今行なっているリイシュー・プロジェクト Archive Collection でまとめて収録されることを期待したい。

Flowers In The Dirt Flowers In the Dirt - ポール・マッカートニー
Flowers-In-The-Dirt.jpgMy Brave Face
Rough Ride
You Want Her Too
Distractions
We Got Married
Put It There
Figure Of Eight
This One
Don't Be Careless Love
That Day Is Done
How Many People
Motor Of Love
Ou Est Le Soleil


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