Daryl Hall & John Oates／『12 Inch Collection』

Hall & Oates のスタジオ・アルバムは LP 時代に『Private Eyes』から始まって、1990年の『Change Of Season』まで、リリースされる毎に必ず聴いていた。『Private Eyes』以前のスタジオ・アルバムも、実家に数枚 LP があったはず。

だが、CD として持っているスタジオ・アルバムは『Change Of Season』と、その次のアルバム、1997年リリースの『Marigold Sky』の2枚だけで、他はベスト盤の2枚と、今回紹介するその名もズバリの『12 Inch Collection』だけだった。

Hall & Oates もいつかは初期のスタジオ・アルバムから一枚ずつ聴きたいと思い、今までに何度か、その機会があったが、それを活かせずに今に至っている。Rhino や edsel のようなレーベルから2枚の CD をセットにした 2in1 シリーズでもリリースされれば飛びつくこと間違いなしなのだが…。

この『12 Inch Collection』は2003年に日本のみでリリースされたコンピレーション・アルバムで、1980年リリースのアルバム『Voices』以降にシングル・カットされた曲のいわゆるリミックス・バージョンが11曲収められている。ちなみに収録時間は約68分。あと2曲くらい詰め込められたのでは…と、思っていたら、2003年暮れには、この第2弾がリリースされていた。

Hall & Oates のシングルは12インチ・シングルに Arthur Baker らによる別リミックスがあって、それが当時は楽しみだった。何枚かの12インチ・シングルは輸入盤屋で見かけるたび手に入れていたので、この『12 Inch Collection』がリリースされたときは、懐かしい思いもあってかなりの頻度でこのアルバムを繰返し聴いていた。

『12 Inch Collection』にあるリミックスで一番短い曲は『Private Eyes』の3分9秒で、他の10曲は『Everytime You Go Away』が5分8秒で最も短く、最長は『Everything Your Heart Desires』が9分14秒にもなる。だが、その長さをあまり感じずに聴けてしまうのが、この頃の Hall & Oates のリミックスだった。

ここにある Hall & Oates のリミックスは原曲の持つイメージがあまり損なわれてないので、オリジナルのメロディをしっかり残しつつ、リミックスにありがちな過剰な演出が少ない点が、個人的な好みにもピタリと合っていた。

今回久しぶりに聴いてみた『12 Inch Collection』だが、このアルバムはスピーカーで聴くべき。小さな耳に挿入するインナーイヤーのヘッドフォンで、この迫力は味わえないだろう。もし、ヘッドフォンで聴く場合でも、しっかり低音の出る大口径の密閉型ヘッドフォンでないと、このリミックスの醍醐味は味わえないだろう。

スローな『Everything Your Heart Desires』や『Everytime You Go Away』より、『Out Of Touch 』や『Dance On Your Knees』で、その傾向は最も表れている。

『12 Inch Collection』を聴いて、やっぱり Hall & Oates のオリジナルのスタジオ・アルバムを最初から聴きたくなった。紙ジャケットなどに全く拘らない。オリジナル・アルバムは CD 1枚に十分収まるはずなので、空いたスペースにこれらの別ミックスをできるだけ多く収録して、どこかのレーベルからリイシューをしてくれないだろうか…?

12 Inch Collection
Out Of Touch (Extended Version)
Say It Isn't So (Special Extended Dance Mix)
Possession Obsession (Special Mix)
Family Man (Extended Dance Mix)
Private Eyes (UK Mix)
Dance On Your Knees (Extended Version)
One On One (Club Mix)
Everything Your Heart Desires (54th Street Extended Remix)
Some Things Are Better Left Unsaid (Special New Mix)
Everytime You Go Away (Remix Version)
I Can't Go For That (No Can Do) (HOAX Remix)

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