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Elvis Costello/『Momofuku』 [CD]

momofuku.jpg2008年の春、突然リリースされた Elvis Costello と The Imposters 名義のスタジオ・アルバム『Momofuku』は、当初、アナログ盤のみリリースされ、そこには mp3 音源がダウンロードできるようになっていた。

「これでは新作は聴けないなぁ…」と、思っていたところ、LP でのリリースからそれほど間を置かずに CD でもリリースされると発表され、デジパック仕様の『Momofuku』を難なく手に入れることができた。

タイトルにある Momofuku とはカップヌードルの生みの親である安藤百福のことと言われ、また、ニューヨークにある同名レストランにちなんだモノとも言われたりした。しかし、今も本当の意味はよくわからない。(アルバムには、それらのことに関わる曲も見当たらない)

そして、2000年代にリリースされた Costello のスタジオ・アルバムにはコンセプトのようなモノがあったが、この『Momofuku』にコンセプトのようなモノは感じられなかった。(当然のことながら Momofuku に関係する曲で、まとめられてもいない)

急にリリースされたこともあり、ここにある12曲はレコーディングの初期段階と感じるような曲も多かった。The Imposters のメンバー、Steve Nieve の弾くキーボード類、とりわけオルガンの音色は時にチープな雰囲気で、思わずニヤッともさせられた。

『Momofuku』には Costello のアルバムに珍しく女性コーラスもあり、レコーディング・メンバーを見ると Jenny Lewis という名前が7曲にあった。

この Jenny Lewis はアメリカのロサンゼルスを拠点に活動していた Rilo Kiley のボーカルで、その Jenny Lewis の友人である Johnathan Rice もバック・コーラスに参加、数曲でギターも弾いていた。

また『Flutter & Wow』『My Three Sons』の2曲では Los Lobos の David Hidalgo がボーカルとギターで参加していた。

『Momofuku』にある曲は全て Costello の書いた曲だが、その中の2曲、『Song With Rose』は Johnny Cash の長女でカントリー系シンガーの Rosanne Cash と共作。『Pardon Me, Madam, My Name Is Eve』は1960年代から活躍し、4度の Grammy 受賞歴を持つ Loretta Lyn との共作と記されていた。

Steve Nieve と他のThe Imposters のふたり、Davey Faragher と Pete Thomas を軸にそれぞれの曲は作られているが、そこに Jenny Lewis の女性コーラスが入っているのが新鮮で、アメリカで有名な女性カントリー・シンガーと書いた2曲も、いかにも Costello らしい曲に仕上げられていた。

『Stella Hurt』や『Go Away』のようなデモ音源みたいな荒削りな曲もあり、振り幅の広い『Momofuku』。こうして聴くと、アルバム・タイトルは別に『Momofuku』でなくても良かったのでは…? とも思った。むしろ、内容と全く関係ないタイトルを付け、余計な先入観を与えたくなかったのが真意では…とも思ったが、果たして真相は…?

momofuku.jpgMomofuku Momofuku - Elvis Costello & The Imposters
No Hiding Place
American Gangster Time
Turpentine
Harry Worth
Drum & Bone
Flutter & Wow
Stella Hurt
Mr. Feathers
My Three Sons
Song With Rose
Pardon Me Madam, My Name Is Eve
Go Away


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コメント 2

ミネちゃん

日本盤CDの解説書にこんなことが書いてあります。
上記のような諸説が流れたが、本人によって安藤百福氏に捧げられたものだということが明らかにされている。
また、やる事と言ったら、お湯をかけることぐらいだったと、一気に完了した(わずか2週間)レコーディングにかけてコメントしている。
発売の前年1月7日に安藤氏が亡くなっている。
チキンラーメンの発売日と本人の誕生日の日付が一緒。

という訳で、一応チキンラーメンに関係はあるようですね。
by ミネちゃん (2012-11-06 23:03) 

MCMLXV_65

ミネちゃんさん、解説をありがとうございました!
本人コメントがあるんですね、そのわりには英語系音楽情報サイトや、Costello Wikiなどには、その説が記されていないんですよねぇ…。
と、いう理由から、私は未だに、なぜこのタイトル? という感じでした。Costelloだけに、もっとヒネタ理由があるような気がします。
by MCMLXV_65 (2012-11-07 12:01) 

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