Bon Jovi／『What About Now』

David Bowie 同様、今年初めに新曲を披露し、久々の新作が待ち遠しかったのが、2009年終盤にリリースされたスタジオ・アルバム『The Circle』以来となる、この Bon Jovi の『What About Now』だった。

ほぼ同じ日にリリースされた Bowie の新譜と英米のチャートで No.1 の座を争い、結果、アメリカでその座を勝ち取ったのは、この『What About Now』だった。(全英チャートでは Bowie の新譜が No.1 に)

Bowie の新譜は10年ぶりということもあって発売当日に手に入る国内盤を (渋々…) 選んだが、Bon Jovi の新譜はボーナス曲もない (本来のあるべき姿) の全12曲入りを WOW HD で1000円以下で予約。時間はかかったが、先日ようやく手元に届いて、さっそく3回全体を通して聴いた。

Bowie の新譜より少ない全12曲で、収録時間もちょっと短い約51分。やっぱり1枚のアルバムを通して聴くことを考えると、このくらいの曲数と時間がちょうどいい。

で、Bon Jovi の新譜の第一印象は…というと、Bowie のときほどインパクトはなく…。では、期待外れなのか…? というと、そんなことは決してなかった。

リード・シングルの『Because We Can』は、ここ最近の Bon Jovi らしい、ちょっとミドル・テンポの曲で健在ぶりをアピールするのに十分だったし、他にも『That's What The Water Made Me』や『Beautiful World』というロックな曲もあり、バラードな『Amen』『Thick As Thieves』もいい曲だった。

2007年のスタジオ・アルバム『Lost Highway』から少しずつ目に見えて推し進めてきたカントリーなスタイルが、それほど多くもなく適度に使われている点も良く、時折聴こえるストリングスやバンジョー (?) の音もちょうどいいアクセントになっていた。

全12曲のライターには Jon Bon Jovi の名前が全てあり、Richie Sambora とリード・シングルや『Pictures Of You』『What's Left Of Me』など5曲を共作。

そして2005年のスタジオ・アルバム『Have A Nice Day』の頃から Bon Jovi と曲を作ってきた John Shanks が、タイトル曲や『Room At The End Of The World』など5曲で。また、2002年のスタジオ・アルバム『Bounce』から、やはり曲を共に作ってきた Billy Falcon が、リード・シングルや『Amen』『Beautiful World』など6曲で、この『What About Now』でライターに名前があった。

『Army Of One』では Jon と Richie のふたりに加えて、『Livin' On A Prayer』『You Give Love A Bad Name』を作った懐かしい名前、Desmond Child もライターにあった。

最近のスタジオ・アルバムで共に曲を作ってきた外部ライターを多く起用し、歌詞の面で前向きな曲が多い『What About Now』は、Bowie の新譜ほど歌詞も難解ではなく、英語圏以外の国々でも歌詞の意味は解りやすい。そして、そんな前向きな内容の『What About Now』は、今の時代のアメリカにうまく合ったアルバムなのかもしれない。そんな点が、アメリカのチャートで No.1 になり、Bowie の新譜をセールスの面でも上回った一因なのだろう。

そうそう、この『What About Now』のジャケットのことで、もうひとつ！ ジャケットを手にするまで全く気づかなかったが、ここにはペイントされた Bon Jovi の4人のメンバーが巧みに隠れていた。それも、このアルバムの、もうひとつの驚きだった！

What About Now
Because We Can
I'm With You
What About Now
Pictures Of You
Amen
That's What The Water Made Me
What's Left Of Me
Army Of One
Thick As Thieves
Beautiful World
Room At The End Of The World
The Fighter

タグ：2013 Bon Jovi