Wings/『Wild Life』 [CD]
1970年代の終盤、Paul McCartney と Wings のアルバムを聴き漁っていた頃、Wings が1971年にリリースしたデビュー盤の『Wild Life』も LP で聴いたが、当時はあまりいい印象がこのアルバムにはなかった。それは CD として改めて聴いたときも同じで、この Wings のデビュー盤に収められた10曲はどれも何か物足りない印象だった。
だが、この『Wild Life』を最初に聴いた1970年代の終盤は、Wings としてピークを迎えていた頃のアルバムを先に聴きまくった後で、それらのアルバムとこの『Wild Life』の差についていけなかったのではないかと思う。
次に CD でこの『Wild Life』を聴いたときは、久々にソロとしての名盤『Flowers in the Dirt』がリリースされた1989年で、この時は過去のバック・カタログが一気に CD でリイシューされ、その際に『Wild Life』も他のアルバムと合わせて購入した。
CD として最初に手にした『Wild Life』の印象は、ここでも他のアルバムと共に聴いたため、またもあまり良くなかった。新作『Flowers in the Dirt』が Paul の新作として久々に評判が高かったため、『Wild Life』の CD は数回聴いただけで、すぐにラックの中に収まってしまった。
そして最近、久々に Paul のソロ時代のアルバムを少しずつ聴いているが、いろいろなベスト盤にも『Wild Life』の曲はほとんどなく、このデビュー盤からはシングルも1枚もカットされていなかった。そういうことも『Wild Life』の印象が薄い理由の1つだったと思う。
『Wild Life』は Paul と Linda に加えて、前作『Ram』の頃から起用したドラマーの Denny Seiwell と Moody Blues にいたギタリストの Denny Laine の4人で The Beatles に代わる新しいバンド Wings としてスタートをきったアルバムだった。
『Wild Life』に収められた曲の中にはワンテイクで録られた曲もあり、レコーディングそのものは3日で終了し、アルバムを2週間で完成させたともいわれている。
荒削りな感じの曲が多いことも、後の完成度が高いアルバムと比べると欠点に感じてしまう『Wild Life』だが、『Some People Never Know』や『I Am Your Singer』で聴ける Paul のボーカルはとても優しい声で、『Wingspan』でようやくベスト盤に取り上げられた『Tomorrow』には、なぜ今までその良さに気がつかなかったのだろうと、今さらながらに思ってしまった。
Paul がシャウトするボーカル曲も『Wild Life』には数曲あり、こういうスタイルの曲は最近の Paul のアルバムであまり聴けないこともあり、『Wild Life』をより新鮮に感じた。
今、手に入る CD の『Wild Life』には4曲のボーナス曲が含まれているが、1989年当時に購入した『Wild Life』(写真右)にあったボーナス曲は3曲だけで、Paul の初のソロ・シングル『Another Day』のカップリング曲『Oh Woman, Oh Why』と、1972年にリリースされた『Mary Had A Little Lamb』とそのB面曲の『Little Woman Love』が収録されていた。
現在の『Wild Life』の CD には『Mary Had A Little Lamb』のシングル両面の2曲と『Give Ireland Back To The Irish』、『Mama's Little Girl』の4曲がボーナス曲として追加されている。『Give Ireland Back To The Irish』は長い間 CD 未収録の曲で、この曲はベスト盤を含む Paul のどのアルバムにも含まれていないレアな曲だ。今までに一度も聴いたことがないのだが、この1曲のためだけに、もう1枚『Wild Life』を購入するのはちょっと躊躇ってしまう…。
Wild Life
Mumbo
Bip Bop
Love Is Strange
Wild Life
Some People Never Know
I Am Your Singer
Bip Bop Link
Tomorrow
Dear Friend
Mumbo Link
【Bonus Tracks】
Oh Woman, Oh Why
Mary Had A Little Lamb
Little Woman Love
だが、この『Wild Life』を最初に聴いた1970年代の終盤は、Wings としてピークを迎えていた頃のアルバムを先に聴きまくった後で、それらのアルバムとこの『Wild Life』の差についていけなかったのではないかと思う。
次に CD でこの『Wild Life』を聴いたときは、久々にソロとしての名盤『Flowers in the Dirt』がリリースされた1989年で、この時は過去のバック・カタログが一気に CD でリイシューされ、その際に『Wild Life』も他のアルバムと合わせて購入した。
CD として最初に手にした『Wild Life』の印象は、ここでも他のアルバムと共に聴いたため、またもあまり良くなかった。新作『Flowers in the Dirt』が Paul の新作として久々に評判が高かったため、『Wild Life』の CD は数回聴いただけで、すぐにラックの中に収まってしまった。
そして最近、久々に Paul のソロ時代のアルバムを少しずつ聴いているが、いろいろなベスト盤にも『Wild Life』の曲はほとんどなく、このデビュー盤からはシングルも1枚もカットされていなかった。そういうことも『Wild Life』の印象が薄い理由の1つだったと思う。
『Wild Life』は Paul と Linda に加えて、前作『Ram』の頃から起用したドラマーの Denny Seiwell と Moody Blues にいたギタリストの Denny Laine の4人で The Beatles に代わる新しいバンド Wings としてスタートをきったアルバムだった。
『Wild Life』に収められた曲の中にはワンテイクで録られた曲もあり、レコーディングそのものは3日で終了し、アルバムを2週間で完成させたともいわれている。
荒削りな感じの曲が多いことも、後の完成度が高いアルバムと比べると欠点に感じてしまう『Wild Life』だが、『Some People Never Know』や『I Am Your Singer』で聴ける Paul のボーカルはとても優しい声で、『Wingspan』でようやくベスト盤に取り上げられた『Tomorrow』には、なぜ今までその良さに気がつかなかったのだろうと、今さらながらに思ってしまった。
Paul がシャウトするボーカル曲も『Wild Life』には数曲あり、こういうスタイルの曲は最近の Paul のアルバムであまり聴けないこともあり、『Wild Life』をより新鮮に感じた。
今、手に入る CD の『Wild Life』には4曲のボーナス曲が含まれているが、1989年当時に購入した『Wild Life』(写真右)にあったボーナス曲は3曲だけで、Paul の初のソロ・シングル『Another Day』のカップリング曲『Oh Woman, Oh Why』と、1972年にリリースされた『Mary Had A Little Lamb』とそのB面曲の『Little Woman Love』が収録されていた。
現在の『Wild Life』の CD には『Mary Had A Little Lamb』のシングル両面の2曲と『Give Ireland Back To The Irish』、『Mama's Little Girl』の4曲がボーナス曲として追加されている。『Give Ireland Back To The Irish』は長い間 CD 未収録の曲で、この曲はベスト盤を含む Paul のどのアルバムにも含まれていないレアな曲だ。今までに一度も聴いたことがないのだが、この1曲のためだけに、もう1枚『Wild Life』を購入するのはちょっと躊躇ってしまう…。
Wild Life
Mumbo
Bip Bop
Love Is Strange
Wild Life
Some People Never Know
I Am Your Singer
Bip Bop Link
Tomorrow
Dear Friend
Mumbo Link
【Bonus Tracks】
Oh Woman, Oh Why
Mary Had A Little Lamb
Little Woman Love
2010-05-22 13:28
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コメント(2)
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私も最初ボートラ3曲入りの方を買いましたが、4曲入りのリマスター盤が出た時に買い替え、3曲入りは処分しました^^。
そう言えば「アイルランドに平和を」は、これでしか聴けなかったですね。
当時のアイルランド紛争に心を痛めたポールが作った唯一のプロテスト・ソングですが、かなり怒りのこもった反戦歌です。
今だと多分You Tubeとかで聴けるんじゃないですかね^^。
でも後追いで聴いた世代には人気ないですよねー、残念ながらこのアルバム(笑)。
私は大好きなアルバムで、間違いなくポールのアルバムのベスト5に入ります^^。
バンドとしての初期衝動で作られたような、今のポールなら絶対にあり得ない荒削りなところが逆に好きですね。
このアルバム以外にこんなに勢いだけで作ったようなアルバムはないですし、ある意味貴重な記録だと思っています。
そして何より「Tomorrow」や「Some People Never Know」みたいな非常に秀逸な美メロの曲が何曲かあるのがいいです^^。
by MASA (2010-05-23 00:15)
MASAさん、毎度どーもです。やっぱり、4曲入りの盤も手に入れたんですね。『アイルランドに平和を』はリリース当時放送禁止処分にもなった曲なので、一度は聴きたいと常々思っていましたが、今ならYou Tubeという場所がありましたね。でも、いつかはやはり手元に残しておきたいです。
『Wild Life』はよーく聴きこめば、コレもスルメ的なアルバムなので良さが分かるんですけど、他のアルバムと比べてしまうと、分が悪いアルバムですね。仰るように勢いに任せて作り上げた荒削りなアルバムですが、それでもこのクォリティというのもPaulにしかできない荒業で、やっぱりいいアルバムなんですよね。今回また改めて通して聴いてメロディの綺麗な曲が多いと感じました。
by MCMLXV_65 (2010-05-23 00:56)