David Bowie／『Best Of Bowie』

David Bowie の巧みなプロモーションにハマり、Bowie 漬けの最近。ここまで見事に情報をコントロールされると、その新譜以外に満たされない部分を求め、行き着いたのがドイツ版の『Best Of Bowie』だった。

2002年秋にリリースされた『Best Of Bowie』は22の国々で20種類のバージョンがリリースされ、カナダ、チリ、デンマーク、ギリシャ、ニュージーランド、イギリス、アメリカの7か国では2枚組として、今回紹介するドイツなどでは1枚の CD でリリースされた。

当時の最初アルバム『Heathen』までのヒット曲をリリースする国によって選び分けたベスト盤『Best Of Bowie』は、約40曲を収めたイギリス版やアメリカ版を抑えれば、それまでの Bowie のキャリアを大まかに知ることができた。

だが『Best Of Bowie』以前に数々のベスト盤を手にしてきた身には、今までと同じような選曲では満足できず、20種類ものバージョン違いがあるなら、その中でもレアな曲が選ばれている『Best Of Bowie』をと思い、このドイツ版を選ぶことにした。

約78分に20曲が詰め込まれたドイツ版『Best Of Bowie』には20曲も収録されているので、約半分の曲がシングル・バージョンやラジオ局向けに編集されたバージョンで収録されていた。

また、イギリス版やアメリカ版が年代順に曲を並べていたのに対してドイツ版は最後の曲こそ『Slow Burn』で統一していたが、各時代の曲がランダムに並べられ、意外な順番で Bowie の代表曲が聴ける面白みもあった。

ドイツ版には他のバージョンにあまり収録されていない曲も多く、『"Heroes"』のドイツ語版『Helden』は、もちろんこのドイツ版のみの収録。他に『When The Wind Blows』はドイツ版以外はチリ・バージョンだけ。『Fame 90』はドイツ版以外にオーストラリア版と、コロンビアなどの南米でリリースされた2バージョンのみ。そして『Loving The Alien』のシングル・バージョンはドイツ版の他、5つのバージョンにしか収録されていなかった。

『Cat People』と『Under Pressure』、そして最後の2曲、『Thursday's Child』と『Slow Burn』以外の16曲はリリース時点で新たなデジタル・リマスターも行われていた『Best Of Bowie』は、DVD 版もリリースされ、そちらには特殊な操作方法で見られる隠しトラックもあり、映像版としても『Best Of Bowie』は十分楽しめるつくりになっていた。

10年ぶりの新曲だけで構成されたフル・アルバム『The Next Day』のリリースまで、あと2週間。いろいろなライブ盤や、何十周年記念といった編集盤が多くリリースされたここ10年だったが、ようやく『Best Of Bowie』にある代表曲に並ぶような曲が聴ける (かもしれない…)。

Best Of Bowie (Germany Edition)
Let's Dance ★
Ashes To Ashes ★
Helden ★
Fame '90 (Gass Remix)
Young Americans ★
Fashion ★
Ziggy Stardust
Space Oddity
When The Wind Blows ☆
Cat People (Putting Out Fire) ★
Sound And Vision
Loving The Alien ★
Blue Jean
China Girl ★
Under Pressure (with Queen)
Dancing In The Street (with Mick Jagger)
Absolute Beginners ★
This Is Not America (with Pat Metheny Group)
Thursday's Child ☆
Slow Burn ☆
★:Single Version
☆:Radio Edit

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