Tom Tom Club／『Dark Sneak Love Action』

この Tom Tom Club が1992年の初夏にリリースした通算4枚目のスタジオ・アルバム『Dark Sneak Love Action』もまた、きのう紹介した Eric Clapton の『HOMEBOY』と同じく、PC に録り込んだ多くの CD をランダムに聴いていたときにプレイされた CD だ。

Tom Tom Club と言えば、バンド名を冠したデビュー盤の印象が一番で、それだけの一発屋というイメージも強い。

そのデビュー盤は2009年、2ndアルバム『Close To The Bone』との2枚組でリイシューもされたが、その時もよく聴いたのは『Wordy Rappinghood』や『Genius Of Love』などのオリジナル8曲が詰まったデビュー盤だった。

しかし、久しぶりに聴いた『Dark Sneak Love Action』は、そのデビュー盤のスタイルにも通じた、なかなか、いい印象のアルバムだった。

Tom Tom Club は Talking Heads のベーシスト Tina Weymouth と、ドラマーの Chris Frantz の夫婦を中心に作られたバンド。ふたりは1977年に結婚して、ふたりの息子がいる。

この『Dark Sneak Love Action』には、Tina の姉妹である Lani もボーカルで参加していた。

『Dark Sneak Love Action』にある曲のほとんどは Tina、Chris と他のメンバー Mark Roule と Bruce Martin の4人で作られていたが、3曲目の『You Sexy Thing』はイギリス出身のバンド Hot Chocolate が1975年にリリースしたシングルのカバー。Hot Chocolate のオリジナルは英米のチャートで、それぞれ最高2位と3位を記録している。

『Dark Sneak Love Action』はリリース当時、TOWER RECORDS などの店内試聴台にあり、ジャケットに Tom Tom Club と描かれていたことで興味がわき、何曲かをその場で試聴。あの独特の浮遊感ある曲があったので、手に入れたアルバムだった。

だが、その後は長いこと CD 棚の肥やしになり、ほとんど、その存在を忘れてしまったが、久しぶりに聴いた『Dark Sneak Love Action』にある Tina のボーカルは、こんなにクリアで目の前に広がるような感じだったか? と、改めて気がついた。

アルバム全体のスタイルは Tina の囁くようなボーカルに、いろいろな樂器の音が絡むが、総じて音数は多くない。だが、その微妙にスカスカとした雰囲気が、あのデビュー盤を思い起こさせ、スルメのようにジワジワと浸透してくる。

唯一のカバー『You Sexy Thing』も Tina のボーカルを中心に Tom Tom Club のスタイルになっていて、オリジナルを知らなくとも十分楽しめる曲だった。

『Dark Sneak Love Action』からは2曲目の『Sunshine And Ecstasy』がシングル・カットされ、アメリカのダンス・チャートでは最高9位を記録したようだが、アルバムとしては残念ながらランクインを果たせず、セールス面でも結果を残せなかったようだ。

2008年に Rhino からリイシューもされている『Dark Sneak Love Action』は、今、聴いてもなかなかいいアルバムと思う。機会があれば、Rhino 盤を一度お聴きすることを、ぜひお薦めしたいアルバムだ。

Dark Sneak Love Action
Love Wave
Sunshine And Ecstasy
You Sexy Thing
Who Wants An Ugly Girl?
Say I Am
Irresistible Party Dip
Dark Sneak Love Action
Innocent Sex Kiss
Dogs In The Trash
My Mama Told Me
As The Disco Ball Turns
Daddy Come Home

タグ：1992 Tom Tom Club