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Jeff Beck Group/『Rough and Ready』 [CD]

iconicon最近 Jeff Beck のアルバムをよく聴いている。そういえば、今年の4月には昨年に続いて再び来日公演が行われることになっている。

昨年は同時期に Eric Clapton も来日し、そのジョイント公演も行われたが、残念ながら諸事情からそのジョイント公演も行けなかった。Jeff Beck の来日公演はよく行っていたので、今年は時間を作りぜひ行ってみたいと思っている。

Jeff Beck の来日公演といえば、知人の女性で Jeff Beck がとても好きな方がいて東京国際フォーラムで行われたコンサートに一緒に行ったこともあった。今となっては懐かしい思い出だ。

この『Rough and Ready』は第2期 Jeff Beck Group の1作目で1971年にリリースされた。前作、第1期 Jeff Beck Group の『Beck-Ola』からは2年が経っていた。日本語では『間に合わせ』とも訳される『Rough and Ready』で Jeff Beck Group に集った面々は、ジャケット左上の Jeff Beck に始まり、右上の Clive Chaman (ベース)、左下の Bob Tench (ボーカル)、中央下の Cozy Powell (ドラム)、右下の Max Middleton (ピアノ)。この5人が第2期 Jeff Beck Group のメンバーだ。

Cozy Powell から徐々にメンバーがその人脈を経て起用されていった第2期 Jeff Beck Group だが、この5人が作るサウンドは Rod Stewart のボーカルと Ronnie Wood のベース、Nicky Hopkins がピアノに名を連ねていた第1期のサウンドとは全く趣きが異なっている。

第1期がハードなブルースやハード・ロックをイメージするサウンドだったのに対し、第2期の1作目『Rough and Ready』はモータウン系サウンドに代表されるソウル・ミュージックの影響が強い。

Bob Tench のボーカルもソウルフルな歌い方で、Rod Stewart のボーカルとは全く異質のものだ。第1期 Jeff Beck Group ではアルバムごとに異なっていたドラムも Cozy Powell を据えた。第1期では Rod Stewart と Jeff Beck のバトルのようなプレイが聴きどころだったが、第2期では Cozy Powell とのプレイが聴きどころのひとつでもある。

また第1期の Nicky Hopkins に代わり、第2期でピアノを担当する Max Middleton のプレイも強いアクセントを放っている。『Beck-Ola』での『Girl From Mill Valley』に相当する『Rough and Ready』での『Raynes Park Blues』はイギリスでの初版だけ『Raynes Park Blues』と表記されていたが、以降のプレスでは『Max's Tune』と変えられた。Max Middleton のピアノが前面にフューチャーされた曲でも Jeff Beck の澄み切ったギターの音色がとてもいい。控えめにドラムを叩く Cozy Powell のプレイもまたいい。

当初この『Rough and Ready』のプロデュースは Jimmy Miller が務めていたようだが、最終的には Jeff Beck がプロデュースを務めアルバムを仕上げている。そして前作まではオリジナルとカバー曲が混在していたが、『Rough and Ready』では全てオリジナル曲で埋められている。

第1期のサウンドを続ける選択肢もあっただろうが、アルバムのジャケットからも感じられるようなブラック・ミュージックに接近していった第2期の Jeff Beck Group。振れ幅が広くて、いい意味で期待を裏切ってくれたこの『Rough and Ready』も Jeff Beck のアルバムでは好きな1枚だ。

『Rough and Ready』
Got the Feeling
Situation
Short Business
Raynes Park Blues
I've Been Used
New Ways / Train Train
Jody

タグ:Jeff Beck 1971


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コメント 2

POPOSUKE

MCMLXV_65さん こんにちは

私もこのアルバムや次作はかなり気に入っております♪
第2期 JEFF BECK GROUPはバンドとしての一体感があっていいですよね。
ワガママなJEFFとしてはYARDBIRDS以来だと思います(笑)
バンドのアンサンブルも素晴らしいですけど、BOB TENCHのヴォーカルも素晴らしいですよね!
彼は前任シンガー(?)のROD STEWARTと比較されがちで少し損をしているのが気の毒です。
RODとは完全に別もののシンガーなんですけどね・・・
by POPOSUKE (2010-01-17 16:35) 

MCMLXV_65

POPOSUKEさん、コメントとniceマークをありがとうございます! POPOSUKEさんもこのアルバム、お気に入りなんですね。私もバンドとしてのまとまりがこのアルバムにはあると思います。

Bob TenchのボーカルもRod Stewartと異なる素晴らしいボーカリストだと思います。タイプの異なるボーカリストを起用して、バンドとしてまとめあげたJeff Beckのプロデュースもこのアルバムでは光っていますね!!
by MCMLXV_65 (2010-01-17 16:45) 

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