Slash's Snakepit／『It's Five O'Clock Somewhere』

最近、初のソロ名義でのアルバムをリリースした元 Guns N' Roses の Slash だが、1995年には Slash's Snakepit という名義で『It's Five O'clock Somewhere』をリリースしている。このアルバムは Guns N' Roses の新しいアルバム用に準備された素材を元にして作られたアルバムだった。

『Use Your Illusion』に続く Guns N' Roses の新作のデモを Slash は、Guns N' Roses のメンバーであるドラムの Matt Sorum とギターの Gilby Clarke と手掛けていた頃、Alice in Chains のベース Mike Inez がここに加わった。そこに Jellyfish でギターを弾いていた Eric Dover がオーディションを経てボーカルとして加入し、Slash's Snakepit の主なメンバーが確定した。

『It's Five O'clock Somewhere』にある14曲は主に Slash とボーカルの Dover によって書かれた曲だが、Guns N' Roses のベース Duff McKagan も『Beggars & Hangers-On』で曲作りに参加。また、やはり Guns N' Roses でキーボードを弾いていた Dizzy Reed もこの『It's Five O'clock Somewhere』に参加していた。

1990年代序盤の Guns N' Roses のメンバーでボーカルが Axl Rose から Eric Dover に、ベースが Duff McKagan から Mike Inez へと変わった以外、ほぼ Guns N' Roses ともいえる Slash's Snakepit のデビュー盤は、全米アルバム・チャートで最高70位ながらも100万枚のセールスを記録。イギリスのアルバム・チャートでも最高15位を記録と、好結果を残した。

レコーディング時のメンバーからベースとドラムを変えてツアーも行なった Slash's Snakepit だが、Guns N' Roses の新作レコーディングに合わせて解散。だが、Slash は1996年には正式に Guns N' Roses から脱退した。

Guns N' Roses 用に準備した素材を元にしたとはいえ、出来上がったアルバムはブルースの香りやハード・ロックの要素があり、セールス面でもプラティナ・ディスクを獲得。そしてツアーも行なったことで Slash にはソロでもやっていける自信も芽生えたのだろう。Guns N' Roses の様々な喧騒や束縛から離れ、自らのことに集中できる環境は Slash にとって魅力的に映ったに違いない。

Slash's Snakepit 名義では2000年に『Ain't Life Grand』をリリースしたが、ここでは Slash 以外のメンバーを一新。Aerosmith のアルバムでエンジニアやプロデュースを務めた Jack Douglas をこの新作のプロデュースに迎えて『It's Five O'clock Somewhere』よりハードな面を魅せている。

その後、Slash は Velvet Revolver として2枚のアルバムを経て、自らの名前を冠した『Slash』をリリース。このアルバムも好意的な評価が多いので、近いうちに聴いてみたい思っている。

It's Five O'clock Somewhere
Neither Can I
Dime Store Rock
Beggars & Hangers-On
Good To Be Alive
What Do You Want To Be
Monkey Chow
Soma City Ward
Jizz Da Pit
Lower
Take It Away
Doin' Fine
Be The Ball
I Hate Everybody (But You)
Back And Forth Again

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