Pink Floyd／『Shine On』

Pink Floyd もまた、活動期間が長いので、いろいろな企画モノがあり、この『Shine On』は1992年の暮れにリリースされたボックス・セットだ。

このボックスがリリースされた1992年当時は、渋谷の HMV がまだオープンした最初の場所にあった頃。そこの地下一階が輸入盤を扱うフロアで、そこの新譜が展示されている棚の一番下に、この『Shine On』が置かれていた。

この目を惹く『Shine On』のジャケット・デザインは Storm Thorgerson によるもの。このイラストがあるボックスの表の上下に Pink Floyd と Shine On という文字が控え目にプリントされていた。

シュリンクされたパッケージに貼られたラベルには Newly-Remastered の文字。そして、The Early Singles という10曲入りのボーナス CD が付いているとあった。

Pink Floyd のレコーディング開始から25年を記念して作られた『Shine On』には7枚のスタジオ・アルバムがあり、その中には既に持っていたアルバムもあったが、聴いていないアルバムがほとんどだったので、付いていた値段を見ながら、その前を何度も何度も行ったり来たりした。

大いに迷った挙句、この重くて大きいボックスを渋谷から自宅へと電車を乗り継いでいくことを決断！ 指に HMV の紙袋の取ってが食い込みながら、自宅へとこの重いボックスを持ち帰った。

ここに収めれられていたアルバムは、『A Saucerful Of Secrets』『Meddle』『The Dark Side Of The Moon』『Wish You Were Here』『Animals』『The Wall』『A Momentary Lapse Of Reason』の7枚。

この当時はまだ Pink Floyd の歴代アルバムについて詳しくなく、『The Wall』は LP で、『A Momentary Lapse Of Reason』は CD で聴いていただけ。『The Wall』以前の『The Dark Side Of The Moon』からの3枚のアルバムが含まれていて、この3枚が聴ける点が魅力のボックスだった。

HMV の紙袋が指に食い込みながら持ち帰ったボックスの中は、こんな (↓) 内容だった。(写真はネット上に上がっているモノを転載)

112ページに及ぶハードカバーの本はオールカラー。これも見応えがたっぷりなデザインで、各アルバムの詳細などが掲載されていた。

7枚の CD は全て真っ黒なプラケースに1枚ずつ収められ、それをまた収納できる紙製のボックスが折り畳まれていた。このボックスを組立て全てのプラケースを収納すると、背表紙が『The Dark Side Of The Moon』の表ジャケットになるという装丁だった。

その他に、各アルバムの表ジャケットと、このボックスのイラストをハガキ大にプリントした8枚が同封されていた。

この当時の最新リマスターされた各アルバムは、比較すべき対象が手元になかったので、その効果を確認することはできなかったが、初めて聴く『The Dark Side Of The Moon』は、そのリマスター云々を別にしても驚きのアルバムだった。

7枚のアルバムをひと通り聴いてから、ボーナス CD にある初期のシングルを聴くと、これがまた同じバンドなのか…? と思うくらい、違う雰囲気の曲ばかり。この頃と繋がる初期のアルバムが、このボックスには未収録であることが分かったのは、ずっと後の事だった。

その初期のシングルを集めた『The Early Singles』に収められていたのは、以下の10曲。

Arnold Layne
Candy And A Currant Bun
See Emily Play
Scarecrow
Apples And Oranges
Paint Box
It Would Be So Nice
Julia Dream
Point Me At The Sky
Careful With That Axe Eugene

今ではなかなか開けることのない『Shine On』という箱。『The Early Singles』にある10曲はオリジナル・アルバムに未収録な曲が多いことを後から知り、それらがまとめて聴けるのも、この『Shine On』というボックス・セットのメリットだった。

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