Eagles／『Hell Freezes Over』

1979年のスタジオ・アルバム『The Long Run』以降、ライブ盤の『Eagles Live』を1980年にリリースし、実質、Eagles としての活動は幕を閉じ、各メンバーはソロ活動に入っていった。

その Eagles が『The Long Run』のときのメンバー5人で再び集まり、『Eagles Live』から14年ぶりのアルバムを作った。それが、新曲4曲と11曲のライブ音源で構成された『Hell Freezes Over』だった。

ちなみに、このジャケットは CD ケースを覆っていたスリップケースにあったデザインで、そのスリップケースをとった CD のブックレット表のデザインは、あまり好きではなく、今回はこのスリップケースのデザインを取り上げた。

『Hell Freezes Over』にある新曲は Don Henley と Glenn Frey の共作である『Get Over It』でスタート。Eagles らしくない (?) アップテンポなこの1曲目で、まず驚かされた。

続いての新曲3曲は Timothy B. Schmit、Glenn Frey、Don Henley の3人によるソロ時代の曲のようにも聴こえたが、それが Eagles 名義となると、Joe Walsh と Don Felder を加えた5人による Eagles の曲なんだと不思議に聴こえてしまう。

『Get Over It』はアルバムからの1stシングルに選ばれ、全米チャートでは最高31位をマーク。2ndシングルには『Love Will Keep Us Alive』がカットされ、こちらは全米のアダルト・コンテンポラリー・チャートで見事 No.1 を記録した。

14年ぶりのアルバム、それも新曲とライブ音源を混じえた変則的なアルバムにも関わらず、『Hell Freezes Over』は全米アルバム・チャートで3週連続で No.1 を記録。売上げ面では『The Long Run』と『Eagles Live』がアメリカで記録した、それぞれ700万枚という数字を超える800万枚をマークした。

ライブ収録の11曲は MTV の特別番組のために行われたステージからで、この模様はビデオとしてもリリースされ、映像版では CD で聴けない3曲も収録されていた。

このライブ部分の冒頭、 Glenn は「For the record, we never broke up. We just took a 14-year vacation.」と、場内にいるファンに向けてコメント。そして、ライブは Don と Glenn のふたりが書いた『Tequila Sunrise』で始まった。

続く2曲目はアコースティックなアレンジをされた『Hotel California』。ここまでの2曲はアコースティックなセットでプレイされ、続く『Wasted Time』から『The Last Resort』までの5曲はオーケストラをバックにしてのステージだった。

そして終盤の『Take It Easy』からの3曲は再結成した5人のバンドとしてプレイされ、3つの異なるセットでの11曲が『Hell Freezes Over』には収められていた。

『Hell Freezes Over』の最後にある『Desperado』はオーケストラとのステージで、本来プレイされた位置と異なる場所だったが、この『Desperado』もまた、Don と Glenn のふたりによる曲だった。

この変則的なライブ盤の最初と最後の曲をふたりの共作した曲にすることで、この再結成アルバムの意味があるようにも思え、そして映像がない CD では『Desperado』で終わるのが、とてもピタリとはまっていた。

Hell Freezes Over
Get Over It
Love Will Keep Us Alive
The Girl From Yesterday
Learn To Be Still
Tequila Sunrise
Hotel California
Wasted Time
Pretty Maids All In A Row
I Can't Tell You Why
New York Minute
The Last Resort
Take It Easy
In The City
Life In The Fast Lane
Desperado

タグ：ライブ盤 1994 Eagles