Gwen Stefani／『The Sweet Escape』

9月末に待望の新作『Push And Shove』をリリースする No Doubt の紅一点、Gwen Stefani が2006年の年末にリリースした2枚目のソロ・アルバムが、この『The Sweet Escape』だった。

2004年にリリースした初のソロ・アルバム『Love. Angel. Music. Baby.』がアメリカだけで300万枚のセールスを達成し、全米チャートで最高5位をマーク。シングルも『Hollaback Girl』がソロ活動で初の全米 No.1 になり、このデビュー盤で歌われた「原宿」は、海外メディアからそれまで以上に注目を浴びた。

このデビュー盤の後、Gwen は No Doubt として新作を作るつもりだったが、予想外のヒットを受け、デビュー盤に続く路線のアルバムを念頭に、2005年の夏、数曲のレコーディングを行った。

それらが、この『The Sweet Escape』からのリード・シングルになった『Wind It Up』や、『Orange County Girl』『U Started It』などで、『Candyland』という曲は一時、この2ndソロ・アルバム用の仮タイトルにも使われたという。

その後、Gwen の妊娠でレコーディングは一時中断したが、2006年の夏に再開。この年の暮れにリリースされた『The Sweet Escape』は、全米アルバム・チャートで3位に初登場。売上げは前作に及ばなかったが、それでもアメリカで100万枚以上を売り上げてプラティナ・ディスクを獲得した。

プロデューサーは前作に続き The Neptunes や Nellee Hooper を起用。No Doubt のメンバーで、かつての恋人 Tony Kanal も前作に引続き参加し、『4 In The Morning』では Gwen と共作。この曲を含め3曲のプロデュースも担当した。

この2ndアルバムでは比較的スローなテンポの『Early Winter』と『Wonderful Life』が好きな曲で、この2曲のプロデュースはともに Nellee Hooper が務め、後者の作詞では 4 Non Blondes のボーカルで、Pink や Susanna Hoffs、Christina Aguilera に曲を書いた Linda Perry が Gwen と共にクレジットされていた。

『The Sweet Escape』は (結果的に) シングル曲を揃えた前半6曲が、後半6曲より好きだが、後半にある Tony Kanal のプロデューした2曲は No Doubt としても聴きたかった曲で、最後の曲『Wonderful Life』と共に、この Tony が関わった曲も『The Sweet Escape』で好きな曲だった。

後半のこの3曲以外は The Neptunes がプロデュースした曲だったが、『The Sweet Escape』と同じ2006年にリリースされ、アメリカでダブル・プラティナ・ディスクを獲得した Nelly Furtado の『Loose』にある曲と似た雰囲気で、後発だった Gwen の曲には少し分が悪かったように感じてしまった。

この『The Sweet Escape』からも既に5年半以上が経過。久々に No Doubt として Gwen のボーカルが聴ける新作『Push And Shove』は、今からその内容が本当に楽しみだ。

The Sweet Escape
Wind It Up
The Sweet Escape
Orange County Girl
Early Winter
Now That You Got It
4 In The Morning
Yummy
Fluorescent
Breakin' Up
Don't Get It Twisted
U Started It
Wonderful Life

タグ：2006 Gwen Stefani