Blondie／『Once More Into The Bleach』

Debbie Harry と Blondie の両方の名前が冠されたこのアルバムは前半の6曲と最後の『Sunday Girl』が Blondie 時代の曲で、それ以外は Debbie Harry のソロ時代の曲。この13曲全てに大胆なリミックスが施され、原曲の持つイメージがかなり変えられていた。

Blondie 時代の曲はよく聴いたことのある曲ばかりで、その大胆なリミックスに唖然とするモノもあったが、Debbie Harry の曲はそれほど馴染みがなかったため、Blondie の曲に感じたほどの違和感はなかった。

『The Jam Was Moving』は Debbie Harry が1981年にリリースしたソロ・デビュー盤『Koo Koo』からの2ndシングルで、『Backfired』はデビュー盤からの1stシングルだった。『Once More Into The Bleach』に収められたバージョンは共に1988年に新たに作られたリミックスだった。

『In Love With Love』と『French Kissin' In The USA』は1986年の2ndアルバム『Rockbird』からのシングルで、『French Kissin' In The USA』は全英チャートで最高8位を記録と、Debbie Harry のソロ時代で唯一の Top10 を記録したシングルだった。

『Rush Rush』は Al Pacino 主演の映画『Scarface』のサウンドトラックに提供した曲で、プロデューサーは1980年の映画『American Gigolo』のサウンドトラックに提供した『Call Me』で組んだ Giorgio Moroder だった。

『Feel The Spin』もまた映画絡みの曲で、1985年の映画『Krush Groove』のサウンドトラックに提供した曲。この映画のサウンドトラック盤には Debbie Harry 以外は hip-hop 系のアーティストがずらりと並んでいた。

『Once More Into The Bleach』の Debbie Harry のソロ時代の曲にはソロ・アルバムからシングル・カットされた曲に加えて、映画のサウンドトラック盤に提供した曲も含まれていたので、Blondie 時代を通じて Debbie Harry というアーティストの軌跡を辿る変則的なベスト盤という意味合いもあった。

だが、この『Once More Into The Bleach』の2年後には『The Complete Picture: The Very Best of Deborah Harry and Blondie』という同様の趣旨の20曲入りベスト盤がリリースされた。

両方のアルバムで一部の曲は重複するが、前者がリミックスやフランス語というレアなバージョンを収録していたのに対して、後者はアルバム・バージョンやシングル・バージョンを対象に多くの曲を収録していたので、結局この新たなベスト盤も購入してしまった。しかし、ジャケットは Debbie Harry のアップが写る『Once More Into The Bleach』が良かったし、収録曲のレア度を比べても、やはり『Once More Into The Bleach』が良かったと思う。

Once More Into The Bleach
Denis (Dancin' Danny D Remix)
Heart Of Glass (Shep Pettibone Remix)
Call Me (Ben Liebrand Remix)
Rapture (Teddy Riley & Gene Griffin Remix)
Rapture (Bonus Beats) (Teddy Riley & Gene Griffin Remix)
The Tide Is High (Coldcut Remix)
The Jam Was Moving (Chris Stein & Debbie Harry Remix)
In Love With Love (Justin Strauss & Murray Elias Remix)
Rush Rush (Extended 12" Mix)
French Kissin' In The USA (French Version)
Feel The Spin (Extended Dance Mix)
Backfired (Bruce Forrest & Frank Heller Remix)
Sunday Girl (French Version)

タグ：1988 Blondie

コメント 2

おー、これは私も持ってます。
当時のハウス・ブームに乗ってハウス・リミックスした曲を集めた企画盤ですが、今となってはちょっと貴重かも知れませんね＾＾。

ちなみにデビーの2nd.ソロ「ROCKBIRD」は当時愛聴盤で、随分聴いたなあ〜。
by MASA (2010-05-23 22:46) 

おー、MASAさんも持っていますか、コレ! 今回久々に聴いてみましたが、後半にあるDebbie Harryの曲は、なかなかレアな曲もあって楽しめましたネ!!

Debbieのアルバムは『Koo Koo』のジャケットが強烈に印象に残っているんですが、続く『Rockbird』もそうですが、ちゃんと聴いたことがないんです。今度どこかで(安くなっていないか…)探してみようと思います。
by MCMLXV_65 (2010-05-23 23:18)