Lana Del Rey／『Paradise』

2011年の秋頃から、Lana Del Rey という女性アーティストが話題になり、2012年の年明け早々にはデビュー盤の『Born To Die』をリリース。このアルバム、個人的には「待望の!」1枚だったので、いち早く聴きたいこともあって、一番シンプルな12曲入りの、タイトル文字が青でプリントされたバージョンを手に入れた。

昨年リリースされたシングルの『Video Games』で気になったこともあって、その世界観を踏襲したデビュー盤は個人的にも、なかなかいいアルバムだった。しかし、巷の評判は様々で、アメリカでは出演したテレビ番組のパフォーマンスが酷評され、その後、来日も二度にわたってキャンセルされたりした。

Lana Del Rey に限らず、もともと音楽以外での活動は、あまり興味がない性分なので、その手のゴシップには「あぁ、そうなんだ…」という程度だった。

それよりも、いち早く手に入れたため、『Born To Die』の Deluxe Edition でしか聴けなかった3曲を含む、また別の新たなバージョンがリリースされないか…と、密かに期待をしていた。

そんな折、秋頃に新しい曲を含むアルバムがリリースされる! という情報が流れ、そこから新曲『Ride』がシングル・カットされた。その後、その話は『Born To Die』に続くアルバムではなく、『Ride』を含む EP 盤に新曲が幾つか含まれると変更。この情報を聞き、「ひょっとしたら『Born To Die』の拡大版がリリースされるかも…?」という期待もした。

蓋を開けてみると、『Ride』も含む EP 盤は『Paraidise』というタイトルで9曲入りでダウンロード配信されるとのこと。CD でもリリースされる『Paraidise』は8曲と1曲減ってしまうが、この『Paraidise』を2枚目の CD にした『Born To Die』の Paradise Edition もリリースされると発表された。

しかも、『Born To Die』の Deluxe Edition の2枚目に EP 盤『Paraidise』を付けるかたちで、これで手元にある『Born To Die』から漏れた3曲も聴けるとなり、あとは、どこのネット・ショップで購入するのが最も安いか?! という点だけだった。

結局、最近よく使う WOW HD の年末セールで、わずか1020円だったので、それを利用。そして、ようやく『Born To Die』の Deluxe Edition にあった『Without You』と『Lolita』『Lucky Ones』の3曲と、EP 盤『Paraidise』に収録された7曲の新曲を聴くことができた。

『Paraidise』に収録された曲のプロデュースには、デビュー盤でもその任を務めた Rick Nowels や Justin Parker に加え、『Ride』の1曲だけだが Rick Rubin がプロデュースをしていた。

『Paraidise』には1954年の The Clovers のカバー『Blue Velvet』もあり、この曲は H&M の CM でも使われ、まさに Lana Del Rey のスタイルにピタリとハマる曲に仕上がっていた。

また、『Cola』の歌詞でも一騒動を提供したようだが、それも Lana Del Rey のスタイルのひとつと思えば納得だった。

『Paraidise』のジャケットはデビュー盤のパロディのようで、この1年の喧騒を乗り越えた自信を感じるような表情にも見える。結局、2012年は Lana Del Rey で始まり、 Lana Del Rey で締める1年…というのは大袈裟な表現だが、個人的には Lana Del Rey はそれだけの期待を持ったアーティストだった。

Born To Die (The Paradise Edition)
【Born To Die】
Born To Die
Off To The Races
Blue Jeans
Video Games
Diet Mountain Dew
National Anthem
Dark Paradise
Radio
Carmen
Million Dollar Man
Summertime Sadness
This Is What Makes Us Girls
Without You
Lolita
Lucky Ones
【Paradise】
Ride
American
Cola
Body Electric
Blue Velvet
Gods And Monsters
Yayo
Bel Air

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