Eric Clapton／『Journeyman』

以前にこのブログでも紹介した『August』を1986年にリリースした Eric Clapton は、それ以降、キャリアを総括するような『Crossroads』などのベスト盤をはさみ、1989年の暮れにこの『Journeyman』をリリースした。

これも当時は CD でよく聴いたアルバムのひとつで、このアルバム・リリース後に行われた来日公演にも足を運んだ。内容は前作『August』の続編のようなつくりで、日本車の CM にもこのアルバムの曲が使われるなど、商業的にも成功したアルバムだった。

『August』は全英チャートで最高3位だったが、この『Journeyman』はそれを上回る2位を記録。全米チャートでも前作の最高37位を上回る最高16位を記録し、アメリカでは前作のセールスを大きく上回る200万枚を売り上げた。

『Journeyman』からはシングルもヒットを記録し、『Bad Love』は全英で最高25位を記録、『Pretending』も全米チャートでは久々にランクインを果たして最高55位をマークした。他にも『No Alibis』や『Hard Times』といったバラード曲もこの『Journeyman』からはシングル・カットされた。

また『Journeyman』に収録された曲は、以降のライブでもプレイされる機会が多く、『Running On Faith』や『Before You Accuse Me』、『Run So Far』は最近のライブでもよく聴くことができる。『Bad Love』も最近でこそあまりプレイされなくなったが、一時は『Layra』などと並び会場がグッと盛り上がるライブ映えのする曲だった。

好きな曲の多い『Journeyman』だが、黒い背景に髭を蓄えた長髪の Eric Clapton の横顔にアルバム・タイトルと名前だけが表記された素っ気ないジャケットは CD の12cm四方の大きさでは全く見栄えがしなかった。いいアルバムなのにジャケットのおかげで少し損をしているようなアルバムでもあった。

今回久しぶりにこの CD を見つけて聴いてみたが、Eric Clapton のボーカルとギターがとてもよく、ロックな『Pretending』、バラードな『Running On Faith』で Eric Clapton のボーカルやギターがとても楽しめた。

『Hard Times』でのボーカルもいいし、続く『Hound Dog』でのボーカルもリラックスした感じで、この2曲も『Journeyman』では好きな曲だ。『Love』がタイトルの曲は『Bad Love』の他に『Old Love』もあるが、こちらは一転したバラードで、この曲も『Journeyman』ではアクセントとなるいい曲だ。

そしてこの『Journeyman』にも1980年代の Eric Clapton のアルバム同様、多くのゲスト・ミュージシャンが参加している。Phil Collins や Nathan East、Greg Phillinganes といったツアーをともにしたメンバーに加えて、サックスで David Sanborn、ギターに Robert Cray や George Harrison の名前もあり、他にも Darryl Jones や Steve Ferrone、Cecil Womack、Linda Womack らが参加と、アルバム制作の過程をも見たくなるようなアルバムだった。

『Journeyman』
Pretending
Anything For Your Love
Bad Love
Running On Faith
Hard Times
Hound Dog
No Alibis
Run So Far
Old Love
Breaking Point
Lead Me On
Before You Accuse Me

タグ：Eric Clapton 1989

コメント 2

Augustは持ってるんですけど（それもリマスター盤）、これは未入手ですね。ぶっちゃけAugustにあまり良い印象がなくて、ブックオフの500円棚で見かけても、スルーしていました。
このレビューを読んでちょっと購買意欲が湧きました。
安かったら買っちゃおう！
by ryo (2010-03-09 23:30) 

ryoさん、こんばんはー。『Journeyman』は買い! ですヨー!! 1980年代のEric Claptonのアルバムでは一番いいんではないかと思いますが、意外とこのジャケットのおかげか、ブックオフでもチラホラ見かけます。『August』よりエイティーズでもないし、ぜひぜひ一度お試し下さい!!!
by MCMLXV_65 (2010-03-09 23:42)