Simon & Garfunkel／『Bookends』

この Simon & Garfunkel が1968年4月にリリースした通算4枚目のスタジオ・アルバム『Bookends』も、約40年以上が経った今、聴いても色褪せない素晴らしいアルバムだと思う。

当然 LP というアナログ盤でオリジナルはリリースされ、A面には『Bookends Theme』という2曲の間に5曲を収録。これらの曲では人生の幼少期から老人の頃を歌うミニ・コンセプト・アルバムの形式がとられていた。

サイドが変わったB面は、それまでにリリースしてきたシングルも集めたヒット曲集となっていて、1枚で2度楽しめる構成になっていた。

A面の『Overs』、B面の『Punky's Dilemma』『A Hazy Shade Of Winter』は1967年暮れに公開された映画『The Graduate (邦題:卒業)』のために Paul Simon が書いた曲もであるらしい。

『Bookends』はわずか30秒ちょっとのテーマ曲『Bookends Theme』で始まり、アコースティックな響きがいかにも Simon & Garfunkel らしいと思わせるが、次の『Save The Life Of My Child』のイントロでいきなりシンセサイザーの音が鳴り響き、ふたりらしくないサウンドにはちょっと驚かされもする。

『Save The Life Of My Child』は Simon & Garfunkel にしてはハードな雰囲気の曲だが、続く『America』では再びアコースティックな曲調に。Art Garfunkel が養老院 (?) で録音した『Voices Of Old People』を挟み、アルバム・タイトルの意味を歌詞の中に取り入れている『Old Friends』と、A面の曲は子供の頃から、悩む青年期、そして人生の終わりに近づいて思うことが、Paul Simon の歌詞で綴られている。

一転してB面は1966年11月にリリースされ、アルバム未収録だった『A Hazy Shade Of Winter』。1967年3月にリリースされた Paul Simon のニューヨークへの思いを込めた曲のひとつである『At The Zoo』。同じ年の8月にリリースされた『Fakin' It』。そして映画『The Graduate』で一部が使われ、アルバム『Bookends』リリースとほぼ同時期にリリースされたシングル『Mrs. Robinson』と、『Punky's Dilemma』以外は全てシングル曲が詰まっていた。

『Mrs. Robinson』は米1位/英4位をマークし、アメリカではゴールド・ディスクに。『A Hazy Shade Of Winter』は米13位、『At The Zoo』は米16位、『Fakin' It』は米23位を、それぞれ記録。『Mrs. Robinson』は1969年の Grammy 賞で Record of the Year にも選ばれた。

アルバムとして『Bookends』は初めて英米双方のアルバム・チャートで No.1 になり、アメリカではダブル・プラティナ・ディスクに認定。A面にある『America』『Old Friends』は後にリリースされた多くのベスト盤やライブ盤にも収録され、B面のシングル・ヒットした曲も加えるとアルバム『Bookends』は Simon & Garfunkel を代表する曲が本当に多く詰まったアルバムだった。

2001年に CD でリイシューされた『Bookends』にはシングル『Fakin' It』のB面曲『You Don't Know Where Your Interest Lies』と、『Old Friends』のデモがボーナス・トラックとして追加されていた。

Bookends
Bookends Theme
Save The Life Of My Child
America
Overs
Voices Of Old People
Old Friends
Bookends Theme
Fakin' It
Punky's Dilemma
Mrs. Robinson (from the motion picture "The Graduate")
A Hazy Shade Of Winter
At The Zoo
【2001 Bonus Tracks】
You Don't Know Where Your Interest Lies
Old Friends (demo)

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