Green Day／『Kerplunk!』

Green Day のボックス『The Studio Albums 1990-2009』に収録されているインディ時代 Lookout! Records からの2枚目にしてインディ・レーベル最後のアルバムが、この『Kerplunk!』になる。

この『Kerplunk!』もまた、先日紹介した『1,039/Smoothed Out Slappy Hours』と同様、全く事前の情報をなく手にしたので、「インディ時代のアルバムにしては、全部で16曲も入った大作」だと、思っていた。

ところが、よくよく調べてみると、1992年にリリースされた LP 版『Kerplunk!』は『Words I Might Have Ate』までの12曲しかなく、時間にして35分にも満たない短いアルバムだったが、1992年当時はテープ・メディアでもまだアルバムがリリースされ、CD とカセットテープ版の『Kerplunk!』には1990年8月にリリースされた3枚目の EP 盤『Sweet Children』にあった4曲を追加した16曲入りでリリースされ、時間も少しだけ増え、42分ちょっとの長さだった。

この『Kerplunk!』から学業に専念するため John Kiffmeyer が抜け、後任のドラマーに本名 Frank Edwin Wright III こと、Tré Cool が入り、現在のラインアップが確立した。

CD 版に追加収録された『Sweet Children』にある4曲は1990年7月5日に収録され、このときのドラムは、まだ John Kiffmeyer が叩いていたが、結果としてこれが John の参加した最後のレコーディングになった。

新たに参加した Tré は『Kerplunk!』の6曲目『Dominated Love Slave』で作詞も担当し、ここではいつものボーカル Billie Joe Armstrong に代わり、ボーカルも披露している。ライブでこの曲がプレイされるときは Tré に代わって Billie Joe がドラムを叩くようだ。

1992年の年明け早々にリリースされた『Kerplunk!』はインディ・レーベルとして異例のセールスを上げ、これがメジャー・レーベルの目に止まり、Warner Bros. Records 系のレーベル Reprise Records との契約に至った。

全米アルバム・チャートでの記録がない『Kerplunk!』だが、リリースから3年後の1995年夏にはゴールド・ディスク (50万枚) に認定され、さらに約10年後の2003年夏にはプラティナ・ディスク (100万枚) にも認定された。

『Sweet Children』にある4曲も続けて聴けてしまう CD 版『Kerplunk!』だが、ドラムの音も含めて『Sweet Children』にある4曲と『Kerplunk!』の12曲には大きな違いがある。『Sweet Children』の最後には The Who のカバー『My Generation』もあり、これも貴重な音源だが、この EP 盤にある4曲は『Kerplunk!』にある12曲の音に慣れてしまうと別のバンドのようにも聴こえる。

こういうかたちで取り上げられないと EP 盤としてリリースされた曲はなかなか聴けない存在だが、『Kerplunk!』として楽しむときは12曲目の『Words I Might Have Ate』で一区切りをつけたほうが、両者にある違いも含めて良さそうに思う。

Kerplunk!
2000 Light Years Away
One For The Razorbacks
Welcome To Paradise
Christie Road
Private Ale
Dominated Love Slave
One Of My Lies
80
Android
No One Knows
Who Wrote Holden Caulfield?
Words I Might Have Ate
【CD Bonus Tracks from『Sweet Children EP』】
Sweet Children
Best Thing In Town
Strangeland
My Generation

タグ：1992 Green Day