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No Doubt/『Push And Shove』 [CD]

PushAndShove.jpg7月にリード・シングル『Settle Down』がリリースされて以来、と言うより、前作『Rock Steady』以来、待ちに待った No Doubt の新作『Push And Shove』。タイトルは日本語に訳せば「押し合い、へし合い」になるそうだ。

2ndシングルには2曲目の『Looking Hot』が既に決まっているようで、この曲の中盤辺りでは、従来の No Doubt らしい一面もチラッとあって、『Settle Down』よりポップな曲だった。

ジャケットは The Beatles の『Let It Be』を思わせるが、そこは No Doubt らしく、スカの特徴であるモノトーンにまとめ、久しぶりにメンバー4人がまとまってのアルバムと期待度が「大」だった。

と思い、冒頭2曲を聴いたが、かつて、スカのリズムやレゲエな曲のあった頃に比べると、新作ではポップな曲が多く、タイトル曲の『Push And Shove』で、やっと No Doubt らしさを感じるが、それも序盤とフューチャーされた Busy Signal と Major Lazer が出てくる辺りだけで、パンクらしさも、すっかり影を潜めてしまった。

リリース前のネットに上がった記事では「Gwen Stefani 率いる…」と紹介され、4人揃った No Doubt は Gwen がメインのソロ活動とは違うだろう! と思い、その書き方に違和感を持っていたが、何曲も聴き進むにつれ、「これは Gwen のソロ・アルバム…?」という印象を持ってしまった。

11曲のほとんどを Gwen と、ベースの Tony Kanal、ギターの Tom Dumont の3人で作っているが、タイトル曲以降の『Easy』から続く中盤は Gwen のボーカルやイメージしか思い浮かばない。

『Gravity』のイントロは一瞬、前作『Rock Steady』にあった『Hey Baby』とソックリで少し期待をしたが、それもその一瞬だけ。『Gravity』そのものはポップで、シングルになればそこそこヒットするかもしれないが、4人揃っての No Doubt らしい曲には思えなかった。

『Rock Steady』からの11年で Gwen は2枚のソロ・アルバムをリリースし、それがどんな影響を No Doubt に反映するかと思っていたが、ここまでポップになってしまうとは…というのが、この新作を聴いて思ったことだった。

No Doubt の曲といえば、あまり作り込まず、曲によっては妙にスカスカな感じもあって、パンクな荒削り感もあったが、11年ぶりの新作『Push And Shove』にある曲はトゲが少なくなり、ずいぶん丸くなったように感じられた。

ジャケットに4人のメンバーは平等に写っているが、「Gwen 率いる…」という紹介記事が、あながち間違いにも思えず、まさかと思うが『Let It Be』と同じく、これが No Doubt としてのラスト…? にも思ってしまった。

『Let It Be』もオーバー・プロデュースに感じるアルバムだったが、『Push And Shove』も No Doubt のこれまでのアルバムに比べると、作り込み過ぎでスキがなくなってしまった。これを最後にしてほしくはないが、そんなことも、つい考えてしまう11年ぶりのアルバムだった。

PushAndShove.jpgPush And Shove Push and Shove - ノー・ダウト
Settle Down
Looking Hot
One More Summer
Push And Shove
Easy
Gravity
Undercover
Undone
Sparkle
Heaven
Dreaming The Same Dream
タグ:No Doubt 2012


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