Mylène Farmer／『Monkey Me』：洋楽 ga 好き！

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Mylène Farmer／『Monkey Me』 [CD] [編集]

今年も暮れにリリースされた Mylène Farmer の新譜、通算9枚目のスタジオ・アルバム『Monkey Me』。昨年はベスト盤『2001.2011』で、新曲は残念ながら2曲だけとお預け状態だったが、今年は約1時間弱ながら、全12曲の新曲を届けてくれた。

そして、アルバムのプロデューサーには Laurent Boutonnat が復帰。スタジオ・アルバムとしては前作、2010年々末にリリースした『Bleu Noir』で RedOne や Moby を起用し、Boutonnat と違う路線に少し戸惑いを感じたが、やっぱり Mylène の曲には Boutonnat の参加は必須! と思わせるアルバムになっていた。

この『Monkey Me』も、いきなりリリース情報が流れ、いつものごとくフランス語の情報しかないので、手に入れるまでが、また大変だった。だが、ジャケットの白髪の Mylène、そして真っ白な顔に赤い目というデザインが新鮮だった。

Boutonnat プロデュースのアルバムとしては、2008年の『Point de suture』以来だから、約4年ぶりに Mylène と Boutonnat の関係がフル・アルバムで実現したわけだが、その成果は、個人的には「大満足」の一言。

ちょっと憂いのある曲、別な言い方だと少し暗い雰囲気がアルバムを覆い、Mylène の気怠いボーカルが、そこにピタリとハマる Boutonnat の曲作りは、やっぱり Mylène の曲に欠かせない要素だ。

『Bleu Noir』にあったエレクトロな要素もやり過ぎないほどに曲にまぶされ、賛否両論 (?) だった『Bleu Noir』でのスタイルも、Boutonnat 流に解釈され、この『Monkey Me』に消化されたように思える。

フランスでは絶大なる人気の Mylène だけあって、12月頭にリリースされた『Monkey Me』は、12月15日付けの全仏チャートで2005年のスタジオ・アルバム『Avant que l'ombre...』以来続く No.1 を記録。この2枚の間にはライブ盤も2枚 No.1 になっている。(残念ながらベスト盤『2001.2011』は3位止まり!)

Wikipedia によるとフランスではダウンロード配信より、CD やアナログ盤でのセールスが多く、約14万枚弱を記録。ダウンロードでのセールスは1万弱とあるが、両者を合わせた『Monkey Me』の1週間のセールスは、2012年のフランスで最も売れたアルバムだという。

Mylène の新譜は今までにもいろいろな形態でリリースされてきたが、『Monkey Me』でも限定盤のコレクター・ボックスと、音声だけを収めた Pure Audio Blu-ray と CD をペアにした限定盤、そして2枚組のアナログ盤と、通常の CD と4種類がリリースされた。

いつもは、ちょっとだけ体裁の凝った限定盤を探して入手してきたが、今回は Pure Audio Blu-ray との限定盤がそれに相当。しかし、手元には Blu-ray の再生環境がないので、今回は一番シンプルな CD を選択した。

Blu-ray には通常のステレオ2chで CD のスペックを大きく上回る 24bit/96kHz のハイレゾリューション音源があるので、Blu-ray 再生環境がある方なら、こちらで Boutonnat と Mylène の世界を堪能するのもいいだろう。(Mylène の囁くようなボーカルが目の前に浮かび上がってきそう!!)

Monkey Me